キリンビールでは、果実とお酒だけでつくる本搾りブランドの新商品として「キリン本搾りプレミアム 4種のレモンと日向夏」および「キリン本搾りプレミアム 3種の柑橘とシークヮーサー」を2月27日より全国発売する。

○■キーワードは”すっきり甘くないRTD”

「キリン本搾りプレミアム 4種のレモンと日向夏」では、特徴の異なる4種のレモン果汁にライム、穏やかな酸味の宮崎県産日向夏をブレンド。
レモン本来のおいしさ、上質な果実味を実現した。

「キリン本搾りプレミアム 3種の柑橘とシークヮーサー」ではオレンジ、グレープフルーツの豊かな果汁感をレモンで引き締め、皮ごと丁寧に搾った沖縄県産シークヮーサーをひと搾りすることで、爽やかな果汁感を実現した。

キリンビール マーケティング部の松村孝弘氏は、RTD市場の動向について「近年、食事のシーンでRTDが飲用される機会が増えたことで”すっきり甘くないRTD”が好まれる傾向にあります」と分析。そこで同社では2024年の戦略として「伸長するすっきり甘くないニーズに対するさらなる提案の強化」と「変化するお客様ニーズを捉えながらブランドの本質価値を磨く進化」に注力することで『強固なブランド体系の確立』と『新価値を提供する事業・ブランドの着実な成長』の2本柱の実現を目指す。

『強固なブランド体系の確立』においては、氷結シリーズ、本搾りシリーズといった消費者から支持されている既存ブランドをさらに強化していく構え。また『新価値を提供する事業・ブランドの着実な成長』においては、昨年発表した「キリン 上々 焼酎ソーダ」やチューハイ・カクテルの「麒麟百年」などを育てることで、魅力ある市場を創造していくと説明する。


本搾りシリーズについては「2003年に発売して以来、累計で22億円を売り上げており、氷結に次ぐ大きなブランドに成長しました」と評価する。ここで新しい価値を提供するプレミアムラインの新商品を発売することで、さらなる消費拡大を狙う。

キリンビール マーケティング部の大橋優隆氏は、キリン本搾りシリーズの詳細について説明した。同ブランドでは果実の美味しさのポテンシャルを引き出すことにこだわってきた、と大橋氏。フレーバーごとにベストな美味しさを追求しており、グレープフルーツなら果汁28%、レモンなら果汁12%、ピンクグレープフルーツなら果汁29%、オレンジなら果汁45%という具合に、細かく果汁の濃度を調整しているのもポイントだ。

そしてプレミアムラインでは、これまで培ってきた果実とお酒だけでつくるブレンドの技術、ノウハウを活かし、果汁の選定からお酒とのバランスまでこだわり抜いた。
「甘さ、酸味、苦味、渋み、果皮の香りなどを際立たせるように搾った果汁を複数ブレンドしました。そこに香りの高さが特徴の国産柑橘を加えることで、複雑味ある豊かな果実感とすっきりとしたおいしさを実現しています。お客様の”いつもと違う美味しさ”への期待、また”すっきり甘くないニーズ”に応える商品です」と大橋氏。

最後に、松村氏が販売計画について説明。それによれば、RTDトータルでは約5,110万ケース(前年同期比+1.3%)を目指す。本搾りブランドのトータルでは約870万ケース、本搾りブランドのプレミアムラインでは約60万ケースを目標と定めた。


質疑応答では、メディアから「本搾りブランドではグレープフルーツのフレーバーが売れ筋だが、プレミアムラインにグレープフルーツのフレーバーがないのは何故か」という質問があがった。これに大橋氏は「本搾りプレミアム 3種の柑橘とシークヮーサーは、グレープフルーツ、オレンジをベースに開発しています。しっかりとグレープフルーツの味わいを感じていただける商品です」と回答。ただ、香りのアクセントになる”トップ香気”のイメージを伝えるために、ネーミングにはシークヮーサーを採用したという。また今後のフレーバー展開についても「複数の果実をブレンドした美味しさ」にフォーカスしていく、と解説している。

近藤謙太郎 こんどうけんたろう 1977年生まれ、早稲田大学卒業。
出版社勤務を経て、フリーランスとして独立。通信業界やデジタル業界を中心に活動しており、最近はスポーツ分野やヘルスケア分野にも出没するように。日本各地、遠方の取材も大好き。趣味はカメラ、旅行、楽器の演奏など。動画の撮影と編集も楽しくなってきた。 この著者の記事一覧はこちら