NTT東日本 神奈川事業部は、令和5年度県外誘客宣伝事業として実施される神奈川県観光協会(かながわDMO)の「かながわスタンプラリー 再発見・夏休みの自由研究大作戦」を、デジタル運営面でサポートする。

8月31日まで開催される「かながわスタンプラリー 再発見・夏休みの自由研究大作戦」の目的は、「県外から多くのご家族に神奈川県内の観光スポットを周遊してもらい、観光誘致・地域経済の活性化を促進するとともに、子どもたちの自由研究にも役立ててもらう」というもの。
あらかじめ設定された神奈川県内52カ所の観光スポットを巡るスタンプラリーを実施。

異なる2つの市町のスポットでスタンプを集めて、完成した自由研究の写真を応募フォームから投稿すると、神奈川県観光協会ホームページ内の特設サイトに掲載される。また、異なる3つの市町のスポットでスタンプを集めると、抽選で50名に「鎌倉ハム・スライスハム5点詰め合わせ」または「岩井の胡麻油ギフトセット」のいずれかの名産品がプレゼントされる。いずれも“異なる”市町である点には注意したい。
○スマートフォンを使ったデジタルスタンプラリー

今回のスタンプラリーで利用されているサービス「プラチナラリー」は、ボールドライトが提供する観光DXプラットフォーム「プラチナマップ」を基盤としたデジタルスタンプラリーシステム。ランキング、ポイント、クーポン、クイズなどのスタンプラリーをより楽しくする仕掛けや、滞在時間や回遊率向上の仕組みを搭載するほか、インバウンド需要にも対応できる11カ国語対応(自動切換え)で、利用データ分析機能なども実装する。


さらに、アンケート機能を追加することによってスタンプラリー参加者のニーズや動向などの可視化もでき、自治体・観光事業者・民間事業者など、それぞれの目的に合わせたスタンプラリーを簡単に構築・開催することが可能なデジタルスタンプラリーシステムとなっている。

「かながわスタンプラリー 再発見・夏休みの自由研究大作戦」への参加方法は、特設サイトやチラシに掲載されているQRコードから、スマートフォンで専用ページにアクセス。簡単なアンケートに回答すれば準備完了で、後はチェックポイントに着いたら、専用ページにアクセスしてスタンプをゲットするだけとなっている。

○観光スポットを巡り、夏休みの自由研究を

今回のスタンプラリーは、自分の興味のあるところや自由研究の課題として取り上げたいところ、あるいはまだ訪れたことのないところなど、目標を絞ってスタンプを集めてみたい。今回巡ったスポットを紹介するので、参考にしてみてほしい。

■小田原城

神奈川県小田原市にある「小田原城」は、室町時代に西相模に進出した大森氏が築いた城郭が前身とされるが、戦国時代に北条氏が関東支配の中心拠点として整備拡張。
豊臣秀吉との戦いに備え、周囲9kmにわたって、堀と土塁で城下を囲む大城郭へと発展した。

しかし、豊臣秀吉の小田原攻めにより北条氏は滅亡。その後は、徳川家康に従って小田原攻めに参陣した大久保氏が城主となり、江戸幕府の西を守る重要な城郭として幕末を迎えた。そして、明治3年(1870年)に廃城となり、城内の多くの建物は解体。後に、小田原・足柄県庁・神奈川県支庁の所在地となり、さらに二の丸には御用邸が建てられたが、関東大震災によってほぼ全壊し、江戸時代の姿は失われることとなった。その後、昭和9年(1934年)に隅櫓が再建され、昭和35年(1960年)5月には廃城以来90年ぶりに市民待望の天守閣が復興。
その後も史跡整備が本格化し、復元整備も進められている。

小田原城はJR小田原駅から徒歩およそ10分の距離にあり、正門入口から馬出門を通って、城内へと入る。あとはルートに従い、住吉橋から銅門へと向かう。道中には、さまざま案内板や展示物も配置されているので、ゆっくりと景色を楽しみながら進んでいきたい。

