●「どの国に行っても『ゾロだ!』と」反響に喜び
昨年配信されたNetflix実写ドラマシリーズ「ONE PIECE」でロロノア・ゾロ役を演じ、世界中の多くの人たちに知られる存在となった俳優・新田真剣佑。自身がプロデュースするアパレル・ジュエリーブランド「INCRM(インクリム)」と同作とのコラボレーションも実現し「うれしかった」と喜ぶ新田にインタビューし、ゾロ役への思いやブランドへの思いを聞くとともに、近年での自身の変化にも迫った。


ゾロを演じたNetflixシリーズ「ONE PIECE」について、「本当に多くの人に知っていただけた作品になりました。どの国に行っても『ゾロだ!』とゾロで認識されていて、光栄だなと思います」とうれしそうに話す新田。

ゾロ役に起用される前から「ONE PIECEはもともと大好きです」と作品のファンとのことだが、「ゾロを演じてONE PIECEがこれほど人気なのだということをすごく実感しました」とも言い、「どの国に行っても、みんなONE PIECEを知っているんだというのがうれしくなりましたし、本当に尾田さんはすごいなと思いました」と原作者の尾田栄一郎氏をリスペクトする。

そして、世界中の人たちを魅了するONE PIECEの魅力について、「ストーリーが素晴らしい。心に響くし、涙が出るシーンにしても、本当に悲しくて泣いたり、うれしくて泣いたり、いろんな感情がそこにはあって、とにかくストーリーがいいんです」と熱弁。

尾田氏の家を訪れたこともあるそうで、「僕はいちファンとして作品を楽しんでいる身で、尾田さんは漫画界のレジェンドなので、それはもう刺激的ですよ」と目を輝かせた。


自身が演じているゾロのこともリスペクトしている。

「すごく努力をするんですよね。筋トレもそうだし、技の習得もそうだし、負けず嫌いで。そういうところは多くの人に刺さっていると思いますし、僕もその1人です」

負けず嫌いな点は自身とも似ているという。

「僕もめちゃめちゃ負けず嫌いです。ゲームでさえ負けたくないなと(笑)。
だからこそ、何事においても頑張れるというのはあると思います。負けたくないという一心でやっています。あまり負けたと感じることはないですが、睡魔にはよく負けます。寝たいと思ったらどこでも寝られます」
○続編に向けて体作り「原作のゾロの体に少しでも近づけたら」

俳優としてブレずに続けている努力を尋ねると「体作り」を挙げた。

「Netflixシリーズ『ONE PIECE』の続編があるということもあって、今はさらに体作りを頑張っていて、体が痛いです(笑)。基本的には自分のジムで鍛えていて、週によりますが5~6回とか。
作品がなくても体作りはやりますが、こんなハイペースではやらないです」

続編に向けて、シーズン1以上に体を大きくすることを目指しているという。

「1のときは決まった時からあまり時間がなくて、できる範囲で仕上げて締めたんですけど、次は絞りながらも大きくできればいいなと。ゾロが大好きなので、原作のゾロの体に少しでも近づけたらいいなと思います」

シーズン1で思い入れのあるシーンを尋ねると、「ミホーク戦です」と回答。

「ミホーク戦はかなり力を入れてやりましたが、すごく寒かったんです。南アフリカは冬だったので。ナミなんて超ミニのショートパンツで凍えていました。
ルフィもノースリーブで、ウソップなんてほぼ上半身裸ですから。必死に寒さに耐えながら芝居して、いい思い出です(笑)」

ブランドプロデュースのやりがいも実感

自身がプロデュースする「INCRM」とNetflixシリーズ『ONE PIECE』とのコラボレーションについては、「まさかコラボできるとは考えていなくて。コラボできたら面白いねという話になり、運良くコラボすることができてありがたかったです」と喜んでいる。

発売アイテムは、麦わらの一味が出会った順番を、今回のためにつくったオリジナルアイコンで表現したフーディーや、新田が演じたゾロが身に着けていた3連ピアスを実際に型取り再現したピアスとイヤーカフなど。2月2日に発売開始された。

