Text by 山元翔一
Text by 垂水佳菜
Text by 山本輝洋
ポップミュージックをめぐる状況が劇的な速さで流転する昨今。ジャンルの垣根やメジャー / マイナーの境目がより曖昧なものとなるなか、CRCK/LCKSやSMTK、君島大空らを擁するレーベル「APOLLO SOUNDS」は、高度で洗練されていながらも折衷的な、実験精神に満ちたアーティストたちを輩出し続けている。
そんな同レーベルから新たに姿を現したバンドがKhamai Leon(カメレオン)だ。「エクスペリメンタルクラシック」を標榜し、メンバー全員がアカデミックな領域を出自に持ち、ラップやジャズ、クラシック、果ては現代音楽に至るまでを取り入れた、その名のとおり変幻自在な音楽性を追求している。満を辞してリリースされた1stアルバム『hymn』は、高度かつ多様な技術が披露されていながらも、同時に創作に対する深い思索、そしてたしかな情熱が落とし込まれた作品に仕上がった。
このインタビューは、そんな4人のあいだに共通する感覚やクリエイションの原点を訊いたものだ。クラシックやジャズを体系的に学んだ彼らは、なぜポップスのフィールドに打って出たのか? その背景には、1996年生まれの4人が共有する問題意識と音楽観があった。

Khamai Leon(カメレオン) / 左から:beja(Key,Gt)、Fuga Akase(Dr)、yutaozaki(Fl,MC)、Ryo Yonemitsu(Ba)
yutaozakiが率いる音楽集団。2019年4月に結成。メンバーチェンジを経て2020年5月より4人体制として活動をスタートする。動物のカメレオンのようにその瞬間その瞬間で自由に変化するスタイルのなかにメンバーそれぞれが専門的教育を受ける中で育んだ高度で一貫性を持ったサウンドアイコンを武器に、昨今のミクスチャーバンドとは一線を画す存在感を示す。2022年5月、1stアルバム『hymn』をリリース。