“意味深発言”により去就が注目されている阪神タイガース・鳥谷敬選手。“事実上の戦力外通告”を受けたと一部で報じられ、ファンからは球団に対する不満の声が相次いでいる。
プロ16年目の鳥谷は、今シーズンここまで56試合に出場し、打率2割8厘と低迷中。25日に行われた神宮球場での今季最終戦後、「これが(神宮球場は)最後になるかもしれない」と発言して注目を浴びた。翌日、報道陣から発言に深い意味はあるのか尋ねられると、鳥谷は「全然ないよ」と答えていた。
30日には日刊スポーツが球団関係者の話として、鳥谷が球団から事実上の戦力外通告を受けたと報道。記事では「球団関係者の話を総合すると、この日までに球団から“引退勧告”を受けた模様。今後、球団が方針を変更するとは考えにくく、19年限りでの退団が決定的となった」と報じている。
一方、鳥谷は29日に球団と会談に臨んでいたことが判明。報道によると、谷本修球団本部長が話し合いの事実を認め、「本来は自分で出処進退を決められる数少ないプレーヤーだと思っているので、そこは本人が決める話」とコメント。「答えはまだ出ていない」として、引退勧告を暗に否定。今後も話し合いの場を設ける方針だという。
鳥谷はレギュラー出場が少ないこともあり、今回の去就報道にネット上では「若手にシフトするのは致し方ないけれど、毎日4打席立たせていたら、もっと結果が出ていたとも思う」「生え抜きの功労者なのだから、年齢で切るのではなく、もっと選手の意思を尊重してほしい」「的外れな補強ばかりしているフロントの責任のほうがはるかに重いのでは?」「年齢を考えれば仕方ない話なのかもしれないけれど、このまま不完全燃焼で終わってほしくない」といった声が相次いでいる。
球団に向けられたファンの不満は、鳥谷の扱いに限ったことではない。
29日の中日ドラゴンズ戦(雨天中止)で矢野燿大監督は、これまで4番で起用していた大山悠輔選手を今季初めて先発メンバーから除外。矢野監督は報道陣に対し、北條史也選手の打撃練習の調子が良いと評価した上で「プラスにするのもマイナスにするのも悠輔自身」と語っている。雨天中止になったとはいえ、選手の起用法をめぐってファンからは「4番の大山を外してしまうなんて、今シーズン一体なにがしたかったの?」「4番大山と腹を括ったのなら、どれだけ打てなくても最後まで大山と心中すべき」「ここまできてもチームのビジョンが見えてこない」と不満の声が殺到した。
フロントの采配はペナントレースにどのような影響を及ぼすのか。クライマックスシリーズ出場圏の3位とは3ゲーム差の4位にいる阪神。残り23試合で、どのような結末を迎えるのだろうか。
(文=編集部)