TVを自宅の中だけで使うのはもったない、とばかりに持ち運べるTVをLGエレクトロニクスが開発しました。LG StandbyME Goは旅先にでも持ち出せるように、アタッシュケースの中にTVを内蔵した製品です。
しかも使うスタイルも自由自在、仕事にも使える新感覚のモバイルTVなのです。

LG StandbyME Goの普段の姿はアタッシュケースそのものです。旅行気分を味わえるようにステッカーを貼って装飾してもいいでしょう。アタッシュケース込みの重さは12.7kg、サイズは縦670x横443x奥行き119mmです。女性が持つにはちょっと重いかもしれませんが、車での移動ならむしろあまり場所を取らないのでいつでも持ち出せる大きさと言えそうです。

アタッシュケースを開くとその中から27型フルHDのTVが出てきます。
このままTVが使えるようにバッテリーを内蔵しており、動画は約3時間の再生が可能とのこと。また100V/240Vの電源接続も可能です。

このTVは本体内の収縮式のアームに取り付けられており、引き出すことで立てて使うことができます。見やすい角度に調整できるのです。

LGのTVはWebOSで動くスマートTVなので、Wi-Fiを内蔵しておりこのままネットアクセスが可能です。Netflixなどのアプリもあるのでそのまま動画サービスを視聴することもできます。
画面はタッチパネルなので指先での操作も可能、またリモコンも付属します。HDMI入力端子も装備しており、他の機器からの映像再生も可能。スマートフォンともWi-Fi接続による画面投影ができます。

TVを屋外に持ち出すことで、キャンプ中に映画を見たり、その日に撮影した写真や動画を夜に楽しむ、という使い方もできます。最近は小型家電を動かすことのできるポータブルバッテリーも手ごろな価格で買えるようになりました。LG StandbyME Goが普及すれば車での旅行のお供にTVを持っていくことも当たり前になるかもしれません。


LG StandbyME Goはエンタメ用途だけの製品ではありません。いつでもどこにでも持ち運ぶことができるため、展示会の製品説明に使うというビジネス利用も出来るのです。実際に今回取材したIFA 2023(ベルリン開催)の会場で、LG StandbyME Goを使ってデモを行っている企業がありました。会場でディスプレイを借りる必要もありませんから、急なイベントにも対応できます。そう考えるとコミケなどのイベントでも使えそうですね。

さてLG StandbyME Goは本体を縦向きにすることもできます。
アーム部分は自在に動き、ディスプレイ部分も簡単に角度を変えることができるのです。

縦向きにすればスマートフォンの画面をそのまま出しても違和感なく使えますね。この向きならTikTokなどの縦動画サービスをそのまま楽しめますし、ビデオ通話をするのも使いやすそうです。また路上ライブをしながらLG StandbyME Goの縦画面にプロモーションビデオを流したり、ライブ配信中のチャット画面を流す、なんて使い方もできそうです。

LG StandbyME Goには環境ビデオがいくつかプリインストールされています。映画などを見ないときでも、インテリアとして動画を流すことができます。


ディスプレイ部分に注目が集まるLG StandbyME Goですが、アタッシュケースの天板の内側はステレオスピーカーになっています。大型のスピーカーで音も良く、LG StandbyME Goを音楽再生プレーヤーとして使うのもいいでしょうね。音楽再生アプリを起動すると画面にレコードプレーヤーが表示されるのも遊び心が詰まっています。

自宅の中で部屋から部屋へと移動させることのできる小型TVはすでに販売されていますが、屋外にも持ち運べるTVはあまり見たことが無いのではないでしょうか? エンタメ向けの製品と思いきや、ビジネス用途にも展開できるので利用シーンはかなり広いと言えるでしょう。LG StandbyME Goの価格は海外で約1000ドル(約14万7,000円)。日本でも追って発売になるかもしれません。


富永彩乃+山根康宏 富永彩乃(とみなが あやの) ITジャーナリスト/自撮り端末研究家。日本や海外各国のIT事情、特に海外の最新スマートフォンやビデオコンテンツサービスに精通。海外展示会の取材も積極的にこなし、現地からライブ配信によるレポートや動画撮影・編集も自身で行っている。スマートフォン複数台を常に使いこなし、TVやメディアへの出演も多数。 山根康宏(やまねやすひろ) 香港在住の携帯電話研究家。海外(特に中国)のスマートフォンや通信事情に精通。IoT、スマートシティー、MaaS、インダストリアルデザインなど活動の幅は広い。最新機種のみならずジャンク品から百万円のラグジュアリーモデルまであらゆる携帯電話・スマートフォンを購入する収集家でもあり、その数はまもなく1800台に達する。 この著者の記事一覧はこちら