ボルボのCセグメントモデルV40。トップグレードの「T5 R-DESIGN」には、2.0Lの直列5気筒ターボエンジンに6速ATが組み合わされていました。
11月20日に受けた仕様変更において、ボルボが「DRIVE-E」と呼ぶ新世代のパワートレーンに変わったのが大きなトピックス。従来は同じ2.0Lでも直列5気筒ターボでしたが、今回の新エンジンは直列4気筒の直噴ターボに変更されています。
トランスミッションも新開発の8速ATに進化し、最高出力は245ps/350Nmで、従来よりも32ps/50Nmの増強が図られつつ、燃費も約14%アップの15.1km/Lを達成しているのが自慢。
この新設計ユニットにより、ATを多段化しながら車両重量も30kgダイエット。取得税が60%、重量税が50%減税となり約10万円減税になるのも注目。
Cセグメントでは、例えばゴルフRの280ps/380Nmには及びませんが、ゴルフGTIの220psを上回り(最大トルクは同じ350Nm)、同クラスでもトップクラスのパワー/トルクを得ています。
走行モードには「ECO +(エコプラス)」モードも新たに用意され、速さ自慢のモデルでも省燃費走行が容易にできるのはうれしいところ。
スポーツ走行が売り文句のモデルでも、BMWの「ECO PRO」のように市街地など用に省燃費に徹する走行モードを備えるのが最近のトレンドですから、新しいボルボV40 T5 R-DESIGNも例に漏れていません。
気になる走りっぷりは、スペックにふさわしいスポーティな加速を披露してくれますが、速さを感じさせるのは「エコプラス」モードをオフにした「ノーマル」以上でのこと。
「エコプラス」にすると、若干アクセルのレスポンスが控えめになりますが、十分なパワーが得られますから不足はまったく感じさせません。
今回は高速道路を巡航する機会はありませんでしたが、上り下りが連続する郊外路でも「エコプラス」でも十分な加速フィールを得られたのは朗報。
またエンジンは、5気筒から1気筒減っているわけですが、音や振動もよく抑えられていますし、回転フィールも含めて「言われてみれば4気筒かな」と気がつく程度で、アイシンAW製8速ATの緻密な制御もあり、洗練されたパワートレーンなのは間違いありません。
さらに、V40シリーズでは初となるパドルシフトも装備されていますから、スムーズな8速ATを指先だけで自在にシフトチェンジできる美点も。
また、スプリングの剛性強化(前+10%、後+7%)や強化フロントダンパー&ものチューブリヤダンパー、強化バンプストップ、強化リヤスタビライザーなどからなるスポーツサスペンションにより、硬めの乗り心地はスポーツモデルらしく、うねりのある路面などではステアリングが取られるような感覚になるものの、凹凸に対する減衰はしっかりされていて、不快さは感じさせません。
■ ボルボV40のスポーティグレード「T5 R-DESIGN」がマイナーチェンジ!
http://clicccar.com/2014/12/08/281430/
(塚田勝弘)
画像付き元記事はこちら:ボルボ「V40 T5 R-DESIGN」新エンジンと8速ATを組み合わせた走りは?(http://clicccar.com/2014/12/11/281451/)