ひょっこりはんの登場に始まり、チョコレートプラネットやガリットチュウ・福島善成らがブレイクした2018年のお笑い界。さらに、キングオブコントで優勝したハナコや、M-1グランプリ優勝の霜降り明星など、期待の若手芸人も大きく飛躍した。
かつてのお笑いブームのような大きな盛り上がりはないものの、毎年確実に数組の芸人がブレイクするお笑い界。2019年は果たして、どんなお笑い芸人がチャンスをものにするのだろうか? お笑いに携わる業界人に、ブレイクが予想される芸人をピックアップしてもらった。
「キーワードはモノマネ」と話すのは、お笑い事務所関係者A氏。確かに、チョコレートプラネットはIKKOと和泉元彌のモノマネでブレイクし、さらにガリットチュウ福島も船越英一郎やダレノガレ明美などもモノマネで人気を博した。
「すでに年末年始の時点で多くの番組に出演している和田アキ子の物まねをする『Mr.シャチホコ』は、まだまだ売れるでしょう。さらに、綾瀬はるかのモノマネをする『沙羅』や、沢口靖子のモノマネをする『メルヘン須長』あたりは、出番を増やしそうです」(A氏)
また、霜降り明星がM-1で優勝したことによって、若手漫才師にも注目が集まりつつあるという。
「M-1の準決勝に目を向けると、芸歴10年未満くらいの個性的な若手が多数いるんですよ。たとえば、熊本出身の『からし蓮根』は奇天烈なボケが印象的で、ただならぬセンスを感じます。また、ツッコミの杉本青空の奥さんが美容エステを経営する社長というのも、バラエティーでいじり甲斐がありますね。また、“正義感が強いおじさん”のモノマネをネタに入れてくる『ダンビラムーチョ』も注目でしょう。おじさんのモノマネは、あるあるネタとしても人気となる可能性がある」(A氏)
●要注目の“サンドウィッチマンの弟子”
そんななか、賞レースで結果を出しそうなコンビとしてA氏が名前を挙げたのが、『金属バット』だ。
「しゃべくり漫才なんですが、いってみれば“ガラが悪い”。
一方、長年芸人を取材している週刊誌記者のB氏は、サンドウィッチマンが所属する芸能事務所グレープカンパニーの芸人に注目している。
「小さい事務所でありながらも、サンドウィッチマンのほか、永野やカミナリといった売れっ子を輩出している事務所として、業界内でも一目置かれているのがグレープカンパニー。2018年のキングオブコントで準優勝となった『わらふぢなるお』や、独特なツッコミが人気の『東京ホテイソン』などもいますが、2019年の注目芸人は、女性ピン芸人の『あぁ~しらき』ですね」(B氏)
あぁ~しらきは、2018年12月10日放送の日本テレビ系『女芸人No.1決定戦 THE W』の決勝戦に進出。1stステージで前回優勝者のゆりやんレトリィバァを破ったものの、最終決戦では振るわず5位で終わった。
「実は“隠れ優勝候補”ともいわれていたんですが、今回の最終決戦ではネタのチョイスに失敗してしまったという印象です。“下の口”がしゃべる鉄板ネタを持ってきていたら、優勝していたかもしれませんね。まあ、下半身ネタなので、ゴールデンタイムでは難しかったと思いますが……。ただ、あぁ~しらきの場合、“サンドウィッチマンの弟子”という肩書きがあるので、こちらを使えばバラエティー番組にも食い込めるのではないかと思いますね」(B氏)
さらに、グレープカンパニーにはもう1組、ブレイクが期待される女性芸人がいる。
「現役のキャバ嬢コンビである『ソノヘンノ女』は、すでに『ゴッドタン』(テレビ東京系)などにも出演するなど、知名度も上がりつつありますね。ネタはリズム系で、男女の恋愛に関するドロッとした話やあるあるなども多く、共感系の笑いで人気となりそうです」(B氏)
ここに名前が挙がった芸人たちは、果たしてブレイクできるのであろうか。2019年のお笑い界にも注目だ。
(文=青野ヒロミ)