日本玩具協会と東京玩具人形協同組合は、今年のクリスマスおもちゃの最新トレンドを紹介する「クリスマスおもちゃ」トレンド記者発表会を11月27日(月)に開催。今年の新たな企画として実施された「子どもや孫に贈りたい クリスマスおもちゃ 2023 人気投票」の結果を発表した。


「玩具は子どもが成長するうえで欠かすことのできない存在」と話す日本玩具協会 会長の前田道裕氏。「大人にも人生の中で、ゆとり、楽しみを提供し、文化的な価値を提供している」と続け、社会構造が変化しても、玩具の普遍的な価値が変わらないことが玩具の支持される理由だという。

昨年度の国内玩具市場規模は9,525億円と過去最高を更新。カプセル玩具市場と合わせると日本国内の玩具市場規模は1兆円を超えたが、今年度上半期での玩具販売額は前年比13%増となっており、「市場規模は引き続き拡大基調にある」と玩具業界の好調さをアピールする。

その一方で、「安全規格の強制規格等の課題に直面している」と業界の課題を指摘。「日本玩具業界といたしまして、お買い求めの皆さまが安全に楽しく、有意義にお使いいただけるように、経済産業省と相談しつつ、さらに努力してまいりたい」と今後の方向性を示した。


「おもちゃ業界にとって、クリスマスは一年間で最大の商戦」と話すのは、東京玩具人形協同組合 理事長の齋藤晴正氏。実際、年末・年始で年間売上の約40%と売り上げており、好調に推移している玩具業界がさらに売り上げを更新するかどうかは、「これから迎えますクリスマス商戦にかかっている」と力を入れる。

今回の投票結果のうち「そのおもちゃを選んだ理由」は「子どもが欲しがったから」「子どもの好きなキャラクターだから」という回答が多かったという。「その他」の回答の中にも、「子どもが好きだから」「子どもが好きそうだから」「子どもが喜びそうだから」との意見が書かれており、「当たり前の話ではありますが、おもちゃをプレゼントして子どもが喜ぶ顔が見たいという方が非常に多い」と分析。

「おもちゃには、人を喜ばせたり、笑わせたりする力、そして人と人の結びつきを強めたり、子どもの心身の発達を促す力、さらに心の緊張を和らげる力があります。2011年の東日本大震災、そして今回のコロナ禍において市場規模の縮小を覚悟しましたが、前年を上回るなどの結果を残したことから、おもちゃの必要性やおもちゃが負っている役目がいかに重要なものか我々もあらためて確信しました」という齋藤氏。
コロナ禍が明けて初めてのクリスマスということで、「プレゼントのおもちゃを囲んで、ぜひ思い出に残るクリスマスにしていただければ」と期待を寄せた。
○●「子どもや孫に贈りたい クリスマスおもちゃ 2023」の結果を発表

「子どもや孫に贈りたい クリスマスおもちゃ 2023」の投票対象となったおもちゃは、2023年9月6日に結果が発表された「おもちゃ屋が選んだクリスマスおもちゃ2023」で選ばれた、8部門の上位8点、計64点。消費者による人気投票は、11月1日から15日まで期間、東京玩具人形協同組合が発行している月刊トイジャーナルが運営する玩具業界ポータルサイト「おもちゃ情報net」の特設ページで実施され、投票総数は4,521名に上ったという。

■消費者が選んだ今年のクリスマスおもちゃトップ20

●プレゼント対象となる子どもや孫の年齢群別トップ5

【0~2歳】

【3~6歳】

【7歳以上】

■子どもや孫へのクリスマスプレゼントとして、そのおもちゃを選んだ理由

○●「クリスマスおもちゃ」今年のトレンドは?

結果発表にあわせて、日本玩具協会 専門委員 兼 東京玩具人形協同組合 トイジャーナル 編集長の藤井大祐氏が、具体的な商品名を挙げながら、今年のクリスマスおもちゃのトレンドについて解説した。

■「本物志向」「Wi-Fi」が今年のキーワード
今やすべての子どもはデジタルキッズ予備軍かデジタルキッズという時代。デジタルトイは今やおもちゃの本流となっている。
今回の消費者による人気投票で、1位となった「#バズゅCAM むてきパープル/ときめきミント」(セガトイズ)は、「YouTuberが実際に投稿しているような動画」を撮影、編集できるという本物志向のVlogカメラ型トイで、SNSのインフルエンサーのような“バズる疑似体験”が楽しめる。

2位となった「ポケモンスタディ 光るぜっ! ポケモンタイピングPC」(セガトイズ)は、光るキーボードで本格的なタイピング練習ができて、パソコンスキルの先取りに最適なパソコン型トイ。

