ワイヤレスイヤホンを多数販売しているフォーカルポイントからオープンイヤー型の左右分離式モデル「Shokz OpenFit」が発表されています。一般的なワイヤレスイヤホンは耳の穴に直接装着しますが、OpenFitは耳の穴をふさぎがず、耳にかけるタイプ。
そのため長時間の装着も楽になっています。OpenFitはクラウドファンディングのGREEN FUNDINGで2023年6月12日まで予約を受け付けていますが、申込多数と好調のため終了を待たずにすでに出荷がはじまっています。

【Shokz】完全ワイヤレスイヤホン OpenFit

耳に直接装着するワイヤレスイヤホンは指先ほどの大きさのものが多いのですが、OpenFitは耳にかける「つる」の部分があるため、ある程度の大きさがあります。しかしつるの部分はやわらかく、充電ケースにもコンパクトに納まります。ケースのサイズはそれほど大きくなく、どこにでも持ち運べるでしょう。

ケースへの収納も、つるの部分を無理に曲げる必要も無くスムーズに納まります。
本体が小型ではないものの、逆に小さすぎて紛失してしまうことがありません。実は自分(富永)はこれまでワイヤレスイヤホンを何度も紛失しています。

本体は一般的なイヤホンより大きいものの、それでもコンパクト。IP54の防水にしっかり対応しています。本体のタップ操作で音楽再生や通話の操作も可能。スマートフォンにShokzアプリを入れておけば操作もカスタマイズできます。


実際に装着してみました。耳にかけるため装着感が気になりましたが、軽量のため不快感は一切ありません。このあたりは数多くのワイヤレスイヤホンを出しているShokzの製品ならでは、といったところでしょう。肌触れる本体は2層構造のリキッドシリコンということでソフトな感触。長時間つけていられそう。そして最大のメリットは耳の穴を塞がないこと。
リモートワークで自宅で仕事中にオンライン会議を行うときなど、1時間や2時間かかることもあるでしょうが、OpenFitなら長時間装着していても耳が気になることは少ないのです。音質の良さもOpenFitの特徴になっていますが、使ってみると仕事にかなり使えるイヤホンだと感じました。

耳たぶの後ろにしっかりとかぶさるため、装着中に動いていても落ちることはありません。リモート会議にかぎらず、1日中家の中や職場で耳にかけたままにしておき、音楽を聴いたり会議に出たり、あるいはコーヒーを入れに行ったり掃除をしたりなど、イヤホンをその都度はずさずとも1日中過ごすことができそうです。

なおオープンイヤータイプのため周りの音も聞こえてきます。そのためノイズキャンセリングのイヤホンのように、音楽に完全に没頭するという使い方には向いていません。
しかし逆に生活の中で会話や音楽をそのまま楽しむという使い方に向いています。たとえばつけたまま外を歩いていても周りの音がはいるので安心して歩行できます。

自分(富永)は海外取材を含め出張が多く、電話やビデオによる連絡も多く受けます。今までは一般的なワイヤレスイヤホンを使っていましたが、急にかかってきた電話に出ようとしてもかばんの中からイヤホンを出すのが面倒、ということもありました。また展示会場内を取材中にワイヤレスイヤホンをつけたり外したりすることも多く、ケースに入れる暇がなくそのままかばんの中にイヤホンを入れて、後で探してみると紛失してしまっていた、なんてことが何度もあります。

OpenFitならあらかじめ自分の予定を見ておき、朝から耳にかけたままにしておき音楽を聴きつつ、電話がはいればそのまま通話に切り替える、ということもできます。
長時間の装着も苦にならないためいちいち耳から外しておく必要がないのです。そしてイヤホンにつるの部分があるサイズのため、慌ててイヤホンだけをかばんの中にしまっても紛失する恐れが減ります。音楽を聞く用途にももちろん向いていますが、仕事用のハンズフリー通話用途としてかなり使いやすいワイヤレスイヤホンだと感じました。

富永彩乃+山根康宏 富永彩乃(とみなが あやの) ITジャーナリスト/自撮り端末研究家。日本や海外各国のIT事情、特に海外の最新スマートフォンやビデオコンテンツサービスに精通。海外展示会の取材も積極的にこなし、現地からライブ配信によるレポートや動画撮影・編集も自身で行っている。
スマートフォン複数台を常に使いこなし、TVやメディアへの出演も多数。 山根康宏(やまねやすひろ) 香港在住の携帯電話研究家。海外(特に中国)のスマートフォンや通信事情に精通。IoT、スマートシティー、MaaS、インダストリアルデザインなど活動の幅は広い。最新機種のみならずジャンク品から百万円のラグジュアリーモデルまであらゆる携帯電話・スマートフォンを購入する収集家でもあり、その数はまもなく1800台に達する。 この著者の記事一覧はこちら