サマンサタバサジャパンリミテッド(東京都港区)創業者で代表取締役会長兼社長だった寺田和正氏が、4月25日付けで退任した。後任は元専務取締役の藤田雅章氏。

同社の2019年2月期決算(連結)は当期純利益が13億3700万円の赤字となり、3期連続の最終赤字に沈んでいた。

 株式市場も敏感に反応。寺田氏の退任が4月12日に明らかになると、翌営業日15日には株価が大幅に下落して年初来安値を更新。終値は前営業日から24円安の284円だった。

 寺田氏は業績低迷による引責辞任を否定している。一部報道によると、寺田氏は自身に頼りがちな企業風土を刷新したいとしているという。寺田氏は私生活がメディアを騒がせたこともある名物社長として知られてきたが、退任直前まで“らしさ”を貫いていたようだ。

「サマンサは3月末、今年度の新入社員向けのイベントを本社内で開催しました。同社の一室にはすしとバーのカウンターがそれぞれ1カ所ずつあり、同社の名物のひとつにもなっています。その一室で会社側は、新入社員たちをゴージャスにもてなしました。ファッション界で名を売った社長を前に、新入社員たちは緊張気味な表情を見せていたのですが、寺田社長はそんな彼らの萎縮するその姿を見て、『こういう時は下がらないで。前にグイグイ出ないと~』とハッパをかけていました」(ファッション関係者)

 その場では寺田氏は退任する気配を感じさせず、普段どおりイケイケな雰囲気をかもし出していたという。
当然、新入社員たちは、ほどなくして寺田氏が経営のトップから退くことを発表するとは知るよしもない。入社して1カ月も経たないうちに辞めるのは、まったく予期していなかっただろう。今にして思えば、新入社員たちに「前にグイグイ出ないと~」と叱咤激励したのには、前述のとおり、自身に頼りがちな社内のマインドを払拭し、さらには新入社員たちに少しでも早く自立して、戦力として会社を支える人材になってほしいとの願いがあったのかもしれない。

 モデルの蛯原友里ら人気女性芸能人をイメージキャラクターとして担ぎ出し、若い女性に支持されてきたサマンサは今年、設立25周年。四半世紀の節目を迎え自ら退路を選んだ寺田氏は、会社の行末をどのようにみているのだろうか。
(文=編集部)

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