また、Wi-Fi機能を備えたデジタルトイとして、6位に入った「すみっコぐらし Wi-Fiでつながる! みんなとつながる! すみっコパッド8インチ」(アガツマ)は、Wi-Fiに接続するとアプリの更新ができ、新しい問題を増やしたり、登録した友達とのアイテム交換やメールのやりとりなどができる。

9位に入った「Tamagotch Uniシリーズ」(バンダイ)は、世界中のユーザーが育てたたまごっちと出会えて、アイテムを交換したり、様々な交流を楽しむことができる。

このほかにも入学準備から小学校中学年くらいまで長く遊べる「ちいかわラーニングパソコン」(バンダイ)、付属のヘッドセットをつけて「ライブ配信遊び」が楽しめる「ヘッドセットではいしん?! カメラもIN! マウスできせかえ! すみっコぐらしパソコンMYLIVE」(セガトイズ)、カメラ機能もついてミッションやお勉強など楽しいアプリが全100種類搭載された「バウ・パトロール あそびもまなびもバウっとかいけつ!ワンダフルバウパッド」(タカラトミー)など、今年のパソコン・パッド型トイは非常に充実したラインナップになっている。

■「すみっコぐらし」「ちいかわ」の2大キャラクター強し
今年のパソコン・パッド型トイのラインナップを見ても、「すみっコぐらし」「ちいかわ」が大人気で、今年はこの2大キャラクターがクリスマスおもちゃ市場を盛り上げている。


「ちいかわ」では、可愛い世界観がぎゅっと詰まった携帯液晶ゲームで、ちいかわたちをお世話したり、「労働」して報酬を稼ぎ、稼いだ報酬でお買い物をしてアイテムをゲットすることができる「ちいかわといっしょDXセットシリーズ」(バンダイ)や、ちいかわの漫画・アニメの1コマを90シーン以上再現できるドールハウス「ちいかわ ゆめのむちゃでかおしゃべりプリンハウス」(セガトイズ)が人気急上昇となっている。また、ちいかわの友達のハチワレがアニメで使用された楽曲「ひとりごつ」をゆらゆら揺れながら歌う「弾き語りハチワレ」(ジョイパレット)も癒やされる人が続出しているという。

「すみっコぐらし」では、水で溶ける魔法の紙で作るシールメーカー「シールランドリーナー すみっコぐらし」(メガハウス)や、すみっコキャラクターがたくさん作れる「アクアビーズ すみっコぐらし スペシャルセット」(エポック社)、シーリングメーカーでパウチするだけでかわいいオリジナルチャームが作れる「パウチャーム すみっコぐらし」(ビバリー)、そして、アームを操作してすみっコをゲットできる「すみっコぐらし すみっコクレーンゲーム」(タカラトミー)などが注目を集めている。

■誰かに話したくなるユニークトイ&サプライズトイ
「こんなおもちゃがあるの知ってる?」と誰かに話したくなるようなユニークなおもちゃの数多くラインナップ。

粉を混ぜて、形を作って、オーブンで焼くと"パンビーナ"が出てくる「ふわもち Wow! パンビーナ」(タカラトミー)や、外側はもっちり、中はふんわりの絶品おにぎりが誰でも簡単に作れる「究極のおにぎり」(タカラトミーアーツ)、デジタルの世界から飛び出してきたペットに本当に触れることができる新感覚デジタルペット育成トイ「とびだせ!きゅーびっつ」(タカラトミー)、そして自動車のエンジン音が母親の胎内音に近く、赤ちゃんを安心させるという検証から生まれたクルマ型のぬいぐるみ「赤ちゃんスマイル Honda SOUND SITTER」(タカラトミーアーツ)などは、いずれもユニークなアイデアや着眼点から生まれた今までになかったアイテムとなっている。

また、今年の話題商品では、初代が1999年に発売され、世界80以上の国と地域で累計5億2000万個以上を出荷しているベイブレードの第4世代となる「BEYBLADE X」(タカラトミー)も登場。
すでに人気は右肩上がりで、今年のクリスマスから来年にかけ世界的なブームを狙っている。BEYBLADE X「BX-07 スタートダッシュセット」は、注目の新シリーズの目玉でもある超加速ギミック「X(エクストリーム)ダッシュ」がすぐに体感できる。

■最強のおもちゃは「定番ブランド」
おもちゃ業界でもっとも売上貢献度が高いのは「アンパンマン」「トミカ」「プラレール」「シルバニアファミリー」「リカちゃん」「仮面ライダー」などの定番ブランド。消費者投票の結果を見ても、調査会社GfK調べによる直近の金額ベースでの売り上げでも、非常にランクが高い状態で、定番ブランドの強さは際立っているという。

