大量の謹慎処分者を出し、芸能界を揺るがす事件にまで発展した闇営業問題。独走スクープを続ける「FRIDAY」(講談社)だが、7月5日発売号では謹慎処分となったスリムクラブ内間政成レイザーラモンHGの近況を追いかけるとともに、「本誌編集部にタレコミ電話が殺到している」とアピール。

新たな闇営業芸人のヒントは提示するものの、裏取りに苦戦しているのか、明言までは避ける内容となっていた。

 はたして、「FRIDAY」が宣言してみせたように、まだまだ闇営業問題の続報スクープは続くのか? ある週刊誌記者は次のように語る。

「間違いなくしばらくは続くと思いますね。『FRIDAY』編集部はずいぶんと活気づいていて、『これで年内分のネタは安泰』というほどスクープが集まっていると聞きます。『著名芸能人による反社会的勢力とのビジネス疑惑』というのは、『ジャーナリズムとして当然報じる意味がある』という“大義名分”もありますしね。とはいえ、ネットでは大盛り上がりの闇営業問題を提供した『FRIDAY』ですが、部数アップにそこまで直結してないというのが、この出版不況という時代の悲しさですね……。

 決定的な写真が出たら謹慎になるのは確実なので、今後は、闇営業時の写真を芸人本人に“買い取って”もらおうとする反社系の輩が現れてもおかしくありません。吉本興業は“反社排除”を宣言する決意表明まで出してますから、吉本興業側に持って行って買い取りを提案しても応じるわけがない。それほど、今の吉本は頑なですよ」

ダウンタウン松本の発言は“清廉潔白”だからこそ

 ワイドショーも連日このトピックを長時間にわたって取り上げ、ますます報道が加熱する闇騒動問題。そんななか、あるワイドショーのスタッフは「そろそろ世間は飽き始めているのでは」と分析する。

「闇営業スクープはまだ続くと思いますが、宮迫さんやスリムクラブを超えるようなわかりやすい写真と知名度がないと、“ブーム”としてはそろそろ終わると思いますよ。ナイナイの岡村(隆史)さんや千原ジュニアさんは、過熱する報道に食傷気味だというコメントをしてますが、実際世間もそうでしょう。

ただ、若くして売れた岡村さんやジュニアさんだからこそ、そのようなコメントができるという面も大いにある。ダウンタウンの松本さんが『ワイドナショー』(フジテレビ系)においてこの件から逃げることなく、騒動後の宮迫さんとの会話内容までをトークで提供しているのは、自分が芸人として清廉潔白だという自信があるから。30過ぎでやっと売れた中堅芸人たちはいまだ戦々恐々としてますし、当然及び腰にもなる。つまり、この件に関してコメントをしない芸人は相当怪しいんです。

 そもそも事務所を通さない“直営業”に行ったことがない芸人なんてほとんどいませんし、その営業先に反社会的勢力が潜んでいた可能性がゼロではない以上、“アウト”かどうかに関してはなんともいえないというのが実際のところ。宮迫さんは大ウソをついた結果、謹慎に追い込まれたわけで、闇営業がばれたとしても、せめて復帰への可能性だけは残しておきたいと考えてコメントをしないという芸人は多いでしょう」

ドラマや映画への芸人出演も激減

 今回の闇営業問題の“象徴”ともなってしまった宮迫博之。そんな宮迫に復帰プランはあるのか? 吉本興業に近い関係者は次のように語る。

「本人が望めば復帰させる意向はあるようですが、事態が収束するまではなんともいえないでしょうね。同じく謹慎処分となったワタナベエンターテインメント所属のザブングルは『ボランティア活動をして社会貢献をし、8月末まで謹慎する』ことを発表しましたけど、宮迫さんの場合はそんな簡単にはいかないと思います。ザブングルの闇営業のギャラはふたりで15万だったと認めてますが、宮迫さんは『取っ払いで100万円』との報道があっただけで、吉本はまだ詳細を発表していません。しかし、ザブングルより多くもらっているのは確かなわけで、仮にその100万円という金額が本当だとすれば、パーティーで1曲唄って100万円って、昭和の演歌歌手かよって話ですよね。“反社”のイメージがついてしまった以上、レギュラー出演していた『行列のできる法律相談所』(日本テレビ系)なんて絶対に復帰できませんし、どちらにせよ年内の復帰は絶望的でしょう。

 宮迫さんはいまだに役者熱が高く、いまも小さい劇場で人知れず舞台に立つこともありますが、役者としての復帰はさらに困難。宮迫さんだけじゃなく、芸人をドラマや映画にキャスティングすると危険というのは、今回の事件で業界関係者が痛感したはずです。バラエティ番組であれば、巧妙に編集して存在を消すこともできるでしょうが(笑)、ドラマや映画ではそうもいかないですから。闇営業が横行していることが判明した吉本の芸人さんについては、ドラマや映画へのキャスティングもしばらく減ってしまうのではないでしょうか」

 さまざまな意味で芸能界に波紋を投げかけた今回の闇営業問題。その発端となってしまった宮迫の罪は重いといわざるを得ないだろう。

(文=藤原三星)

藤原三星(ふじわら・さんせい)
ドラマ評論家・コメンテーター・脚本家・コピーライターなど、エンタメ業界に潜伏すること15年。独自の人脈で半歩踏み込んだ芸能記事を中心に量産中。<twitter:@samsungfujiwara>

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