EUの調査は、2020年にSpotifyが、App Storeのポリシーが独占禁止法に反していると主張し訴えを起こした際に始まった。Spotifyは、30%の手数料に対する不満に加え、顧客との直接的なコミュニケーションやマーケティング活動の制限も問題視していた。今回の制裁金は、アンチステアリングに焦点を当てたものである。
Appleは過去にApp Storeの商慣行に対する批判に対し、いくつかの譲歩を行ってきた。
2021年には、デベロッパーがメールなどを利用してアプリ外で支払い方法に関する情報をユーザーに伝えられるようにし、2022年にはリーダーアプリを対象にアプリ内からの外部リンクを許可し始めた。しかし、EUはこれらの変更を十分な改善とはみなさず、2023年2月に予備的見解として、アンチステアリング条項を必要性のない「不公正な取引条件」であるとし、消費者の選択を不当に制限し、コスト増加の可能性を指摘した。
2月にFinancial Timesが、EUがAppleに5億ユーロの制裁金を科す可能性を報じたが、実際の制裁金額はそれを大幅に上回るものとなった。ECは制裁金額の設定に際して、Appleの総売上高と時価総額、さらに違反の期間と重大性を考慮し、また行政手続き中にAppleが誤った情報を提出したことも影響したと述べている。
一方、Appleは裁決に対し、ECは消費者への害を明らかにする証拠を「何一つ示せていない」と指摘、App Storeはデベロッパーの競争を促し、市場を繁栄させる公平な場であると反論している。新興企業としてスタートしたSpotifyがAppleのエコシステムにおいて成功できるように、Appleはストックホルムにエンジニアを派遣するなど継続的に支援してきた。Spotifyのアプリは世界160カ国以上で配信され、これまでに1,190億回以上ダウンロードされた。