PARCO&CUBE produce 2024 ミュージカル『ダブリンの鐘つきカビ人間』が上演されることが20日、明らかになった。

『ダブリンの鐘つきカビ人間』は後藤ひろひとが2002年に生み出し、2005年、2015年と上演を重ねた戯曲のミュージカル化作。
脚色・演出はウォーリー木下が手がける。音楽監督は、作品の魅力をより引き出すために、ケルト音楽にも造詣が深く、リリカルな楽曲を手掛けている中村大史が担当。温かくもどこか悲しげなケルトの音色とポップで心躍る楽曲が、作品世界をさらに豊かに盛り上げる。

物語の世界の街に住むカビ人間役はTravis Japan七五三掛龍也、物語の世界に迷い込む聡役は同じくTravis Japanのメンバーでミュージカル初出演の吉澤閑也が務める。また物語の世界の住人で、町中に流行った奇妙な病のせいで思っていることの反対の言葉しか話せなくなったおさえを伊原六花、聡と共に物語の世界に迷い込む真奈美を加藤梨里香が演じる。カビ人間とおさえ、聡と真奈美、2組のラブストーリーの行方にも注目となっている。


戦士役の入野自由、神父役のコング桑田、親衛隊長役の小松利昌、天使役の竹内將人、市長/老人役の松尾貴史、おさえの父(ジジイ)役の中村梅雀が出演。東京公演は東京国際フォーラム ホールCにて7月3日~10日、大阪公演はCOOL JAPAN PARK OSAKA WWホールにて7月20日~29日。
○■後藤ひろひと コメント

まるで”病気の街”のような劇団にいた。団員は皆、容姿も個性も独特で、私は常にそれらの特性を活かした脚本を書こうと努力しした。その劇団を退団する時に書いたのがこの作品だ。なので私はこの作品に”病気の街”への別れのメッセージを込めた。

ほんの数年前、地球全体が”病気の街”になった。深い悲しみや不思議な光景が世界を覆った。そんな”病気の街”にも終わりが来た。だからこの作品が帰って来たのだろう。
○■ウォーリー木下 コメント

僕が演劇をはじめたころに衝撃を受けた劇団のひとつが遊気舎でした。後藤さんの作るワールドと俳優陣の縦横無尽で無茶苦茶な演技は、まるで現代版の見せ物小屋、毎公演恐ろしくもたのしみに観に行っていました。
その中でも「ダブリンの鐘つきカビ人間」は、驚くほどにくだらなくて温かく、そしてグロテスクで美しい舞台でした。
ミュージカルにしたいと言ったのは僕です。理由は6つあります。一つ目は、骨の太い物語。どれだけ演出を変えてもぶれない強さ。ミュージカルにとって物語は最も大事な要素です。
二つ目は、あ文字数。
○■中村大史 コメント

ユーモアと切なさと残酷さが混じり合ったダークファンタジー、それはそっくりそのままケルトの神話性、僕が好きなアイルランド音楽が密やかに纏う空気感につながります。
言葉にし難い、信仰にも通ずる想いを、ユーモラスな言葉のからくりをモチーフに、言葉を駆使して語られる物語。
今作のために力を尽くす全てのメンバーの魅力が舞台上に集結したとき、そこにはどんな音楽が聞こえるのか。耳をすまして鋭意作曲中です。3人のアイルランド音楽演奏家による生演奏でお届けいたします。

○■七五三掛龍也 コメント

カビ人間を演じます七五三掛龍也です。歴史あるこの作品に参加させていただけること、僕自身舞台出演が久しぶりなので今からワクワクしています。前回カビ人間を演じていた佐藤隆太さんはお世話になっている先輩で、出演が決まった時運命だと思いすぐ連絡しました。
今回、後藤ひろひとさん作の、演出がウォーリー木下さんで、さらにミュージカルになるということで新しい"ダブリンの鐘つきカビ人間"になるのかなと楽しみにしています。作品を通してユーモアや切なさ、感動のエンターテイメントをお届け出来ればと思っています。
○■吉澤閑也 コメント

