コロナ禍で業務がテレワークになり、東京都内から引っ越しを検討する人が増えている。毎日の通勤がないなら、家賃の割に部屋が狭いエリアに住む必要はない。

しかし、いまの状況がどこまで続くか分からない以上、"遠隔地への移住"には踏み切れない人も多いだろう。


では、東京近郊で引っ越すならどこがよいのか。鉄道事情にも詳しい恋愛コンサルタントの鈴木リュウさんに、神奈川県でおすすめの移住先を聞いた。


外食を楽しみたい都会気質なら「小田原」


コロナ禍で1年以上が過ぎ、 "テレワークうつ"が問題となっている。鈴木さんはそんな中、引越し先を選ぶなら「息抜きが出来る部屋・周辺環境であること」が大切だという。



「今回紹介する3駅は、2K以上で余裕のある広い部屋を安く借りられて、田舎すぎないところです。

テレワークうつ対策としては精神疾患になりにくいといわれるセロトニンを増加させやすい場所、つまり運動でき、日光を浴びられ、快適に睡眠できる場所を選ぶことをおすすめしています」


その条件を満たすのが「小田原駅」だ。小田原は相模湾に面した海沿いのため、「太陽が当たりやすい」と鈴木さん。



「伊豆や駿河湾あたりもいいんですが、都心へのアクセスなどを考えると小田原ですね」「東京駅まで新幹線で30分。家賃も東京の7割程度と安いので、頻繁に東京へ行かないのであればお得ではないでしょうか」


市街地にウォーキングコースが整備されているため、「小田原城から海までも歩けますし、気分転換にぴったりです」


睡眠面でも、騒音が少ないので睡眠の質が上がりやすいといえます」という。騒音は電車や車などの交通量が関係する。小田原にも幹線道路(国道1号線)があるが、海沿いを走っており、市の中心部の交通量は多くないという。


「駅チカでも安くて散歩しやすくて静かで、テレワーク環境にはぴったりです」と鈴木さんは話す。



「中心市街地は都心と比べると寂しい感じはありますが、個人経営の居酒屋やカレー屋などもあります。銀座で働いていたシェフが開いたレストランもあり、外食を楽しみたい人にはおすすめですね。2023年度にはJT小田原工場跡地にイオンタウンが出来ますし、今後期待すべき街ではないでしょうか」


家賃・部屋数なら「橋本」


神奈川県の東京寄りで"家賃が圧倒的に安い"のが「橋本駅」(JR東日本、京王電鉄)だ。「中央線の安い駅でも1Kで4~5万円はしますが、築浅じゃなければ橋本は3~4万円で住めます」という。



「テレワークをきっかけに、仕事・睡眠・食事の部屋を分けたいという人も増えましたが、都心在住者だと橋本なら現在の家賃と変わらずに部屋数を増やすことも可能です。

京王線が走っているので新宿、乗り入れ・乗り継ぎの関係でも神保町や大手町にも好アクセス。何より始発駅なので確実に座れますしね」


また、橋本周辺には公園やゴルフ場が多く、「車があるなら野外アクティビティに困らない」という。「中央自動車道や圏央道へのアクセスもよく、都心の渋滞を回避しながら遠出もできます」


買い物については「南大沢にアウトレットもありますし、港北や立川まで行きやすいのでまとめ買いして家にこもるスタイルをしたい人におすすめですね」という。湘南や河口湖までのアクセスもよく、駐車場も月1万円程度、テレワークを機に車を持ちたいという人にはうってつけだ。


通勤・通学も考えるなら「栗平」


一方で、都心へのアクセスも諦めたくない人には「栗平駅」(小田急電鉄)がおすすめだ。新百合ヶ丘駅から2駅先で、「完全にニュータウン。

一軒家がメインなので同棲や家族連れにおすすめです」とのことだ。



「新百合ヶ丘には駅前にイオンなど大きなスーパーがあるため、日用品や食料品購入に困りません。シネコンもあり、新百合周辺で生活が完結できます。一方、都心へのアクセスも良好です」


家賃は都心から同心円状に下がっていくが、例外的に新百合ヶ丘駅周辺は高くなっている。しかし、「そこから多摩線に乗った瞬間、家賃が下がります」という。


バスの本数も多く、通学にも便利だという。



「栗平にはスポーツ・進学両方に力を入れている桐光学園があります。また、新百合から田園都市線方面に向けては、バスの本数も多いので、桐蔭学園など、小田急線と田園都市線の間にある学校も通学圏内になります」


ファミリー層が多いため飲食店は少ないが、鈴木さんのオススメスポットが温泉施設の「湯快爽快 くりひら」だ。鈴木さんは「テレワークの気分転換でお風呂に入って、館内で仕事をすることも可能です。近くに息抜きスポットがあるのは大きいですね」と語っていた。