婚活中の男性のほとんどは、自分より年下の女性にアプローチをかけると聞く。
某婚活サイトにおいて、47歳の熟女(あたし)にアプローチしてきた男性も、半数は自分より年上だった。ただ、自身もそうだが歳を重ねるほど「同年代」のくくりは広がりを見せる。
学生時代は1つ2つ先輩でも敬語を使わなければいけないほど上下関係を意識したのに、今や上下5歳くらいまでは"誤差"の範囲に捉えてしまう。
ジェネレーションギャップを感じることもなく、年齢に対する引け目を感じないで済むのは、なんといっても同年代だ。当時47歳だったあたしから見たら、大枠的には「40代」がもっとも打ち解けやすかった。
やはり近い世代は楽だ。実質「満40歳」から見たら、あたしは7歳も年上のお姉さんなのだが、こっちは全く気にならない(笑)
同年代の気楽さと、40代ならではのシビアさと登録していた婚活サイトにて、あたしは40代男性もリサーチしてみた。
結果、そのサイトでは4割くらいが未婚だった。平成27年の国勢調査(27.25%)よりかなり多いが、そこにいるのは「婚活中」の男性ばかりなのだから、当然といえば当然だ。
ざっと眺めて驚いたのは、一見「どうして今まで独身だったの?」と思うほどのイケメンや高スペック男子も多数だったこと。
「どうして今まで」系の40代男性には、なぜか自宅在住者が多かった。つまり彼らは「親と同居」しているのだ。
同居の裏に想像できる背景はふたつ。
ひとつは「いつまでも母親を頼っているパラサイト」系。もうひとつは「親の介護が始まり自立できなくなった(または実家へ戻った)」。
上記に該当する男性には大変申し訳ないが、あたしは「無理」だと思った。
誰かの嫁になったとして、将来的に親の介護をする可能性もあるだろう。だがやはり結婚直後から請け負うのは抵抗がある。
せめて数年後、相手やその親の家族として馴染むまでの時間は欲しい。
「惜しい」のは相手ばかりじゃない愛情が芽生えないうちの女性の目線は、年輪を重ねるほどシビアになる。
30代までとは違い、40代以上の「親と同居」の婚活男子に対し、大人の女は「家政婦」あるいは「介護要員」としての嫁を望んでいるのかと疑いをかけてしまう。
だが男性だって同じはずだ。愛情抜きならば、シビアに女性をジャッジしていることだろう。
あれこれ難癖つけている40代後半のあたし自身、現在の住まいは実家と「スープの冷めない」距離だ。自立こそしているものの、この歳にして過干渉な父親が健在なことは、ハンディといえなくもない。
作家などというヤクザな稼業だって「ちょっとそれは......」と引く男性もいるだろう。あたし的には「自宅仕事だから結婚後も家事と両立可能!」とアピールしたいところだが、男性が同じようにポジティブな解釈をするかは疑問だ。
ハンディとなる(かもしれない)条件を「気にしない」と一笑してくれる相手にめぐりあう──それこそが、婚活におけるマッチングなのかもしれない、とあたしは改めて思った。
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