新年度がスタートした4月から早くも2カ月が経過し、職場や仕事に慣れ始めた新入社員も多いであろうこの時期。少しずつ緊張がほぐれたのも束の間、職場の人間関係に悩まされる新入社員も多いという。

特に女性新入社員にとって厄介なのは、小言が多い古参の女性社員、いわゆる“お局様”の存在だろう。

「いつも私のミスを指摘するときだけ大声になる。絶対、わざと周りの人にも聞こえるようにやっている」(24歳・女性)

「飲食店に就職したのですが、長年勤めているパートのおばさんから『あなた、笑顔がぎこちないわね。接客業に向いてないんじゃない?』と、初対面で言われました」(23歳・女性)

「自分はコンビニ弁当ばかり食べているくせに、私のお弁当のおかずに口出ししてくるのには腹が立ちます」(26歳・女性) 

 こうした傾向は職場だけでなく、若くてかわいいアイドルや女優、はたまた一般女性に対する「チャラチャラしちゃって」「全然かわいくない」など辛辣なコメントが、中高年女性たちから聞かれることも多い。“おばさん”が“若い女性”を嫌うというのは世の常ともいえよう。

 では、なぜこうした傾向がみられるのか。今回は女性の心理に詳しい心理カウンセラーの根本裕幸氏にお話を聞いた。

●若さに対する嫉妬

「一言で言ってしまえば『若さに対する嫉妬』です。40代女性に比べると、一般的に20代の女性のほうが異性からチヤホヤされますし、さまざまな可能性も秘めていますから。特にお局様になりやすいのは、若い頃から仕事などへの不満を抱きながら年を重ねてしまい、人生を後悔しているような人です。若い女性を非難することで、今の自分を正当化して優位性を証明しようとする。つまり、他人を下げることで自分を上げようとするのです」(根本氏)

 若い女性に対して引け目を感じていることが、お局様の特徴のようだ。


「また、これはお局様に限った話ではなく、若手の女優さんやアイドルを非難している人たちも行動の原理は同じです。『自分もチヤホヤされたい』という気持ちも嫉妬する理由の一つで、『華やかな世界で楽しそうにしているうえ、男からチヤホヤされているのが許せない。ずっと苦労して我慢し続けてきた私のほうが正しい』という思いが心の底にある。ただ、やっぱり周囲の男性はチヤホヤしてくれないので、他人に当たってしまうのですね」(同)

 自分の過去や現状に不満を持ちながらも、それを克服する努力ができない女性が、お局様になってしまうようだ。

●正しい対処法

 では、お局様のターゲットにされてしまった女性は、どのように対処すべきなのだろうか?

「嫌な顔をしたり反論したりすると火に油を注ぐ結果になりますから、ここは大人になって、表面上だけでも『すみません』などと言っておいたほうが賢明かもしれませんね。たとえ嫌がらせをされたとしても、嫌われているわけではない。むしろ『私にはないものを持っている。羨ましい』と思われている証しです。結局、ただの嫉妬ですから。『この人は今、幸せじゃないから私に当たっているだけ』と考えれば、少しは気が楽になるかもしれませんね」(同)

 敵になってしまうと厄介なお局様。ただ、発言力があるベテラン社員には変わりないので、味方にすることができれば心強いはずだ。理不尽な言動に腹が立つ場面もあるだろうが、「ただの嫉妬」であることを心に留めて、柔和な対応をしたほうがメリットは大きそうだ。

(文=千葉雄樹/A4studio)

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