フーディーについては「普段着やすいものを作りました。生地にもこだわり、ハイブランドと同じ素材を使っていて、着心地は最高です」と説明。


また、3連ピアスについては「僕が実際に撮影でつけていた形と一緒なので、これで皆さんおそろいです」とにっこり。撮影で3連ピアスを身に着けるとより役に入り込めたそうで、「3連ピアスはゾロのアイコンなので、ゾロとしての気持ちが高まり、こうでなくっちゃってなりましたね」と振り返る。

そして、「コミコンとかでゾロのコスプレをしたいという方にはぴったりですし、1個ずつ売っているので、3連ではなく1つだけつけることもできます。ピアスの穴が空いてなくてもイヤーカフがあるので、いろんな方に楽しんでいただけたら」とアピールした。

ブランドのプロデューサーとしてのやりがいも感じているようで、出演作品とのコラボは俳優ならではだと考えている。

「自分が出演した作品とブランドがコラボするというのは、役者だからこそできることだと思うので、今後もこういった俳優ならでは、自分ならではのコラボレーションができたらうれしいです。
そして、多くの人たちに知ってもらえる世界的なブランドにしていけたらと思います」

また同作とコラボしたいという思いもあるそうで、「今回カジュアルだったので、次はフォーマル寄りなものを作りたいなと。例えば、ジャケットとかパンツとか、フォーマルな感じで、何かロゴではないデザインを入れて。そういうものが作れたらいいなと思います」とアイデアを語った。

焦らずに作品や役と向き合うように

すでに続編の制作が発表されているNetflixシリーズ「ONE PIECE」。尾田氏が「さて、ここから先は…麦わらの一味にも優秀な“船医”が必要になってくる気がしますね…ご期待ください!」というコメントとともに、“麦わらの一味”の船医であるトニートニー・チョッパーを描いたことから、チョッパーの登場が期待されており、新田も楽しみにしているという。

「尾田さんがチョッパーを描いていたので、必ず出てくると予想しているんですけど、どうなるのかすごく気になっています。チョッパー大好きなので。できればあのかわいらしいしゃべり方でいてほしいなと思います」

そして、「続編も話題になり、より多くの方に知っていただけたら」と期待しつつ、「成長したゾロを見せられたら幸せです」と続編への思いを語った新田。「ONE PIECEは本当に自分にとって大切な作品になっています」としみじみと話した。

ここ数年での自身の変化を尋ねると、「世界中の人に知ってもらえたというのが一番大きな違いだと思います」と答え、「あとは体重が増えました。筋トレの成果だと信じたいです。タピオカじゃないことを祈っています」とお茶目に笑う。

さらに、「仕事面でも精神面でも、いろんなことに対して焦りがなくなりました」という変化も告白。

「僕に限らず、若い頃は何かに追われて焦っているという人が多いと思います。なぜ焦りがなくなったのか自分でもわかりませんが、年齢と経験を重ねて落ち着いてきたのかなと。焦らないほうが何事もいいと思うので皆さん自分のペースで仕事をしてほしいです」

俳優としても、焦らず作品や役と向き合ったほうが「絶対にいいと思います」ときっぱり。「しっかり準備期間があって、1つの作品に集中できるという環境がすごくありがたいなと感じていて、だからこそいい作品ができるのだと思います」と述べ、ゾロ役も焦らずじっくりと向き合えたと振り返る。

最後に「続編で前作を上回るかっこいいゾロを演じられるように頑張りますので、楽しみにしていてください」とファンにメッセージを送った。

■新田真剣佑
1996年11月16日生まれ、アメリカ・ロサンゼルス出身。『ちはやふる -上の句-/-下の句-』(16)で第40回日本アカデミー賞新人俳優賞受賞。主な出演作は、映画『ちはやふる-結び-』『パシフィック・リム:アップライジング』(18)、『十二人の死にたい子どもたち』(19)、『カイジ ファイナルゲーム』『サヨナラまでの30分』(20)、『ブレイブ-群青戦記-』(21)、『るろうに剣心 最終章 The Final』(21)、『鋼の錬金術師』シリーズ(22)、『聖闘士星矢 The Beginning』(23)、ドラマ『同期のサクラ』(19)、『イチケイのカラス』(21)、Netflixシリーズ『ONE PIECE』(23)、ディズニープラス『ワンダーハッチ -空飛ぶ竜の島-』(23)など。