3月12日に俳優でミュージシャンのピエール瀧(本名・瀧正則)容疑者が逮捕された件が波紋を呼んでいる。俳優としては放送中のNHK大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』などに出演し、音楽ユニットの電気グルーヴとしてはツアー中で、3月15、16日には東京公演を控えていた。
報道によると、逮捕容疑は「12日頃、都内やその周辺でコカイン若干量を使用した疑い」で、厚生労働省関東信越厚生局麻薬取締部が12日18時頃に世田谷区の自宅を家宅捜索に入った。そして、任意同行して尿検査を行ったところ、コカインの陽性反応が出たという。家族と同居している自宅内からは、コカインは押収されていない。
今回の逮捕については、「東スポWeb」が3月6日付記事で「数多くのテレビや映画に出演している大物俳優」が違法薬物の使用で捜査線上に浮上していると報じており、捜査関係者が「内偵中のため詳しくは話せませんが、当局はかなりの確信を持って捜査を進めている」と語っていた。
ネット上では「瀧ではないか」と噂になっていたが、仮にそうだとすれば、以前から薬物使用で捜査されていたことになる。家族や友人は気づかなかったのだろうか。
イラストレーターの北村ヂン氏は、瀧容疑者とラジオで共演するたびに「警鐘を鳴らしてきた」とツイッターで明かしている。ラジオ局では薬物使用で有罪判決を受けた田代まさしのマグショットをあしらった「悪いことすると捕まるぞ!」と書かれたTシャツを着て、北村氏がイラストを描いた田代の本もプレゼントしたのだという。一方、甥でミュージシャンのピエール畳は「叔父がお騒がせしております」「甥でありながら何も知らなかった」とツイートしている。
そもそも、周囲に気づかれずに違法薬物を使用することは可能なのか。ある音楽ライターは、「使用の頻度にもよると思いますが、知り合いの海外ミュージシャンがコカインの使用で逮捕されたときは『なるほど』って感じでしたよ」と語る。
「温和な人だったのに急にキレたかと思うと、しょんぼりしてるんです。おかしいなと思っていたら逮捕されて。『あの激しすぎる気分の波はコカインのせいだったのか』と納得したんです」(前出の音楽ライター)
瀧容疑者の場合はどうだったのか。続報を待つしかない。
●「逮捕されてホッとしているのでは」
瀧容疑者が悪徳刑事役で出演した2016年の映画『日本で一番悪い奴ら』(東映・日活、白石和彌監督)の原作者で元北海道警察警部の稲葉圭昭氏は、瀧容疑者の逮捕をどう見るのか。稲葉氏は覚せい剤使用による逮捕の経験があり、著書『警察と暴力団 癒着の構造』(双葉社)では、現役時代に覚せい剤のほかさまざまな薬物を使ってみたと明かしている。
「クスリをやるタイプには見えなかったから、驚きました。人気者の瀧さんが薬物に手を出すということは、いろんなプレッシャーがあったんでしょうね。私もそうだったけど、薬物に溺れても気は休まらず、つらい日々だったと思います。パクられて(逮捕されて)、むしろホッとしているんじゃないかな。それに、パクられたときが薬物をやめられるときです。大好きな役者さんなので、復帰を心から待っています」(稲葉氏)
瀧容疑者の逮捕を受けて、すでに静岡朝日テレビは『ピエール瀧のしょんないTV』の放送休止を発表、電気グルーヴの東京公演も中止が決定した。
(文=編集部)