竹内結子が主演を務める連続テレビドラマ『スキャンダル専門弁護士 QUEEN』(フジテレビ系)の最終回が3月14日に放送され、平均視聴率は前回より0.6%ダウンの6.0%で、第2話の5.8%に次ぐ自己ワースト2位だった。

 このドラマは、情報を操作して危機を乗り切る“スピン・ドクター”の技術を持つ氷見江(竹内結子)が、鈴木法律事務所の危機管理チームのメンバーと一緒にクライアントをスキャンダルから救うというストーリー。



 前回、氷見が政治家・吾妻涼介(山本耕史)の不倫スキャンダルの相手だということが世間にバレ、事務所から姿を消した氷見は世間から批判を受けることに。さらに、氷見は吾妻が行った謝罪会見に対して「先生がそのような対応をされるのであれば、私にも考えがございます」と宣戦布告していた。

 最終回では、氷見が5年前にかかわった事件の真相が明らかになり、氷見と吾妻の闘いにも決着がついた。

 与田知恵(水川あさみ)と氷見は危機管理チームではいいコンビだったが、氷見が事務所を去り、吾妻と林光蔵総務大臣(山田明郷)がクライアントになったことから、与田は氷見を潰すために仕掛けていく。まず、記者の東堂裕子(泉里香)にリークして「5年前に氷見が行っていたとされる選挙法違反疑惑」の記事を書かせると、その記事が載る「週刊文新」が発売する前にマスコミを入れた公の場で氷見の選挙法違反疑惑を追及したほうがいいと持ちかける。

 そして、多数のマスコミを入れた調査会では、氷見が吾妻の秘書を務めていたときに不正に情報を取得してフェイクニュースを流していたと追及。氷見はすべてを否認するが、記者の茂呂裕也(佐野岳)やマネークの村西信太郎社長(飯田基祐)の証言で一気に劣勢に立たされる。

 だが、ここから氷見が反撃を開始。敵対していると思われていた与田たち危機管理チームのメンバーははじめから氷見の味方で、さらに吾妻も氷見の味方だった。実は、一連の騒動はすべて、5年前にひとりの男が死んだときから氷見と吾妻が機会をうかがっていたものだったのだ。

 5年前の不正にかかわっていたのは、吾妻の妻・美咲(山本紘菜)の父親で明時党のドンである五十嵐(小野武彦)と林大臣、そして村西社長だった。さらに、5年前に自殺した男・田村も不正に関与していた。
田村は不正を告発しようと悩んでいたが、圧力をかけられ精神的に病んでしまい、職場が同じだった美咲に相談したものの、耐え切れずに自殺してしまった。

 このとき、美咲から相談されていたのが氷見だったのだ。そして、氷見が殺人容疑で逮捕されたのは、先を見越した氷見が田村の死を党にもみ消されないためにあえてそうしたのだという。そして、それ以降は事実を公にする場を狙っていたのだ。

 いつものように、真野聖子(斉藤由貴)の潜入捜査で得た録音データと藤枝修二(中川大志)が盗撮したデータを使って、五十嵐、林大臣、村西社長が不正に関与していた証拠を提示し、メディアに報じさせたことで形勢逆転。氷見たちが大勝利を収めた。

 結局、氷見は有給休暇を取っていただけということで事務所に戻ってきたのだが、今回はかなりスリリングな展開で、全話を通して一番おもしろい回だったといえる。最終回以前に脱落してしまった視聴者が多いようだが、「最後まで見ればよかったのに」と言えないのは、おもしろかったのが最後の2話だけだったからだろう。はっきり言ってしまえば、2時間のスペシャルドラマでもよかったのではないだろうか。

 最後までシリアス路線なのかコメディ路線なのかどっちつかずの展開で、ネット上にも「弁護士ドラマとは思えないお粗末な脚本」「話をもったいぶりすぎ」といった声が上がっていた。

 奇しくも、4月期には竹内の代表作といえるドラマ『ストロベリーナイト』(同)のリメイク版『ストロベリーナイト・サーガ』(同)が始まる。前作は竹内と西島秀俊のイメージが強かったが、今回はKAT-TUNの亀梨和也と二階堂ふみのダブル主演となることから、「イメージが全然違う」「もう別のタイトルでやって!」「竹内結子で見たかった」という声も多いようだ。
『QUEEN』で大惨敗を喫してしまった今、竹内はどう思っているのだろうか。
(文=絢友ヨシカ/ライター)

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