ロックンロールの偉大なる創設者のひとり、リトル・リチャードのその知られざる史実と素顔を描く感動のヒューマンドキュメンタリー『リトル・リチャード:アイ・アム・エヴリシング』が3月1日(金)より、シネマート新宿ほか絶賛公開中。
3月26日には都内映画館でスペシャルトークショーが実施され、リトル・リチャードを敬愛するTHE BAWDIESのROYがリチャードと本作への熱い想いを語りつくした。
後進のロック・ミュージシャンたちに多大な影響を与えた伝説的黒人アーティスト、リトル・リチャード。その偉業と実像をミック・ジャガー、キース・リチャーズ、ポール・マッカートニー、デヴィッド・ボウイら著名ミュージシャンや関係者の証言を交えながら映し出していく映画『リトル・リチャード:アイ・アム・エヴリシング』。
本作を鑑賞したROYは「ロックンロールとは明るい面だけではなく、苦しみや葛藤、それら感情が表に出て爆発したものだと僕は思っていて、この映画ではその葛藤がしっかりと描かれていた」と絶賛。受賞式の場面でリトル・リチャードが涙する映像に「グッと来た」そうで「普段から明るくジョークで笑い飛ばしてヒール的に振舞う彼だからこそ、最後の涙は感動的だった」と痺れていた。
司会を担当した音楽評論家・吉岡正晴も、様々な差別に抗ったリトル・リチャードの半生に触れながら「四重苦ともいえる差別から這い上がってきた彼が最後の最後に評価されて賞をもらって喜びの涙になる。ドキュメンタリーの構成として美しい。僕も最後の涙には込み上げるものがあった」と傑作認定。さらに「リトル・リチャードに影響を受けた著名ミュージシャンの名前はある程度知っていたけれど、リチャード本人が影響を受けたアーティストについて上手く触れている点も良質ドキュメンタリーならでは。かなり深掘りした内容です」と褒めちぎっていた。
またROYは、リトル・リチャードが生み出した歌詞について「チャック・ベリーのように歌詞を考えて言葉遊びを巧みにするのではなく、歌詞に意味を持たせずリズムで持っていく作り方をする人。言葉で伝えるメッセージよりも、音に合わせてみんなで汗かいて踊って笑顔になって前に進む。まさにロックンロールだと思う」と分析。
リトル・リチャードの斬新な点を聞かれると「ロックンロールにより激しさを追及したところ。当時はどんなに実力のある黒人歌手であっても、白人の前では黒人色を薄くした歌い方が求められていた。それをリチャードは逆手に取って振り切ってシャウトした。黒人が黒人らしくするのが許されない厳しい時代において、彼のスタイルは相当斬新だったはず」と想像した。
ロックンロールのグルーヴ感は、日本で言うところのお祭りの「わっしょい!」に近いというROY。「ロックンロールは頭で考えることなく体が自然と動き出してしまう音楽。日本のお祭りで『わっしょい!わっしょい!』と言っているときに凄まじいグルーヴ感が生まれるけれど、『わっしょい!』と言っているときにその言葉の意味を考えてはいないはず。意味を考えることなくグルーヴをみんなで共有する感覚は、まさにロックンロール」と日本にもロックンロールが根付く基盤はあると熱弁した。
改めてROYは本作について「ロックンロールは最高のダンスミュージック。もっと日本に根付いてほしいと思うし、ロックンロールに触れたらみんな好きになる音楽でもあると思う。
製作・監督:リサ・コルテス(『プレシャス』製作総指揮)
出演:リトル・リチャード、ミック・ジャガー、トム・ジョーンズ、ナイル・ロジャーズ、ノーナ・ヘンドリックス、ビリー・ポーター、ジョン・ウォーターズ
2023年/アメリカ/101分/カラー/ビスタ/5.1ch/DCP/原題:LITTLE RICHARD:I AM EVERYTHING
字幕:堀上香/字幕監修:ピーター・バラカン 提供・配給:キングレコード little-richard.com
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2024年3月1日(金)より、シネマート新宿ほか全国ロードショー
【上映劇場】 ※3/27現在
シネマート新宿、ヒューマントラストシネマ渋谷、角川シネマ有楽町、立川シネマシティ、札幌シネマフロンティア、シネマ・トーラス、函館シネマアイリス、MOVIX仙台、小山シネマロブレ、宇都宮ヒカリ座、長野相生座・ロキシー、シネマテークたかさき、シネプレックスつくば、T・ジョイ蘇我、キネマ旬報シアター、ムービル、あつぎのえいがかんkiki、静岡シネ・ギャラリー、シネマイーラ、シネ・ウインド、高田世界館、ミッドランドスクエア シネマ、アップリンク京都、シネマート心斎橋、T・ジョイ梅田、シネ・リーブル神戸、シネマ・クレール、八丁座、シネマルナティック、とさぴくシネマ、KBCシネマ、シネプレックス小倉、シアター・シエマ、T・ジョイパークプレイス大分、Denkikan、宮崎キネマ館、鹿児島ミッテ10、桜坂劇場
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