小田原城歴史見聞館を過ぎると、ここからは長い階段。常磐木門を越えると本丸跡となり、小田原城の天守閣が姿を表す。


天守閣の入場料は大人510円/小人200円。天守閣内には、シアターや企画展示室、ミュージアムショップなどがあり、小田原城の歴史や出土品、小田原ゆかりの美術工芸など、小田原城やその周辺地域についての様々な資料が幅広く展示されているので、興味がある分野から自由研究のテーマを見つけ出すのにも最適となっている。

小田原城に入ってから天守閣まで歩き、さらに天守閣内をじっくりと見学すると、1時間でも短いほどの充実ぶりとなっており、特に歴史が好きな方におすすめのスポットなっている。

なお、小田原城の道を挟んだ向かい側にある「小田原市観光交流センター」もスタンプラリースポットとなっている。こちらは、小田原市内の観光案内のほか、カフェやフリースペースなども併設されているので、小田原城を訪れる際は、あわせて立ち寄ってみたい。

■川勾神社

続いて訪れたのは、小田原市の隣町となる二宮町の「川勾(かわわ)神社」。
小田原城の丑寅の方角にあり、鬼門守護神として小田原北条氏から崇敬されていた神社なので、小田原城とセットで訪れてみたいポイントのひとつといえそう。

川勾神社は、相模国の二之宮で、古くから二宮大明神または二宮明神社と呼ばれ、所在地である二宮町の町名は、川勾神社が“二之宮”であることが由来となっている。延長5年(927年)の「延喜式神名帳」(全国の神社一覧)に記載されている相模国の延喜式内社十三社の内の一社で、第11代垂仁天皇の時代(約2000年前)、磯長国造(しながのくにみやつこ)・阿屋葉造(あやはのみやつこ)が国の勅命により、磯長国鎮護のために創建されたという。

日本武尊による東征途中の奉幣祈願や第19代允恭天皇皇妃の衣通姫命(そとほりひめのみこと)の安産祈願、源頼朝が北条政子の安産祈願のため神馬を奉納したなどの言い伝えがあるほか、先述の通り、小田原北条氏が鬼門守護社として崇敬し、徳川家康が朝鮮出兵で絵九州名護屋に出陣する際、祈祷札を献上し、御朱印地五十石を寄進したなどと伝えられている。

鳥居をくぐり、階段を登り、随神門の先に境内が広がっている。なお、鳥居の横には伊藤博文の筆による鳥居額が展示されている。
なお、境内にある手水舎からは、天気が良ければ富士山を拝むこともできる。

川勾神社はJR二宮駅から徒歩30分程度の距離にあるため。訪れる際はバス・タクシーなどの交通機関を使ったほうがよいだろう。

■伊勢原大神宮

最後に紹介するのが、神奈川県伊勢原市にある伊勢原大神宮。川勾神社が二宮町の町名の由来となっているように、伊勢原大神宮も伊勢原という地名の由来となっている。このように市名・町名の由来を探ってみるのも自由研究のテーマとなりそう。

伊勢原大神宮は、江戸時代初期の元和6年(1620年)に、伊勢の国の山田曾右衛門と鎌倉の湯浅清左衛門がこの地を開墾した際に、開拓地の鎮守として、山田曾右衛門が故郷である伊勢神宮の神様を勧請し、奉祭したところから始まっており、そのことから伊勢原と呼ばれるようになったという。

伊勢神宮では、天照大御神が内宮、豊受姫大神が外宮に奉祭されているが、伊勢原大神宮もこれにならい、両宮が別々に奉祭されているのが特徴。参拝の順路も伊勢神宮にならい、先に外宮、次に内宮という順番となっている。

「かながわスタンプラリー 再発見・夏休みの自由研究大作戦」のスタンプスポットは神奈川県内で全52カ所。今回紹介した、城や寺社仏閣だけでなく、美術館や記念館、公園やキャンプ場など、様々なスポットがラインナップされている。自由研究のテーマを絞って訪れるだけでなく、訪れたことのないスポットに足を運んでみれば、新たなテーマが見つかるかもしれない。