12月30日に放送される『第61回 輝く! 日本レコード大賞』(TBS系)で、「特別音楽文化賞」が新設され、故ジャニー喜多川氏に授賞されることが発表された。だが、その授賞式への登壇者をめぐって疑問の声が噴出している。

 番組公式サイトによると「『特別音楽文化賞』は、日本レコード大賞実行委員会で決まったもので、音楽文化の発展に寄与し、日本レコード大賞へ多大な貢献をもたらした方に贈られる賞として新設されたもの」と説明されている。また、放送当日はジャニーズ事務所を代表して近藤真彦が出演し、ジャニー喜多川氏に代わって受賞することが決定したという。ちなみに近藤は、過去に日本レコード大賞・最優秀新人賞・最優秀歌唱賞の三冠を獲得している。

 ジャニー氏の受賞決定と近藤の出演発表を受けて、インターネット上では「なぜ近藤真彦がジャニーズ事務所の代表なのか」という疑問の声が続出。一方で、賞を受け取る“適任者”として名前が挙げられたのが、2018年に表舞台から引退した滝沢秀明だ。

 滝沢は今年1月、ジャニーズJr.育成のためグループ会社「ジャニーズアイランド」の社長に就任。ジャニーズ事務所が9月に発表した役員人事では、同事務所の取締役副社長という大任にも就いている。そのためジャニーズファンからは、「タレントを辞めてまで裏方に徹するタッキーこそジャニーズ事務所の代表として相応しいのでは?」「ジャニーさんの遺志を受け継いだ幹部は滝沢くんなのだから、今回は例外的に滝沢くんが出演してもいいと思う」との声が多く上がっている。

 他方、ジャニーズ事務所は「日本レコード大賞」と距離を置いているとされ、ジャニーズ事務所にまつわる人物の受賞自体に否定的な意見もある。きっかけは1990年まで遡る。ジャニーズグループ・忍者が、「ポップス・ロック部門」最優秀ポップス新人賞に選出されたことが発端といわれている。ジャニーズ事務所は「歌謡曲・演歌部門」での選出を希望していたため同賞を辞退し、これ以降、同事務所所属タレントはレコ大に出演しなくなった。

だが、2010年に近藤が『心ざんばら』で最優秀歌唱賞に選出されると、ジャニーズ事務所は「近藤は今のジャニーズの若いタレントたちとは違い、レコード大賞に育てられた歌手」として特例で受賞を認めた経緯がある。

 ネット上ではジャニー氏の受賞に対し、「これまで賞レースに不参加だったのに、プロデューサーが亡くなったからといって特別賞をわざわざつくって授与する必要があるのか」「場当たり的に賞を創設しても、権威の喪失を助長するだけ」と厳しい意見が続出。また「レコ大から距離を置いていたジャニーさんが話題づくりのために担ぎ出されたのは可哀想」「ここぞとばかりに視聴率稼ぎに動くTBSに不快感を覚える」といった批判も相次いでいる。

 波紋を広げているレコ大の特別音楽文化賞だが、ジャニー氏が音楽会に多大な功績を残したことは事実。壇上で近藤がどのようなコメントを残すのか注目したい。

(文=編集部)

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