「デキるビジネスパーソンほど残業をしない」ともいわれるが、もちろん彼らの仕事量が少ないわけではない。周りの同僚と同じ、もしくはそれ以上の仕事量を抱えていても早く終わらせることができるのだ。



 そんな「デキる人」が仕事を早くこなす秘訣のひとつが、パソコン(PC)のキーボードのショートカットキー利用である。優秀なシステムエンジニア(SE)の中には、ほとんどマウスを使わずにプログラミングを行う人もいる。

 そこで今回は、Windows PCの作業スピードを格段にアップさせるショートカットテクニック、「神キー」をご紹介したい。

●「Ctrl」編 コピペ作業などが格段にラクに

 まず基本編は、「Ctrl」キーを活用したショートカットテク。「Ctrl」+アルファベットのショートカットを一通りマスターするだけで、かなりの作業効率アップが見込めるだろう。基本編だけあり、すでに活用している人も多い王道的「神キー」といえる部類である。

 ではご紹介していこう。

【コピー】「Ctrl」+C
【貼り付け】「Ctrl」+V

 この2つをマスターすれば、いわゆる“コピペ”する際に、非常に作業時間の短縮化が図れる。

【全選択】「Ctrl」+A
【閉じる】「Ctrl」+W
【切り取り】「Ctrl」+X
【やり直す】「Ctrl」+Y
【元に戻す】「Ctrl」+Z

 先の2つを超王道テクとするならば、こちらはほんの少しばかり応用したテクニックといったものだろうか。特に「全選択」は文字通り、ワード内文書などのテキストを一括で全て選択できるので、コピペ作業時にも活躍する頻度は高そうだ。

【上書き保存】「Ctrl」+S
【印刷】「Ctrl」+P

「Ctrl」キーの組み合わせの最後にご紹介したいのがこの2つだが、特に活用をオススメしたいのが「上書き保存」のショートカット。途中まで作成していたワード文書が突然のフリーズによって消えてしまうというトラブルは、誰しも一度は経験しているはず。
しかしその後、「こまめに保存するクセをつけよう」と一度は心掛けるものの、喉元すぎればなんとやらといった具合に、習慣付けがなかなかできないという人も少なくないだろう。

 ワードの場合、多くは左上に「上書き保存」のフロッピーディスクアイコンが表示されているため、マウスを使用してもすぐに上書き保存ができるため、わざわざショートカットキーで覚える必要はないと思うかもしれない。だが、「Ctrl」+Sに慣れると驚くほど小まめに保存する自分に気づくことができるはずだ。

 作業時間、作業労力としてはどちらもわずかなもので、さして差はないように思えるかもしれないが、左手ひとつでコンマ数秒で保存ができる。

 余談だが、いずれも片手だけで操作できる位置のアルファベットキーになっているのはもちろんなのだが、例えば「コピー」=「COPY」、「全選択」=「ALL」、「上書き保存」=「SAVE」、「印刷」=「PRINT」のようにその行動の頭文字になっていることが多いので、覚えるのも簡単だ。

●「Alt」編 ウィンドウ操作が時短確実

 続いてご紹介したいのは「Alt」キーの活用テク。前項の「Ctrl」編でご紹介したものよりも使用頻度は低いかもしれないが、こちらも覚えておくと作業時間短縮となるはずだ。

【アクティブウィンドウの切り替え】「Alt」+「Tab」

「Alt」キーを押し続けた状態で「Tab」キーを叩いていくと、起動中のアプリケーションを順番に表示していってくれるというもの。例えばワード、エクセル、フォトショップ、インターネットエクスプローラーを同時起動している場合は、「Tab」を押すごとに切り替わっていくのである。

【ウィンドウの最小化】「Alt」+「Space」→N
【ウィンドウの最大化】「Alt」+「Space」→X
【ウィンドウを元のサイズに戻す】「Alt」+「Space」→R

 作業中にマウスを使ってウィンドウの大きさを変更する場合、そのウィンドウの右上までポインターを移動させなければならずアイコンも小さいため、わずかだが実はストレスが溜まる動作でもある。それを間違いの少ないキーボード入力に置き換えることが身に付けば、ストレスも溜まりにくいというものだ。

【インターネットエクスプローラーの「戻る」ボタン】「Alt」+←
【インターネットエクスプローラーの「進む」ボタン】「Alt」+→

 こちらもマウスを使う場合、ポインターをウィンドウの左上まで移動させる必要があるため、そのわずらわしさから解放してくれるショートカットテクといえる。


●「Windows」編 コンピュータの大元操作に便利

 Windowsユーザーならば「Windows」キーをベースにした便利なショートカットテクも存在する。

【スタートメニューを開く】「Windows」
【マイコンピュータを開く】「Windows」+E
【コンピュータのロック、ユーザー切り替え】「Windows」+L
【デスクトップを表示】「Windows」+D

 意外と活用頻度の高いスタートメニューやマイコンピュータの表示を、マウスに頼らずにできるこのワザを使いこなしていれば、ショートカットの上級者といえるだろう。

●ほかにも「神キー」は多数存在する

 そのほかにも、タスク マネージャーを起動してフリーズしてしまったアプリを強制終了したいときなどに役立つ「Ctrl」+「Alt」+「Delete」や、マウスの右クリックに相当しており実行できるメニューを表示してくれる「アプリケーション」キー(棚のような四角いマークが描かれたキー)など、知っていると時短となる「神キー」は数多い。

 ネットサーフィンをするときなどはマウスを活用したほうが便利だと感じるかもしれないが、日ごろの仕事で使用頻度が高いアプリケーションの操作は、ショートカットテクを極めたうえでキーボードのみの操作に慣れたほうがかなり作業効率が上がるのである。

 ひとつひとつのショートカットテクにおける時短度合いは、マウスを使用したときと比較して数秒、もしくはコンマ数秒の違いしかないものも多い。しかし、「マウスに手を伸ばし、動かし、クリックする」という一連の動作を省けることは、中・長期的に考えると圧倒的に仕事のパフォーマンスを押し上げる助けとなるはずである。

 まだショートカットテクに不慣れな人は、例えば今回紹介した「神キー」の中で自身の活用頻度の高そうなものを3つほど選んでみて、意識的に使うようにしてみてはどうだろうか。ものの1週間も経てば、ショートカットにおけるスピードアップを実感できるだろう。
(文=昌谷大介/A4studio代表取締役)

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