人気ミュージシャンで電気グルーヴのメンバー、ピエール瀧は12日、麻薬取締法違反の疑いで関東信越厚生局麻薬取締部に逮捕された。報道によれば、尿検査でコカインの陽性反応が検出され、ピエールは取り調べに対して「間違いありません」と容疑を認めているという。



 ピエールは俳優としても活躍しており、現在放送中のNHK大河ドラマ『いだてん』や『人生最高レストラン』(TBS系)をはじめ、複数のレギュラー番組に出演中。過去にも大ヒットしたNHK連続テレビ小説『あまちゃん』や連続テレビドラマ『陸王』(同)、北野武監督映画『アウトレイジ 最終章』など多数のドラマや映画に出演し、日本アカデミー賞優秀助演男優賞歴もある。

 逮捕翌日の13日には、ピエールがレギュラー出演する番組のHPが続々と削除され、住宅設備大手LIXILはピエールが出演するCMの放送中止を発表するなど、早くも影響が各所に広がっている。

 先月に俳優の新井浩文が逮捕された際、発生する違約金が5億円に上るとも報じられ、今回のピエールの逮捕をめぐっても違約金の問題が取り沙汰されている。

「テレビ出演やCMスポンサーなどの契約では、実は明確に“違約金は100万円”みたいな記述はなく、“いずれか一方が契約内容に違反した時は、発生した損害の賠償を相手方に求める”みたいな感じで、商業的な契約で一般的な損害賠償請求に関する一文が書かれている程度です。実際にタレントの不祥事で撮り直しや放送中止などに至った場合には、局や制作元と事務所の間での話し合いによって、『損害はこれくらいだけど、これくらい負担してもらえますか』『撮り直しに当たっては、無償でウチの役者出します』などと、当事者間の協議で具体的な内容が決まっていくケースが多いです」(テレビ局関係者)

 また、映画業界関係者は言う。

「以前、俳優の高畑裕太が逮捕された際は、出演する映画が撮り直しとなり、数千万円ともいわれる費用を母親の高畑淳子が負担したといわれています。また、小出恵介が不祥事で活動休止となった際には、出演するネット配信ドラマの撮り直し費用を所属事務所が負担したようですが、比較的大きな事務所はポンとお金で解決という方法も取れます」

 では、ピエールの違約金は総額でいくらくらいに上るのだろうか。

「ピエールの場合、すでに年内の公開が決まっている出演映画が2本、さらにディズニーアニメ『アナと雪の女王』続編の日本語吹き替え版では声優を務める予定でした。また、CMの仕事に加えて、昨年9月に発売され世界展開もされるゲーム『JUDGE EYES:死神の遺言』に出演していましたが、販売元はすでに出荷・ダウンロード販売自粛を発表。さらに今月15~16日に開催予定だった電気グルーヴのツアーライブの中止や、過去のCD・DVDなどの出荷停止・店頭在庫回収も決定しており、このほかにも現在進行中の仕事が数多くあるようです。以上から、違約金の総額は現時点では計算不可能で、無限大といえる状態です」(前出と別のテレビ業界関係者)
 
 違法薬物使用の代償は、あまりに大きい。

(文=編集部)

編集部おすすめ