歌手のGACKTが、1月1日に放送されるバラエティ特番『芸能人格付けチェック! 2023お正月スペシャル』(テレビ朝日系)に出演する。同番組では、出演者が高級品と安物を見分ける問題などに挑戦。
一方、ネット上には「なんでGACKTはテレビに出られるんだろう?」「テレビ局やスポンサー的にOKってことなの?」といった声も散見される。というのも、彼をめぐっては10年以上前からさまざまなスキャンダルが浮上しているからだ。
たとえば、2011年の東日本大震災後のこと。GACKTは復興支援のため「SHOW YOUR HEART基金」を設立し、義援金を募ったが、その募金受付窓口がオンラインゲームサイト運営会社「NHN Japan」の口座になっていたため、さまざまな憶測が広がった。また、12年発売の「週刊文春」(文藝春秋)では、東京国税局査察部(通称マルサ)がGACKTの強制捜査に乗り出したと報じられたことも。これらに関しては、GACKT本人が20年1月放送の『直撃!シンソウ坂上SP』(フジテレビ系)出演時、疑惑を否定していたが、番組内で触れられなかった「GACKTコイン」騒動も記憶に新しい。
18年、自ら広告塔を務めて「GACKTコイン」とも呼ばれた仮想通貨「SPINDLE(スピンドル)」をめぐり、多額の損失を抱える投資家が多数出た一方で、自身は上場直後に数千万円を売り抜けたと「文春」が報道。
「ちょっと今までとは考えられない儲け方なので」
「1000万円を入れたのが2億とかなっているんですよ」
などと語り、出資を迫っていたという。
「GACKTはスピンドルで一番儲けたと思います。恐らく、数億から10億円ほどの金額が懐に入ったものと推察しています。それは広告塔や創業者利益よりも、代理店収入でしょう。本人がスピンドルを売って得た収入ではなく、契約上ではスピンドルを他人に売ったら、いくらかがGACKTに入るという契約は結んでいました。
今回の報道で、GACKTが『代理店になったほうがいいと思います。仮想通貨の販売手数料(コミッション)は異常で25%入るんです』とセミナーで語っていたことが明らかになりましたが、GACKTにとって代理店収入は美味しかったと想像できます。スピンドルは、プロ野球選手、ミュージシャン、資産家などから100億円を集めたと言われています。そのうち、GACKTも相当がんばってセミナーを開催し、会社経営などに携わっている出資者候補に対して熱心に勧誘し、集めたでしょう」(ジャーナリスト・伊藤博敏氏/19年3月29日付当サイト記事より)
「G&R」デザイン盗用騒動その後も、20年には「女性を“一流”にするためのブランド」というコンセプトを掲げ、カリスマホストのROLANDと共同でプロジェクト「G&R」を立ち上げたが、同ブランドのドレスの一部が他ブランドのデザインと酷似しているとの指摘が続出。「G&R」運営元のdazzyは12月、商品の販売中止と回収に追い込まれ、GACKTも釈明に追い込まれた。
21年5月には「17LIVE(イチナナ)」上で行ったライブ動画配信で新型コロナウイルス感染症について以下のように発言し、物議をかもす事態も起きていた。
<日本は変異種みたいなふうに言ってますけど、まあまあまあ、みなさん、コロナよくないっすか? あんまり神経質になること、やめないですか? コロナ、コロナって言ってますけどね、もう風邪ですよ、これ。
<医療従事者の方たちが、もうなんか『病院では対応が無理になってきた』とか言ってるじゃないですか。ところが日本の病院の多くが今、潰れ始めているんですよね。なんでか、わかりますか? はい、これ皆さん知らないと思うんでね。ちょっと知っておいてください>
<つまり、これ、闇です闇。本当に。意図あるんでしょうね、世界的な仕掛けがありますよね。“誰が得してんのか?”っていう話なんですけどね。どなたかが儲かるんでしょう。考えてみてください。どの国が儲かっているんでしょうか?>高い危機管理能力?
さらに、GACKTが21年9月に活動休止に入った後、同年11月発売の「文春」は、彼と人妻の不倫疑惑もスクープ。この件と「スピンドル」問題はうやむやのままで、GACKTが活動再開を発表した際には「疑惑の説明はナシ?」「雲隠れしていただけ?」という声が相次いだ。
「7月にTKO・木本武宏の投資トラブルが浮上し、あっという間に表舞台から姿を消して、所属していた松竹芸能との契約も終了。
女性問題にしても、たとえばアンジャッシュ・渡部建は20年6月に不倫が発覚して活動を自粛。今年2月にようやく『白黒アンジャッシュ』(チバテレビ)で活動再開したものの、キー局の地上波番組に返り咲く道のりは険しい。それなのに、GACKTはいきなりキー局、しかも『格付けチェック』というメジャーな番組に再登板。そもそも不倫スキャンダル自体「なかったこと」にしているので、本人は堂々と振る舞うわけだが、納得のいかないという声も少なくない。
「スピンドルの件にしても不倫報道の件にしても、それだけでテレビに出られなくなってもおかしくはないほどインパクトが強い不祥事だが、なぜかいまだにテレビに出続けることができている。問題のたびにそれほど世間に批判の声が広まらないところをみると、騒動を『徹底的に無視』する手法も含めて、想像以上にGACKTの危機管理能力は高いのかもしれない。もしくは、我々業界人が考えるほどには世間のGACKTへの関心は高くないのかも」(テレビ局関係者)
定番となった『格付けチェック』めぐるヤラセ疑惑そんなGACKTには、『格付けチェック』の連勝についても以前からヤラセ疑惑がささやかれてきた。しかし、本人は16年1月にブログで「番組の収録一ヶ月前ぐらいからかなりの多くの人がプレッシャーを掛けてきた」ために円形脱毛症になっていたことを明かすかたちで、疑惑を否定している。
「このご時世、さすがに『格付けチェック』ほどメジャーな番組で堂々と『やらせ』が行われているとは考えにくい。番組サイドとしても、もしGACKTの連勝が途絶えたとしても、それはそれで番組的には盛り上がるので、無理に連勝を続けてもらう必要もないだろう」(テレビ局関係者)
12月に発売されたGACKTの著書『GACKTのドス黒いメンタリズム』(サンクチュアリ出版)では「格付け番組連勝記録、日本アカデミー賞優秀主演男優賞受賞、実業・ビジネスでの大成功と、圧倒的な結果を出し続けるGACKTの手口を大公開」と謳われているが、今後も「圧倒的な結果」を出してくれることに期待したい。
(文=Business Journal編集部)