アホみたいにレンズが大きいサングラスをかけ、黒地に金色の英文をプリントしたジャージで街を徘徊するDQN(ドキュン)=一般の感覚から著しくズレている者、もしくは集団の事。どんな恰好をしようが自由ですけど、子供のような精神性のまま成長した挙句、一般人に迷惑をかけることもしばしば。
しかし一生DQNに遠慮しながら暮らしていかなければならないの? なんて思う人も多いはず。もちろん、そんなことはありません。基本的にDQNには、分かりやすい行動パターンや生態があります。例えば、「お金が好き」「光るものが好き」「改造が好き」「単純な味が好き」「人より目立つのが好き」などなど。
DQN SPOT 01・大手ディスカウントストア
雑多な雰囲気とキテレツな歌に興奮する単純な人だらけの定番スポット。特に、深夜は上下スウェットの分かりやすいDQNが集まるので要注意。たいして安くないのにも関わらず、ムダなインテリアを買って満足しています。明るい時間に行けば遭遇しないのか? と思えばそうでもなく昼間から元DQNのオバサンがいるので、終日近寄らないことが大切。
DQN SPOT 02・大手ファーストフード店
DQNは「油&濃い調味料で刺激的な味が最高!」なので大好物。加えて、料理を作るのが面倒な親の影響も。子供のころから四六時中ハンバーガー店で食事を済ます生活を繰り返していたため、大人になっても本能的に入り浸るのです。ある意味、懐かしいおふくろの味を求めているのかもしれませんね。最近は安いメニューが減っているので、DQNも減少傾向にありますが…。
DQN SPOT 03・パチンコ屋
楽して金が儲かる、ヒマがつぶせる、何か光っている、などなどDQNウケする要素が満載です。
DQN SPOT 04・複合アミューズメントビル
カラオケ、ボウリング、ゲーセン、ダーツ、バッティングセンター、卓球。とにかく色々遊べるアミューズメント複合施設。
DQN SPOT 05・ライブ会場
地元の友達との絆みたいな薄めな歌詞から醸し出される、「見た目はイカついけど中身はメチャクチャいい人」的なオーラに憧れた坊主頭のグラサンDQNが大量発生するグループのライブ。
DQN SPOT 06・格安ファミレス
格安ファミレスに行く理由は値段が安いから。食事よりもオレの人生を語るのがメイン。そんな低価格ファミレスのドリンクバーで長時間居座っているにも関わらず、店員に対しては高圧的な態度で接します。自分に頭を下げてくれる人間が大好きなのは分かりますが、低時給で働いているバイトにクレームを入れてもムダなんじゃない?
DQN SPOT 07・海
「夏に海に行かないのは考えられない」と主張しながらも、行く目的は海水浴ではありません。
DQN SPOT 08・ゲームセンター
格闘ゲームで負けた怒りが収まらず台パンしたり、パチンコ屋で負けたDQNが虚ろな目でパチンコを打っていたりと、救いようのない行動を目の当たりにできる場所。とにかくイライラしているので、彼らと絶対に目を合わせないように。当然、店員の指示は全部無視。閉店作業をしているのに、何食わぬ顔でゲームに興じています。
DQN SPOT 09・回転寿司屋
「回る」というイベント要素と「寿司」という高級グルメを思わせるワードの融合で、DQNの心を鷲掴み。DQN一家のご馳走です。ヤンママの子供が騒ぎながら回る寿司をペタペタと触る光景は日常茶飯事。普通の人にとってみればまるで罰ゲームですが、DQN家族のエンターテイメントとして鑑賞すれば、さほど苦でもありませんよ。
DQN SPOT 10・産婦人科
若いうちに増えるのでお世話になる場所。実際は覚悟もないのに、彼女が妊娠したら「オレ、ぜってぇ頑張るから! 守るから!」とか言って産ませちゃいます。結局、離婚→家庭崩壊というパターンに陥りがちですが。要は、DQNアーティストの歌詞にありがちな「お前を幸せにする」という類のセリフを吐きたかっただけの話です。
DQN SPOT 11・カジュアル洋品店
DQN御用達のメンズカジュアル洋品店。インポートブランドも販売。センター街にある渋谷店が有名です。ラメのスーツやドクロ柄のロンTなど、ピアスや金髪に良く似合う服を低価格で提供しています。ファッションに興味を持ち始めた男子中高生とリアルDQNが入り乱れカオスなことに。ま、奇抜なファッションで優越感に浸りたいのは分かりますが、ハタからみれば同じような店で同じような服を買ってみんな同じような恰好をしているだけですけどね。
DQN SPOT 12・食べ放題の店
子供連れの家族が出没するスポット。主にジャージ姿。食い意地の張るDQNは、あらゆる種類の料理を目一杯食べられると聞いて心は小躍り。味が混ざるなどまったく気にせず、呆れるほどの量を皿に盛り、恍惚の表情を浮かべているのです。もちろん、味は一切関係なし。まだまだ得したいと思った時は、「金を払っているんだから別にいいじゃん」というメンタリティを丸出しにして、食い物を家に持って帰ろうとする人も。当然、店員に止められると逆ギレ。巻き込まれないように、見て見ぬふりでやり過ごすのが一番です。
DQN SPOT 13・花火大会
「キャバクラのイベント?」と見間違えるような浴衣女と、俺クオリティーが炸裂した浴衣男が大量出現。ゴミをそこら中に捨てるどころか、小便をまき散らすことも。この人達、花火を見たいのではなく人ゴミで目立ちたいだけ。しかも、酒の力を借りて気が大きくなっています。全員「俺最高!」に仕上がっているので絡まれると面倒だぞ!
