第15回TAMA映画賞の授賞式が26日に東京・パルテノン多摩にて行われ、受賞者が揃った。

『わたしの幸せな結婚』『月の満ち欠け』で最優秀新進男優賞に輝いた目黒蓮
「こうして賞をいただけると、作品が生き続けてくれているんだなと実感することができて、とてもありがたく思います」と感謝する。

塚原あゆ子監督との出会いが大きかったそうで「『リアルを大切にしてほしい』ということをすごく言っていただいて。塚原監督はお芝居をするというよりも、『こういうことを言われたらこういう反応になるよね』とか、『こういう表情になるよね』とか、現実を大切にされている方なので、お芝居経験がまだ少ない時期に塚原さんと出会うことができて本当に幸運だなと思いますし、『わたしの幸せな結婚』を撮影した後の作品でも、塚原さんに教えていただいたことが生きてきたなと感謝しています」と語った。

今田美桜との共演シーンについては「今田さんが今までやってこられていた役や印象として、華やかな方なのかなというイメージがあったので、初めて対峙してお芝居をした時に美世というキャラクターの悲壮感といいますか、そういう部分が表現されていて、僕自身やりやすかったですし役に没頭することができたなと思います。感謝しています」と表す。

普段の活動と役者としての活動について聞かれると、「ダンスや歌、振り付けを覚えるのと、アクションは結び付いてはいけないものといいますか、塚原さんに教えていただいたことでもあるんですけど、アクションが振り付けっぽくならないように『きれいにやらないでほしい』と言っていただいて、崩していくような感覚でアクションをやらせてもらっていました」と振り返る。
「逆にふだんのSnow Manの時の歌、ダンスパフォーマンスの表現力は、お芝居をたくさん経験させてもらううちに、表現の幅が増えたのかなと思います」と相互に作用している様子。

さらに「Snow Manでいる時はなるべく『目黒蓮』というものをどれだけ足していくかという感じなんですけど、役を演じさせていただく時はどれだけ自分を引いていくか。足し算と引き算で全然違うことやってる感覚なんですけど、どちらもすみわけられて楽しくやらせてもらってます」と説明した。

最後に目黒は「常に思っているんですが、自分というのは作品のためにあって、作品を通して何か思いを伝えたり、その思いが一人でも多くの方に作品を通して届けばいいなと思いますし、自分が演じるにあたって、観てくださった方の人生、生活に何らかの影響を与えられるようなお芝居ができたらいいなと思います」と語る。「ありがたいことに、いくつか話をいただいているんですけど、誰かがじゃなくて自分がやるべきだと思えるような作品、自分の心も動くような作品に出演させていただいて皆様にお届けできればいいなと思います」と今後の活動についても意気込んだ。

○受賞一覧

■最優秀作品賞
『怪物』(是枝裕和監督 及びスタッフ・キャスト一同)
『雑魚どもよ、大志を抱け!』(足立紳監督 及びスタッフ・キャスト一同)

■特別賞
宮崎駿監督及びスタッフ・キャスト一同(『君たちはどう生きるか』)
上田誠氏、山口淳太監督はじめヨーロッパ企画及びスタッフ・キャスト一同(『リバー、流れないでよ』)

■最優秀男優賞
佐藤浩市(『春に散る』『せかいのおきく』『仕掛け人・藤枝梅安 2』『大名倒産』『キングダム運命の炎』『ファミリア』『映画 ネメシス 黄金螺旋の謎』)
鈴木亮平(『エゴイスト』『劇場版TOKYO MER 走る緊急救命室』)

■最優秀女優賞
菊地凛子(『658 km、陽子の旅』)
黒木華(『せかいのおきく』『ヴィレッジ』『映画 イチケイのカラス』『ほつれる』)

■最優秀新進監督賞
福永壮志監督(『山女』)
金子由里奈監督(『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』)

■最優秀新進男優賞
目黒蓮(『わたしの幸せな結婚』『月の満ち欠け』)
奥平大兼(『君は放課後インソムニア』『ヴィレッジ』『あつい胸さわぎ』『映画 ネメシス 黄金螺旋の謎』)

■最優秀新進女優賞
山田杏奈(『山女』)
高石あかり ※高ははしごだか(『ベイビーわるきゅーれ 2 ベイビー』『Single8』『セフレの品格 決意』『わたしの幸せな結婚』ほか)