豊富な品揃えと安さが魅力で、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)やインターネットニュースなどでたびたび話題にあがる「業務スーパー」。

 近年、不振が続き、閉店してしまうところも多いスーパーマーケット業界で、1号店がオープンした2000年からわずか20年足らずで、その店舗数は800を超えるまでに成長している。

業務スーパーの運営元である神戸物産の2018年10月期の売上高は、約2672億円(前期比6.2%増)、営業利益は約157億円(前期比7.6%増)。さらに、同時期の新規出店数は41店舗と、異例の多さである。

 好調の理由として、人件費・原材料費が安い海外を拠点とした自社工場や協力工場が充実しており、中間マージンのかかる卸しや商社を経由しない形態であることが挙げられている。さらに、ほかのスーパーマーケットが直営店での運営を軸としているのに対し、フランチャイズシステムを活用して、店舗数を急速に増やしているのである。

 そんな絶好調の業務スーパーは、個性的なオリジナル商品を多数展開していることも人気のゆえんとなっているが、なかでも非常に人気が高いジャンルとなっているのが冷凍食品やスイーツだ。そこで、業務スーパーのさまざまな食品を徹底リサーチし、実食した。今回は、そのなかから「買うべき冷凍食品」5つを独断で選び、紹介する。

●こだわり生フランク ハーブ入り 1000g/754円(税込、以下同)

 業務スーパーの冷凍フランクには「プレーン」と「ハーブ入り」があるが、今回はハーブ入りを紹介する。特筆すべきは、なんといってもこのフランクが“生”であるということ。市販されているフランクは一度茹でたものが袋詰めされていることが多いが、このフランクは生の状態のまま真空にして冷凍食品として販売されている。そのため、肉汁の質も量も豊富で、なかなか美味。

 また、香ばしいハーブがふんだんに散りばめられており、爽やかな風味が口いっぱいに広がるのも人気の理由のひとつだろう。
かなり太いうえに生であるため、しっかりと中まで熱を加えるために、焼くのではなく推奨されている通り茹でて食べることをオススメしたい。

●讃岐うどん 200g×5袋/138円

 業務スーパーのうどんシリーズは「大盛」「小分け」「きしめん」などと多種多様な展開がされているが、今回はノーマルな「讃岐うどん」をセレクト。

 なんといっても1袋約28円というそのコスパの高さが一番の注目ポイントなのだが、“安かろう悪かろう”ではなく、味に関しても問題なし。もちもちとしたうどん特有の噛み応えとツルツルとしたのど越しは、冷凍麺として考えると十分なクオリティーに感じられた。

 さらに、調理のしやすさも特長。茹で直す必要はなく、お皿に少量の水と一緒にのせ、ラップをして数分温めるだけで完成するのである。乾麺だとどうしても多量の湯を沸かすことが必要になるのに対し、このお手軽さは忙しいときや時短で済ませたいとき、特に重宝するのではないだろうか。

●フライドポテト(ナチュラルウェッジ) 1kg/213円

 フライドポテトもまた、ストレートにカットされた「シューストリングカット」と、皮付きのまま食べられる「ナチュラルウェッジ」から選べるが、今回は「ナチュラルウェッジ」をチョイスした。

 オランダから直輸入されているこの商品は、油で揚げることが必要だが、程よい塩加減とポテトのほくほく感、皮の食感などもあって安定した食べ応え。おかずの一品としてはもちろんだが、ちょっとしたおやつや、お酒のおともにもちょうどいい商品だった。

 このままでも十分おいしいのだが、1kgとポテトとしてはかなりの量があるので、ケチャップやマスタードなどを用意し、“味変”しながら食べるのがいいだろう。

●塩味えだまめ 500g/160円

 おつまみの代表格である枝豆も、業務スーパーの手にかかれば、安く大量に入手することができる。
500gという大量の枝豆が160円となると、居酒屋でえだまめを注文するのが馬鹿らしく思えてしまうほどだ。

 枝豆もまた、通常であれば茹でる必要があるが、同商品はレンジで1分温めるだけという手軽さ。さらに、流水での解凍も可能なため、お弁当などにも入れやすく、主婦の方たちにもうれしい一品だ。

 茹で直す必要がないため、皮についている塩がそのまま残ってくれるのも良さのひとつである。適度に塩味をきかせた枝豆は、際限なく手が伸び、同時にお酒も進む。

 今回は、もともと塩味のついているものを紹介したが、味付けのされてない枝豆も売られているので、薄味が好みの方や、自分で塩加減を調節したい方はそちらを選ぶといいだろう。

●冷凍インスタントタピオカ 300g/283円

 今、若者の間で大流行している「タピオカ」。渋谷、原宿などでタピオカミルクティーなどが楽しめるタピオカ専門店が続々とオープンし、連日のように行列をつくるほどの賑わいだ。しかし、そういった街へなかなか行けないという人にオススメなのが、この冷凍タピオカだ。

 タピオカの本場である台湾から直輸入されているこちらの商品、袋には「お湯で30秒加熱するだけ」と書いてあるが、実食した経験則から言わせていただくと、1分から1分半加熱するのが一番おいしく感じられた。そのほうが、よりもちもちとした食感が楽しめるのだ。

 人気のタピオカミルクティーが自宅で楽しめるのはもちろんだが、ミルクティー以外の好きな飲み物と合わせて、オリジナルドリンクをつくれることも魅力だろう。
ちなみに、紹介したのは冷凍タピオカだが、業務スーパーでは冷凍の「タピオカドリンク(ミルクティー)」も売られており、そちらも若者を中心に人気の商品となっているようである。

 ――今回紹介した5つの冷凍食品は、低価格かつボリューム満点の大容量商品が多かったことにお気づきだろう。つまり、コストパフォーマンスが非常に高いということである。ちなみに、冷凍食品は長期保存に向いていることはもちろん、調理方法がとても簡単な食品も多いため、効率を重視する忙しいビジネスパーソンにとって、買い物の手間や調理時間を短縮できるのがうれしいポイントだ。

 実食した評価に関しては個人差があると思われるが、どの商品も高いクオリティーであると感じられた。ぜひ一度、お試しいただきたい。
(文・取材/A4studio)

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