DQN SPOT 14・Fラン大学
「意外と学歴って大事じゃない?」と気付いたDQNが進学する入りやすい大学。就職先はブラック企業が多数。授業風景ですが、携帯電話を弄っている学生はまだマシな部類で、幼稚園児のように騒ぎ出すDQNも存在します。喫煙所に行けば遭遇率もアップ。近隣のパチンコ屋が新装開店した日は授業の出席率がダウン。
DQN SPOT 15・カー用品店
伝統的なDQN思想の一つに「デフォルトはダサイ。改造するのがかっこいい」というモノがあります。当然、車の改造や装飾も当たり前なので、カー用品店にDQNが集結。ダッシュボードにピンクのモコモコを敷いた軽自動車とか駐車場に止まっていますよね。もちろん、モコモコだけではなく車の下に搭載しムダに地面を光らせるネオン管とか色々買い求めます。で、スモーク張ったりタイヤのホイールを金色に変えたりチェンジレバーを泡立っているクリスタルレバーに付け替えたりと、必死に改造。人生にとって全く意味のない行為ですが、DQN的には「スゴイ装飾&改造した車=スゴイ俺」と変換され愉快な日々を過ごしているのです。
DQN SPOT 16・合宿免許場
ヒマだし決まった場所に通うのが苦手なので免許は合宿で入手。DQNと同じ班になったら地獄。友達を作りにきたワケでもないのに強引に絡まれ、仲良くなれば人を見下すように無理難題を吹っかけられ、無視すればいじめられます。解決策はありません。DQN高校に入学したつもりで、自分もDQNのフリをするしかない?
DQN SPOT 17・スノボ・スキー場
本物のDQNは「ダルい」とか言ってスノボなどしませんが、ウィンタースポーツは中途半端なDQN大学生の定番。周りのスキーヤーに気を使うことは皆無。斜面の真ん中に座って話し込んだり、凄い勢いで突っ込んだりとやりたい放題。いかなる場面でも、自分さえよければいいという理念を押し出す精神は、ある意味賞賛に値しますけど。
DQN SPOT 18・バーベキュー場
肉や野菜を焼いて食うだけという単純作業がDQNにハマり、休日の超定番イベントとして親しまれています。縛られることが嫌いなので、ルールがきっちり決められた有料のバーベキュー場よりも自由かつ人目につく河原や海に出没。ゴミを散らかしたまま帰ることで問題になっていますが、忍耐力が全くないので仕方ありません。「準備→焼く→片付け」の3ステップのうち2ステップまでしか到達できないのです。さらには、勝手に大音量でレゲエだのヒップホップだの音楽を流し周囲に迷惑をかけます。ですが、たまに川に飛び込んで死んじゃったりもするので、広い心で見守ってあげましょう。
DQN SPOT 19・スタジアム
近隣の他サポーターとのいがみ合いも日常茶飯事。と思えば、どうしようもない理由で仲間割れも。まさにDQN世界の縮図ですよ。
DQN SPOT 20・駐車場
広さに比例してDQNの数も増えるので、田舎ほど危険。吸い殻やカップラーメンの食べかすを散乱させたり、人数が集まればサッカーを始めたりします。DQNからしてみれば、幼少の頃に遊んだ公園をそのまま駐車場へスライドさせただけの話。駐車場は車を止める所だと彼らが理解できるまで気長に待ちましょう。
DQN SPOT 21・成人式
何もない人間が努力もせずお手軽に人の注目を浴びることができるので、DQNにとっては人生最大の晴れ舞台。挨拶妨害、ヤジ、壇上に登る、などなど今や正月の風物詩ですね。原色のカラフルな紋付き袴で暴れ、やりきった表情で写真撮影をしている光景は逆に清々しい気分にさせてくれますが。式場だけでなく近隣の飲み屋も危険!
DQN SPOT 22・多目的トイレ
本来の目的を無視し、性に目覚めたてのDQN男女がラブホ代がわりに利用することがある問題スポット。長時間占領することもあり必要に迫られた人間にとってみれば最悪です。少子化の歯止めに貢献していると思って怒りを鎮めましょう。
DQNが都合よく過ごすことができる条件といえば、「低価格」「下品(大衆的)」「群れることができて騒げる」「人がたくさんいて騒げる」というのが基本でしょうか。わざわざ行かなくてもいい場所も多数存在しますね。ところで、出没する時間について。DQNは夜に出没するイメージですが、実はビックリするくらいの時間を持て余しています。朝だろうが昼だろうがいる時はいるのです。生息時間帯はあまり関係ありません。どうしても行く必要に迫られた場合は急いで用事を済まして帰るようにしましょう。
(文・小室哲太)