「アンパンマン」では、お米由来の原材料のライスレジンを使用した日本製の「アンパンマン 自然の恵 お米からうまれたつみきDX」(アガツマ)や、ペンで絵本をタッチするとイラストに連動した“ことば”をアンパンマンたちが教えてくれる絵本型の知育玩具「アンパンマン もっと知りたい!ことばずかんPremium&ものしりずかん 大集合セット」(セガトイズ)、頭で考えながら5つのスイッチを操作して、車をスムーズに走らせる「すすめ!工事カー!アンパンマン育脳ドライブワールド」(ジョイパレット)、アンパンマンと話したり、タッチで触れ合える「ねぇアンパンマン!お歌をきかせて!はじめてのおしゃべりDX」(アガツマ)などが注目となっている。

「トミカ」の今年のメインアイテムは、最大で50台のトミカが一斉に発射することができる大迫力のロングスライダー付き5階建て立体駐車場の「トミカ スライダーパーキング50」(タカラトミー)で、消費者投票でも4位となっている。


「プラレール」では、人気のレイアウト「坂」「立体交差」「駅」「踏切」「トンネル」などが全部入っており、このセットだけで7種類以上のレイアウトを組むことができる「アソビも!パーツも!大ボリューム!プラレールベストセレクションセット」(タカラトミー)に注目。また18位には、「プラレール 5周年!トミカと遊ぼう!くるぞわたるぞ!カンカン踏切DXセット」(タカラトミー)がランクイン。

「仮面ライダー」で最大の注目はもちろん変身ベルト。「変身ベルトDXガッチャードライバー」(バンダイ)は、100種類以上のトレカから2枚を選んで“ガッチャンコ”することで中央に変身したフォームが出現し、5灯のLEDが10色に発光する。そして「シルバニアファミリー」では、開くと大きな部屋が現れ、家具や人形をいっぱい並べて楽しく遊べる「シルバニアファミリー 赤い屋根の大きなお家 -屋根裏はひみつのお部屋-」(エポック社)が消費者投票でも7位にランクインしている。

「リカちゃん」では、付属のカラチェンライトを使って髪の色やアクセサリーパーツなど全身のカラーチェンジが楽しめる「キラッとカラチェン ジェラートリカちゃん」(タカラトミー)などが今年のメインアイテムとなっている。

■「3世代で楽しめる」ゲーム&パズルも注目
クリスマスや年末・年始は家族みんなでゲームを楽しむことも多くなる季節。特に今年は久しぶりに大人数で楽しむという家庭も多いとの推測から、ゲームやパズルにも、そんな場面で盛り上がるアイテムがたくさん揃っている。

今回の人気投票で堂々の3位となった「人生ゲーム」(タカラトミー)は、フラグシップモデルの7年ぶりのリニューアル。懐かしい遊び心地に、昨今のトレンドや多様性を反映した内容が魅力となっている。

5位に入った「ルービックキューブ チャレンジアップセット」(メガハウス)は、3つの違った難易度のルービックキューブに挑戦することができる。

そして、投手は宙を飛ぶ球を投げ、打者はスタンドインするような豪快なホームランを打てる大興奮の最新野球盤「野球盤3Dエース スーパーコントロール」(エポック社)も上位にランクインしている。

3世代型の新製品としては、「アスレチックランドゲーム シーアドベンチャー」(タカラトミー)もシンプルな相殺せながら、何度も挑戦したくなってしまう絶妙の難易度が魅力となっている。

また、最近ハリウッドでの実写映画化も決定した大ヒットゲームソフト「ゼルダの伝説」をパズル化し、ゲームの世界さながらに剣を引き抜けるかどうかに挑戦する「はずる ゼルダの伝説 マスターソード」(ハナヤマ)、シリーズ100万個出荷という人気カードゲームの最新作「青春のはぁって言うゲーム」(幻冬舎)も注目。さらに消費者投票で8位に入った「ナノブロック NBM-043 客船 飛鳥Ⅱ」(カワダ)は、飛鳥Ⅱの航海士・機関士が監修した精巧さで、大人層が自分へのご褒美に購入するのにも最適な本格派となっている。

そして最後に藤井氏は、「今年もクリスマスを笑顔でいっぱいにする楽しいおもちゃがたくさん揃っておりますし、今回紹介したアイテム以外にもプレゼントすれば満面な笑みが広がるようなおもちゃはたくさんあります。ぜひ素晴らしいおもちゃをお子様のプレゼントに選んで、素敵なクリスマスにしていただきたいと思います」と締めくくった。