都議選で圧勝した「都民ファーストの会」が掲げる政策をよく読むと、「首都大学の名称再検討」が盛り込まれている。選挙戦ではそれほど注目を浴びなかったが、都議会の過半数を獲得した今、実現する可能性も高くなってきた。


■大学名について「様々な意見があることは承知している」



都民ファーストの会が出している政策の「行政改革」パートに「首都大学東京の名称を再検討し、都民に身近な大学へ改革」と記載されている。


首都大学東京は、2003年に当時の都知事、石原慎太郎氏が選挙公約に掲げた「これまでの日本に無い『まったく新しい大学』」を実現する形で開学した大学だ。それまで別個に存在していた東京都立大学、科学技術大学、保健科学大学、短期大学の4つを統合・移行し、2005年に一期生が入学。4学部を要する公立総合大学として10年以上の歴史を刻んできた。


東京都総務局総務部の担当者によると、開学に際して2003年に全国から名称案を公募し、4047件、828名称の応募があったという。多かったのは「都立総合大学」(110票)、「大江戸大学」(33票)、「首都大学」(31票)などで、これらを元に「首都大学東京」の名称に落ち着いた。


名称変更の検討について、首都大学東京に見解を聞いたが



「学生対象の調査において、『本学のよい点と改善してほしい点』を聞いており、この中では、その両方において『大学名・知名度』があがっているなど、大学の名称について、本学学生・OB、一般都民の皆様に、様々な意見があることは承知している」


と述べるに留まった。学内でも現在の名称には意見が割れているようだ。


■「首都大学東京って名前にはデメリットはあってもメリットはない」


では、学生たちはこうした動きについてどう思っているのか。キャリコネニュースは首都大生・OBOG数人に話を聞いた。


「大学名は都立大学の方がいいねって在学中から周りとよく話してましたね。最後に東京って付く意味もわからないし」と話すのは、都市教養学部を中退した男性だ。

現在4年生に在学する女性も「首都大学東京って名前にはデメリットはあってもメリットはないと感じています」と辛辣な意見を寄せる。


4年生の男子学生は「ご年配の方には元都立大ですって言わないと通じないのが面倒でした。他の名前じゃなく都立大に戻してほしい」と話す。



「再検討して都立大でも首都大学東京でもない名前にするのはややこしくなるからやめてほしい。都立大学に戻すか否かだと思っている」


一方で、首都大の名前が無くなることに戸惑う学生もいる。



「今から名前を変えるとなるとそれもどうなんだろう……出身大学の名前が無くなるってことにもなるので……」
「今より悪くならないなら別にいいです。

でも、また知名度が落ちるのは嫌」


首都大の名称は今後どうなっていくのだろうか。キャリコネニュースは都民ファーストの会にも取材を申し込んでいる。