■日本人初の快挙、インディ500で悲願の初優勝

2017(平成29)年5月28日、佐藤琢磨が米国インディカー・シリーズの「インディ500(インディアナポリス500マイルレース)」で優勝し、日本人初の快挙を成し遂げました。佐藤は2020年に2度目の栄冠も手にしています。

2017年インディ500表彰式(佐藤琢磨)●インディ500は平均速度350km/hを超える超高速レース

インディカー・シリーズは、米国のフォーミュラカーレースの最高峰、なかでもインディ500は、「ル・マン24時間レース」と「モナコGP」ととともに世界三大レースのひとつに挙げられる権威あるレースです。1周約4kmのオーバル(楕円)コースなので、平均速度はF1の240km/hに対してインディ500は350km/h。最高速は380km/hを超える超高速スピードレースです。

また、F1が独自に開発したマシンによるチームの開発競争を重視しているのに対して、インディ500は同じシャシーを使用してエンジンもホンダ製か、シボレー製の2択であるためワンメイクレースに近く、ドライバーの運転技術が重視されるレースです。ちなみにF1のエンジンは1.6L V6ハイブリッドターボで最高出力は約1000PS、インディ500のエンジンは2.2L V6ツインターボで最高出力は約700PSです。

●F1の米国GPで日本人最高順位3位を飾る佐藤琢磨

佐藤琢磨は、1977(昭和52)年1月28日に東京で生まれました。

10歳の時に鈴鹿サーキットでF1を観戦したことからモータースポーツに興味を持ちますが、高校時代は自転車競技でインターハイ優勝を飾るなど大活躍。その後早稲田大学に入学するも休学して、鈴鹿サーキット・レーシングスクールに入学します。1997年にレーシングスクールを卒業後、渡英して英国F3に参戦、2001年に日本人初の英国F3チャンピオンに輝きます。その年の10月からF1レギュラードライバーとなり、2002年から2008年までF1に参戦、米国GPで日本人最高順位の3位表彰台を飾るなど活躍しました。

●活躍の場を米国インディカー・シリーズに移して、ついに快挙達成佐藤琢磨とチームメンバー

2010年からインディカー・シリーズに活躍の場を移し、2013年には日本人として初めてインディカー・シリーズ「グランプリ・オブ・ロングビーチ」で初優勝を飾ります。

そして2017年、40歳になって迎えたインディ500、4番手でスタートして195周目でトップに立つと、エリオ・カストロネベスの追撃をわずか0.2011秒差でかわし、見事日本人初の優勝を飾ったのです。

さらに2020年にも2度目の優勝を果たし、長い歴史を誇るインディ500にその名を刻んだのです。

2022年の決勝は、明日5月29日(日本時間30日)に行われます。佐藤琢磨が3度目の優勝なるか、期待が膨らみますね。

毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかも知れません。

Mr.ソラン