深田恭子が主演を務める連続テレビドラマ『初めて恋をした日に読む話』(TBS系)が2月26日に第7話を迎え、平均視聴率は7.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)だった。前週第6話の8.6%から0.8ポイントダウンし、7%台転落はこれで3度目。

同日放送の『後妻業』(フジテレビ系)第6話も5.7%と3週連続で5%台を記録してしまったが、2ケタ到達の道のりが険しいのはどちらも同じである。

『はじこい』は、三流予備校の講師としてハリのない日々を送っていた主人公・春見順子(深田)が、不良高校生・由利匡平(横浜流星)の東京大学受験を通し、自分の人生とも再び向き合っていく物語。同時に、いとこの八雲雅志(永山絢斗)や、順子&雅志の同級生で匡平が通う高校の担任・山下一真(中村倫也)、そして匡平からも思いを寄せられる順子だが、勉強ばかりしてきた彼女は恋にうとく、意図せず男性陣を振り回してしまっている。

 しかし、順子というキャラクターにいやらしさはなく、むしろ一生懸命で好感さえ持てるキャラだ。立場も性格もバラバラな男性たちが“恋の火花”を散らす様子もコミカルに描かれ、ときに切なく、愛おしい。ドラマの視聴率自体は決して良いとはいえないが、それでも各所で『はじこい』旋風が巻き起こっている。


 インターネット上では毎週、それはもう熱狂的な実況コメントが殺到しているし、「モデルプレス」が2月19日に発表した「2019年冬最もハマっているドラマ」という読者アンケートでも、『はじこい』は、関ジャニ∞錦戸亮主演の“月9”ドラマ『トレース~科捜研の男~』(フジテレビ系)を抑えて1位を獲得。さらに「オリコン」によれば、2月18~24日に集計した「週間デジタルシングル(単曲)」のランキングで、『はじこい』の主題歌としてback numberが書き下ろした『HAPPY BIRTHDAY』(配信開始日は2月19日)がダウンロード数1位となっている。

 そんななか放送された第7話では、順子が匡平の理数科目強化のため、東大受験専門塾「花恵会」に通わせることに。匡平は順子以外から勉強を教わるのを嫌がり、生徒にチヤホヤされる人気講師・百田朋奈(高梨臨)のテンションにも辟易していたが、勉強面では百田の腕を認める。かたや順子は、自分から匡平に花恵会へ通うようすすめたのに、百田の学歴、実績、若さなどを実感し、落ち込んでしまう。

 順子の幼馴染み・松岡美和(安達祐実)からは「嫉妬なんじゃない? 講師としても。
女としても」と指摘されたが、順子は即座に否定し、理数科目以外では引き続き匡平の力になれるよう、教材づくりに燃えていた。しかし、あるとき雅志は百田の“正体”を知って順子を心配する。ほぼ同じタイミングで、ネットの書き込みから百田の“経歴詐称”が発覚し、順子と匡平は百田のもとへ。一方で、一真の前には元妻・華(星野真里)が現れて……という展開だった。

 ネット上では、常に男性キャラの一挙手一投足に注目が集まり、今週は「順子が帰るとき、店の扉を開けてあげる雅志の動きが自然で良かった。ああいうさりげない優しさはヤバい」「順子には髪を触らせたユリユリ(匡平の愛称)が百田の手は避けるところにグッときた!」「順子の家の窓から侵入してくる山下先生がカワイイ……。
頭に葉っぱがついてるのも、あざといけどカワイイ……」といった感想が飛び交った。

 また、匡平のことが好きで、もともとは順子を敵視していた“エトミカ”こと江藤美香(吉川愛)もかわいげが出てきて、最近は「エトミカの出番が少ないとさびしい」「エトミカのまっすぐな性格が気持ちいい」などと人気を集めている。

 このようにエトミカの好感度が上昇するなか、百田&優華という新たな女性キャラには、「話をひっかき回さないでほしい」「百田は来週も出るっぽいし、優華もまだ何かありそう……」などと懸念が広がっている。もちろん「来週もイケメンたちの活躍が楽しみ!」との声もあり、視聴率が下がろうとも注目度は変わらないようだ。
(文=美神サチコ/コラムニスト)