芦田愛菜&岡田将生が細田守監督『果てしなきスカーレット』に声...の画像はこちら >>



Text by CINRA編集部



細田守監督の最新作『果てしなきスカーレット』の声優キャスト、本ポスタービジュアルが公開された。



「生きる」をテーマにした同作は、主人公の王女・スカーレットが父の復讐に失敗するも、「死者の国」で再び宿敵に復讐を果たそうとする物語。

11月21日に日本、12月12日にアメリカで公開される。



復讐という狂気に取りつかれた中世の王女・スカーレット役に芦田愛菜、「死者の国」で旅をともにする心優しい現代の日本人看護師・聖役に長編アニメ作品初挑戦の岡田将生がキャスティング。当時19歳の芦田は子ども時代と19歳のスカーレットを演じ分けたという。細田作品初参加となる2人の共演は映画『星の子』以来5年ぶり。



芦田について細田監督は「スカーレットをここまで表現できたのは芦田さんのおかげです。凄まじい演技の連続で、なんと素晴らしい俳優なんだ、と収録中、何度も驚きました。復讐に取り憑かれた中世の王女に、芦田さんは全身全霊で憑依しています。彼女の可愛らしい外見からはとても想像できないほど、本番中は迫力に満ちています。圧倒的な狂気と、身悶えするほどの葛藤、そしてその奥に隠れた清らかな人間性が、十二分に表現されています。芦田さんのお芝居は、この映画の大きな見どころのひとつです」とコメント。



また、細田監督は岡田について「岡田さんは、演技が上手くて誠実で、でも謙虚で控えめな方でもある。“聖ってこういう人かもな”と、聖の人物像を、岡田さんを通して理解したような感覚がありました。

聖は、命に関して真摯に向かっていく能動的な力もあれば、スカーレットのように復讐という怒りと狂気を持った人物にそっと寄り沿って慰める優しさもある。この両面性は、岡田さんご本人の人間性とも通じるものがある、と感じます。役と俳優がぴったり噛み合っている、と強く思わせられました」と語っている。岡田はアフレコ時には「いろんな仕事が地続きに繋がって(その経験が)生きていることを実感しています」と振り返っていたという。



『果てしなきスカーレット』では、細田作品初の試みとして、まだ映像ができていない段階でキャストの声を先に収録し、その声に対してアニメーションを制作していくプレスコ(プレスコアリング)を実施。芦田と岡田は1年前にプレスコし、今回改めてシーンにあわせてアフレコをしたという。プレスコはそれぞれでの収録だったが、アフレコでは芦田と岡田がともに収録することになり、芦田は「2人一緒に演じさせていただけて、聖とスカーレットの対比がとても演じやすかったです。一緒にアフレコができてよかったなと思っています」、岡田は「今回の経験は僕にとってすごく大きいことで、大好きな細田監督とご一緒できて良かったと実感しています」と語った。



ポスタービジュアルは聖に支えられながら剣を構えるスカーレットの姿を捉えたもの。



芦田愛菜&岡田将生が細田守監督『果てしなきスカーレット』に声優として参加

©2025 スタジオ地図



芦田愛菜&岡田将生が細田守監督『果てしなきスカーレット』に声優として参加

©2025 スタジオ地図



【芦田愛菜のコメント】
スカーレットは、中世の王女で私と同世代の19歳という設定ですが、根底にあるものや価値観が違う部分がたくさんあり、演じることがとても難しかったです。
監督から「現代の19歳と中世を生きる19歳は違う。一国の王女としての自覚や覚悟がある感じがほしい」と言葉をいただき、ジャンヌダルクやエリザベス1世など、動乱の世を生きた女性たちのことを調べ、少しずつ役作りしました。

“復讐”とはどのような気持ちなのか、きっと大きな声を出さないと立ち向かっていけないだろうと想像しながら演じました。叫ぶシーンでは、少し戸惑いもありましたが、全力でやってみて“これだ!”と吹っ切れた瞬間があり、どんどん役が体に馴染む感覚がありました。
スカーレットは、復讐に燃えて狂気的に見える部分もありますが、そうせざるを得ない状況を思うと、愛おしく、まっすぐ駆けていく姿は、観てくださる方々も応援したいと思ってもらえるのではないかと思います。
混沌とした世界の中で一生懸命に生きようとする人々が描かれた作品ですが、それは現代世界にも通じる部分があり、また、苦しいことや絶望してしまうことがたくさんある中、それでも一生懸命前を向いて生きようとする人々に、いち観客として心打たれました。そのような明日への希望を感じていただける作品になっているのではないかと思います。



【岡田将生のコメント】
長編アニメの声優に初めて挑戦しましたが、声だけでの表現はとても難しく、感情がこんなにも伝わりづらくなることを今回初めて知りました。色々なアニメを観させてもらっていますが、声優さんのすごさを改めて実感しています。
 僕が演じた聖は、困っている人たちに何の見返りもなく手を差し伸べるような人で、簡単に言うととても理想主義者です。復讐に燃えるスカーレットの鞘(さや)のような存在となれるよう、彼女の支え方や寄り添い方、聖の優しさや誠実さを伝えられるようにキャラクター像を作っていきました。スカーレットから反発されるシーンもありますが、今この世界でとても必要な人だと思います。スカーレットが抱えている問題や彼女が導き出す答えを、皆さんも彼女とストーリーに沿って考えながら、聖を通して、優しさや人に対して誠実さを求めてはいけないのか、求めるべきなのか…感じ取っていただけたら嬉しいです。
細田監督の作品をいつも楽しみにしていましたが、自分がその内側に入れてもらえたことは嬉しくもあり、不思議な感覚です。

正直、まったく内容を知らないまま、映画館で観たかった…と思ってしまう“細田作品ファンな自分”もいます。
いちファンとして作品が完成するのを楽しみにしています。皆さんも是非、楽しみにお待ちください。

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