宇宙用作業ロボットの研究開発を行うGITAIとKDDIは3月6日、月面での通信環境構築に向け、ロボットで基地局アンテナを設置する実証に成功したと発表した。

アルテミス計画などによる月面探査の取り組みが世界的に加速するなかで、宇宙飛行士による月面での船外活動、あるいは月面を走行するローバーからの映像伝送などのための通信環境が求められており、月面にモバイルネットワークを構築するという構想がある。


それにあたっては、地球上の200倍とされる放射線量、-170℃から110℃まで変化する気温といった過酷な環境であるため、基地局の支柱やアンテナなどをロボットのみによって無人で設置可能な設計とすることが前提になるという課題がある。

今回の実証では、月面を模した環境にロボットアームで建設可能な設計の支柱をあらかじめ設置しておき、地上で利用しているものと同様のアンテナをローバーで運搬、複数台のアーム型ロボットによってアンテナを持ち上げて支柱に固定しケーブルを接続し通電、その後ケーブルとアンテナの取り外しまでをテストした。