今、旬な女優のひとりといえば、レア・セドゥがあげられるのではないでしょうか。生粋のパリジェンヌ、レアの魅力が堪能できる映画が続々と日本でも公開になります。

セレブだけど努力家

1985年パリ生まれのレア・セドゥは、セレブ中のセレブ。祖父も叔父もフランスの大手映画会社会長を務めるとあって早くから映画に出演していたと思いきや、女優になると決めたのは18歳の時。演劇学校に通ったのち、2006年に映画デビューするや翌年には『最後の愛人』に出演を果たします。

その後、順調にキャリアを積み2009年には、クエンティン・タランティーノ監督の『イングロリアス・バスターズ』でハリウッドデビュー。ウディ・アレンの『ミッドナイト・イン・パリ』や『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』などで国際的に知られるようになります。

さらに、その名を決定づけたのは、2013年、アブデラティフ・ケシシュ監督の『アデル、ブルーは熱い色』で、アデル・エグザルホプロスとともに、カンヌ国際映画祭史上初となる出演女優としてのパルム・ドール受賞です。

「プラダ」「ミュウミュウ」などのモデルを務めるなどファッション界も放っておかない存在、それがレア・セドュです。

70年代ルックを見事に着こなす、『サンローラン』

レアが出演する映画が、12月4日(金)に2本同時に公開されます。

まず、『サンローラン』。"モードの帝王"と呼ばれたイヴ・サンローランが、"モンドリアン・ルック"や"スモーキング"で世界的大ブレイクを果たした直後の1967年からの10年間を映画化したものです。

激動な時代をサンローランはどう過ごしたか?

成功の裏にある知られざるイヴ・サンローランの苦悩が描かれた本作。これまでもイヴ・サンローランに関する映画はいくつか作られてきましたが、『サンローラン』の特徴は、フランスを代表する俳優たちが共演していることです。

主演はギャスパー・ウリエル、さらに、ジェレミー・レニエ、ルイ・ガレルとイケメンたちが大集合。彼らを観るためだけに、足を運ぶ価値ありと個人的には感じています。

ミューズとしてサンローランを支える役

監督たっての希望で選ばれたレアは、映画の中でも最高にオシャレな着こなしで存在感を放ちます。アンニュイかと思いきやしっかりとしたビジョンを持つレア、当時の空気感をうまく作り出していました。

ボンドガールとして登場

そして、もう1本。『007』シリーズ24作目となる『スペクター』に、レアがボンドガールとして登場します。実は内容が男性向けすぎるというイメージから私はいままで一度も『007』を見たことがありませんでした。今回は、レア・セドュとモニカ・ベルッチの仏伊ビューティー対決をチェックすべく初鑑賞。

重要な役割を果たす女性、マドレーヌ・スワン役を演じるレア。「マドレーヌはボンドのことをとてもよく理解できる。なぜなら、彼が生きる世界を彼女自身もよく知っているから」と役柄の心情を分析しています。

派手なアクションをみせるレアですが、ファッションも注目です。

誰もがうっとりするようなドレッシーな姿から流行の全身ホワイトのコーディネートなど気品が漂う着こなしを披露しています。

幸せを呼び込むすきっ歯

私が感じるレアの好きな点は、芯の強さの中に繊細さをみせるところ。ただ美しいだけの女優には出せないナチュラルさと対照的な嫌悪感にあふれた表情には、毎回びっくりさせられます。

もっとも好きなポイントは、彼女のすきっ歯。この完璧なすきっ歯はヴァネッサ・パラディ以来の衝撃を受けました!

フランスではすきっ歯は「dents du bonheur=幸福の歯」といい、歯と歯のすき間から幸せが入ってくると言われています。レアの成功もこのすき間から入ってきているのでしょうか。

このすきっ歯は、大きなスクリーンで観る価値ありです。観ているもこちらも幸せを味わえます!

ちなみに、今後も話題作の公開が控えているレア。特に『トム・アット・ザ・ファーム』『Mommy/マミー』で知られる若きカリスマ、グザヴィエ・ドラン 監督の新作『It's Only the End of the World』は、マリオン・コティヤール、ヴァンサン・カッセル、ギャスパー・ウリエルといったフランスオールスターが集結します。

その中でレアがどんな表情をみせるのか? これは期待せずにはいられません。

サンローラン

12月4日(金)TOHO シネマズシャンテほか 全国順次ロードショー

監督:ベルトラン・ボネロ『メゾン ある娼館の記憶』
出演:ギャスパー・ウリエル『ハンニバル・ライジング』、ジェレミー・レニエ『しあわせの雨傘』、ルイ・ガレル『ドリーマーズ』、レア・セドゥ『アデル、ブルーは熱い色』、ヘルムート・バーガー『ルートヴィヒ』
原題:Saint Laurent/2014年/フランス/151分/カラー/ビスタ/5.1chデジタル
字幕翻訳:松浦美奈
後援:在日フランス大使館、アンスティチュフランセ日本

© 2014 MANDARIN CINEMA - EUROPACORP - ORANGE STUDIO - ARTE FRANCE CINEMA - SCOPE PICTURES / CAROLE BETHUEL

007 スペクター

11月27日(金)、28日(土)、29日(日)先行公開。12月4日(金)よりTOHOシネマズ日劇ほか全国ロードショー

監督:サム・メンデス
主題歌:サム・スミス「ライティングス・オン・ザ・ウォール」
出演:ダニエル・クレイグ(ジェームズ・ボンド)/クリストフ・ヴァルツ(フランツ・オーベルハウザー)/レイフ・ファインズ(M)/ベン・ウィショー(Q)/ナオミ・ハリス(マネーペニー)/レア・セドゥ(マドレーヌ・スワン)/モニカ・ベルッチ(ルチア・スキアラ)/イェスパー・クリステンセン(Mr.ホワイト) /アンドリュー・スコット(マックス・デンビー)/デイヴ・バウティスタ(ヒンクス)

SPECTRE © 2015 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc., Danjaq, LLC and Columbia Pictures Industries, Inc. All rights reserved.

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