原田知世と田中圭がW主演する連続テレビドラマ『あなたの番です』(日本テレビ系)が4月14日に初回を迎え、平均視聴率は8.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)だった。
同ドラマは、とあるマンションに引っ越してきた手塚菜奈(原田)と15歳年下の夫・翔太(田中)が、住人たちの「交換殺人ゲーム」に巻き込まれるというミステリー作品。
菜奈と翔太がマンションの302号室に引っ越してきた日のこと。管理人の床島比呂志(竹中直人)が部屋を訪れ、無遠慮に上がり込んで室内をチェックする様子に菜奈は気圧されてしまう。その後、毎月1回開かれるというマンションの住民会が開かれ、ゴミ置き場の清掃係を決めるなか、床島が「人間誰しも、“アイツ殺したいなぁ”と思う瞬間がある」と口にした。
困惑、または同調する住民たちに対し、ミステリー好きの菜奈は「殺人事件では、警察は動機のある人間を調べるので、すぐに捕まってしまう」と発言。ここから「殺したい人間がいる者同士が“交換殺人”をすれば、動機はないし捕まらないのでは?」という話になり、床島の提案で、それぞれの“死んでほしい人”を紙に書き、クジのように引くゲームが行われてしまう。そして、これが恐ろしい「交換殺人ゲーム」の幕開けとなり、1人目の犠牲者が出る……といった内容が繰り広げられた。
日テレの肝煎りと思われる同ドラマだが、すでに“失敗”が目立つ。視聴率云々の前に、まずはなんと言っても原田の髪型が良くない。世間では今、確かに“外ハネ”スタイルがはやっていて、菜奈の職業がデザイナーであることを考えると、そのキャラクターを強調させるために流行を取り入れているのかもしれない。しかし、ドラマ開始前から予告や番宣を見るたびに「どうしてこの髪型に?」と悲しい気持ちにさせられていた。
そして、初回視聴率が1ケタだったこと。この「日曜ドラマ」枠は、前クールの菅田将暉主演『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』が初回10.2%でスタートを切り、全話平均11.5%を獲得して、1月期の民放連ドラの中で視聴率トップに輝いた。同ドラマは若手キャストを中心に構成されたためか、視聴者も若い世代を大量に惹きつけることに成功。一方、『あなたの番です』はターゲット層が異なり、せっかく『3年A組』で取り込んだ層を手放してしまったように思う。
また、『3年A組』の前に放送していた『今日から俺は!!』は小学生からも支持を集める人気ぶりだった。これに対し、『あなたの番です』は内容が内容なので、インターネット上には「子どもには見せられないかな……」「そもそも子どもの興味を引かないし、大人でも日曜の夜に見るには疲れると思う」といった書き込みが寄せられている。ちなみに、今期の日テレは現時点で「水曜ドラマ」枠の『白衣の戦士!』が開始しており、こちらはネット上で酷評を浴びたものの、とりあえずは初回10.3%を記録。『あなたの番です』のコケっぷりが際立つ。
さらに日テレは、今をときめく田中の使い方も間違えている可能性が……。
初回までに、これだけの失敗を挙げることができてしまう『あなたの番です』。2クールのためゴールは半年後となるが、“大コケ”は回避できるだろうか。
(文=美神サチコ/コラムニスト)