中条あやみ水川あさみのW主演で放送中の連続ドラマ『白衣の戦士!』(日本テレビ系)が5月15日に第5話を迎え、平均視聴率8.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録した。

 同ドラマは“元ヤン”の立花はるか(中条)と、その先輩で“婚活中”の三原夏美(水川)というコンビを中心に、看護師の仕事ぶりや恋愛模様を描いたコメディ作品。

彼女たちが働く四季総合病院の外科病棟の面々としては、はるかの同期である斎藤光(ジャニーズWEST小瀧望)や、夏美に好意を寄せる看護師長・本城昭之(沢村一樹)、外科医の柳楽圭一郎(安田顕)などが登場する。

 第5話は、斎藤から映画に誘われて「デート!?」と浮かれていたはるかが、映画館で主任看護師・村上真由(片瀬那奈)と恋人らしき男性のデート現場を目撃。デートの相手が同じ病院の脳外科医・清水悟史(東根作寿英)だと発覚し、はるかはこっそりと夏美に報告したのだが、なんと「清水先生には奥さんがいる」と知らされる。つまり、村上と清水は不倫関係にあったのだ。

 そんななか、清水の妻・裕子(大村彩子)の妊娠を知り、ショックを受ける村上。たまたま居合わせたはるか&夏美が事情を聞くと、村上は、かつて付き合っていた相手と破局した頃、清水と親密になっていったことなどを打ち明けた。
しかし、この状況だけに、はるかはてっきり裕子の妊娠を知った村上が清水と別れると考えたが、村上は“わかっていても簡単には別れられない”と思い悩む……という内容だった。

 同ドラマはこれまでに10.3%(初回)、9.3%(第2~3話)、8.4%(第4話)と推移してきたが、第5話でまたしても自己最低を更新。しかも、今回は“不倫ネタ”とあって、インターネット上では「もともと微妙なドラマだったけど、不倫の話は完全にアウト」「村上サイドから描いてるから清水が悪いみたいな雰囲気だったけど、村上も同罪だろ。かわいそうなのは清水の奥さんだけ」「はるかや夏美が村上に同情的なのが信じられない。気持ち悪いドラマだわ」などブーイングのだったところを見るに、次回はさらに視聴率ダウンするのではないだろうか。

 私としても、はるかや夏美のスタンスは不可解だったが、特にはるかの“キャラブレ”が気になった。
実は今回、村上の不倫以外に、看護師・藤井雪乃(小松彩夏)の交際相手で事務部勤務の西野充(佐伯大地)が浮気していたことも判明。開き直る充に、“元ヤン魂”に火がついたはるかはグーパンチをお見舞いしたのだが、これは“はるからしい”振る舞いだと思う。そんなはるかは清水にも密かに怒りをにじませていたけれど、村上には寄り添う姿勢を見せていたのだ。

 確かに清水は2人の女性を裏切ったクソ野郎だが、村上もまた、清水に妻がいるとわかっていながら不倫関係に溺れていたクソ女である。しかし、はるかは村上がすぐに別れないと知って驚きはしたものの、夏美に諭されて“よくわからないけどそういうものなのか……”と一応納得し、村上に嫌悪感を示すことはなかった。これはなんだか“はるからしくない”と思うのだ。


 別に“元ヤン”、というか“ヤンキー”にもいろいろな性格の人がいるだろうが、今回、誰も村上を叱らなかったことで視聴者に違和感や反感を抱かせてしまうくらいなら、そこはやはりはるかにビシッと言わせたほうが良かったのではないか。そうさせなかったために、はるかの“元ヤン”キャラは「なくてもいい設定だなぁ」と思わずにはいられなくなった。充へのグーパンも、“元ヤン”でなくても不自然ではない。

 はるかのキャラが薄れ、看護師ドラマなのに不倫&浮気話でドタバタと、なんだかカオスになってきた『白衣の戦士!』。中身が迷走していれば、視聴率が低迷するのも当然だろう。
(文=美神サチコ/コラムニスト)