俳優の池松壮亮が主演を務める、映画『白鍵と黒鍵の間に』(10月6日公開)の場面写真と本編映像が15日、公開された。

同作は南博氏による回想録の実写化作。
ピアニストとしてキャバレーや高級クラブを渡り歩いた3年間の青春の日々をつづった原作を、南氏がモデルの主人公を「南」と「博」という2人の人物に分けて、“3年”におよぶタイムラインがメビウスの輪のようにつながる“一夜”へと誘い、観る者を翻弄する。池松は「南」と「博」を一人二役で演じる。
○池松壮亮が胸キュン映画にたとえた撮影裏

主演の池松と、刑務所からシャバに出てきたばかりの謎の男で南と博を翻弄する“あいつ”を演じた森田剛による特別インタビューと本編映像。インタビューでは、2人が撮影中の印象的だったシーンについて明かしている。池松が「なぜかヤクザとピアニストが二人三脚をしているというよく分からない、非常に面白いシーンがあって……」と語りだすと、隣の森田が笑いをこらえつつも思わず「ふふっ」と声を漏らしてしまう和やかな様子を見せた。

至近距離で息を合わせて動かないといけない二人三脚の撮影時、池松は「森田さんが割りと早めに肩を組んでくださって、そこから解除してくれなくて……」とかなり気まずい状況だったと明かす。
「体感でいうと5分くらいだったかな。胸キュン映画で駆け出しの俳優さんと女優さんが、よーい! の声がかかる前に手を繋いじゃって、解除できなくなったみたいな……そういうことを思い出しましたし、5分間ドキドキしてました」と、森田にときめいた撮影裏話を披露した。

森田は「凄く大事なシーンでグーッとなってて。早めに肩を抱いてしまったんですけど、1回抱いたものを離すのもね……」と撮影時の心境を告白。「『気まずい?』って聞いたんだよね?」と確認すると、池松は「あ、そうそう!」とさらに思い出が蘇ってきた様子で「『池松くん気まずい?』『気まずいですね』と。でもその後もずっと……。
あ、それでも解除してもらえないんだ!?」と現場で衝撃を受けたエピソードを語った。

「印象的でした」「楽しかった」と2人が公言する本編シーンもあわせて公開。本編では、森田演じる“あいつ”自らが池松演じる博の足にベルトを巻いて、勢いよく二人三脚を始める様子が映される。しかし、走り出した途端、シャバに出てきたばかりで痩せている“あいつ”のズボンがずれ落ち、そのはずみでナイフや拳銃といった危険物が次々と落ちていく。あまりの恐怖と異様な状況に博は耐えきれなくなり、ついに逃げ出してしまうといった内容になっている。