映画『白鍵と黒鍵の間に』(10月6日公開)のスペシャル・ジャズライブイベントが26日に都内で行われ、主演を務める池松壮亮、冨永昌敬監督が登場した。

同作は南博氏による回想録の実写化作。
ピアニストとしてキャバレーや高級クラブを渡り歩いた3年間の青春の日々をつづった原作を、南氏がモデルの主人公を「南」と「博」という2人の人物に分けて、“3年”におよぶタイムラインがメビウスの輪のようにつながる“一夜”へと誘い、観る者を翻弄する。池松は「南」と「博」を一人二役で演じる。
○■池松壮亮、『白鍵と黒鍵の間に』ジャズライブイベントに登場

今回のイベントでは、原作者の南氏、池松演じる博のキャバレーバンドの仲間役・K助を演じたサックス奏者の松丸契氏、同作の音楽を担当したピアニスト・魚返明未氏が一夜限りのジャズセッションを披露。「南」と「博」を一人二役で演じた池松も冨永監督とともにステージに登場した。

池松は「素晴らしいイベントを開催していただいて、映画はこれからですけど、ここから盛り上がってくれればなと思ってます」と挨拶。続けて「さっき飲んでしまって……」と登壇前にお酒を飲んでしまったことを告白し、「酔いが回っています(笑)。
僕が話しているときは飲食タイムということで……」と話し、笑いを誘った。また、同じく冨永監督もビールを飲んだそうで、ほろ酔いの2人によるツーショットトークとなった。

今作で「ゴッドファーザー 愛のテーマ」のピアノ演奏に挑戦した池松。「半年間やりました。今回音楽監修をしてくださった鈴木先生に週1で習って、あとは家でやってました」と練習を回顧。特にジャズアレンジに苦労したそうで、「やりますと言ったことを何度後悔したことか……。
映画の中にキーワードのセリフとして『俺は一体何をやってるんだ』というセリフが出てくるんですけど、毎日思ってました」と振り返った。

あえて池松のピアノ練習の進捗を確認しなかったという冨永監督は、「まさかここまで……」と現場で池松の腕前に驚いたそう。「本来、作中で使う音は魚返くんが弾いた音を使う予定で、それを弾いている指のお芝居を完ぺきにしてもらうために練習してくれていた。だけど、音の方も完ぺきだったので、撮影現場で池松くんが弾いている音を劇中で使っています」と明かした。

そんな池松は「せっかくなら今日弾きたかったんですけど……」と自ら言い出し、会場からは大きな拍手が。しかし、「撮影から1年触っていないので一切弾けないです! すみません……」とタジタジの様子で笑顔を見せた。