自分はお芝居をしっかりさせてもらうのは今回が初めてなので自分が思う聡というキャラクターを出せたらと思います。

そしてご来場いただける方々がのめり込めるような作品にできたら嬉しいです。

伊原六花 コメント


この作品の虜になるまでに、少しの時間も必要ありませんでした。それほど、脚本のもつ凄まじいパワーと、醜悪さと美しさの世界観に魅了され、この作品に出会えた高揚そのまま、気づけば過去に上演された DVD を全て観終えました。
沢山の方の心に刺さり、愛され、何度も上演を重ねている名作に参加させていただけること、本当に光栄です。
心から愛を込めて、皆さんにお届けできる日まで丁寧に向き合っていきます。この作品に出会ってもらえますように。お楽しみに。
○■加藤梨里香 コメント

真奈美役で出演いたします、加藤梨里香です。
『ダブリンの鐘つきカビ人間』初のミュージカル化。ウォーリー木下さんによってどんな魔法がかかるのか、どんな音楽に出会えるのか、そして豪華で彩り豊かな共演者の皆様とご一緒できることを、私自身とても楽しみにしています。真奈美は聡と一緒にカビ人間たちが生きる不思議な世界に迷い込みます。何に対しても怯まず好奇心に溢れ、アクティブな印象を受けました。ポップでダークなこの不思議な世界で暴れ回れることを期待してお稽古を待ちたいと思います。
この夏、劇場でお会いしましょう! お待ちしております。
○■入野自由 コメント

後藤ひろひとさんの書かれた台詞を喋ることができる! と、個人的にとてもワクワクしています。その反面とても不安でもあります。自分にできるのかと、、、この不安は、七五三掛さん、吉澤さんをはじめとした素敵なキャストの皆様と共に、消し去れるよう頑張ります。そして、ウォーリーさんの手によって、新しくミュージカルとして生まれ変わり、何が起きるのか、体当たりで楽しみたいと思います。
劇場でお待ちしています。
○■コング桑田 コメント

やった!!
1998年、わが師 中島らも作品『こどもの一生』から始まったPARCO&CUBE produce公演に遂に呼んでもらえた!
そして、勢いのあるトラジャのお二人と話題の女優さん、関西小劇場の素敵な仲間の脚本家作品のミュージカル版で、演出家、役者との久しぶりの共演も。
しかも映画『ブルース・ブラザーズ』でソウルミュージックの師、帝王ジェームス・ブラウンが演じたような神父役。
最高に嬉しいです。
ダイナマイトソウル届けます!!
○■小松利昌 コメント

残酷で美しい、面白ダークファンタジーの今作。実は過去2回ほど劇場で観劇した大好きな作品です! この歪な世界の住人になれる幸せを噛み締めております。しかも今回はミュージカルですってよ! ウォーリー演出の魔法で全く新しい作品に産まれ変わる予感がして、今から稽古が楽しみです!
大切な人をもっと、大切に想える時間を、皆で過ごせたら。
○■竹内將人コメント

初めて天使のようなキャラクターに挑戦するのでとてもワクワクしています。『ダブリンの鐘つきカビ人間』と言えば、ダークファンタジーでありながらコメディな作品です。この奇妙な世界にぴったりな個性豊かなキャストの皆様と共に、観客の皆さまがこの世界から抜け出せないほど没頭していただけるよう、作品作りに励みたいと思います。どの夏よりも熱く、奇妙な世界へ皆様を誘います。
劇場でお待ちしております!
○■松尾貴史 コメント

この作品が最初に上演されたのは、作者の後藤ひろひとさん演出による劇団遊気舎の公演だったと記憶しています。幸運にも観劇できた時は、小さな劇場で何と様々な要素が詰まった世界を見せてくれるのかと舌を巻いたものでした。
その後PARCOで上演されたG2さん演出のバージョンも拝見し、素敵な世界観に参加しておられる皆さんが羨ましく、眩く拝見していました。
今回はまた新しい演出になるそうで、念願(と言うと少し違和を覚えますが)の作品に参加できる幸運をひしひしと感じています。
○■中村梅雀 コメント

実に、私にとっては32年ぶりのミュージカルです。意味深い素敵な作品に出演できて、とても嬉しいです。身に降りかかった様々なことを、受け入れざるを得ない世界で、目が見えないことで見た目ではなく真の心が見えたり、自然の変化を敏感に感じたり。聞こえている言葉に惑わされずに本心を探ったり。そこには、愛がありますね。ジジイは悲しい役ですが、私に色々と学ばせてくれます。 空気の変化をたくさん感じて、演じたいと思います。

【編集部MEMO】
『ダブリンの鐘つきカビ人間』ストーリー…中世のアイルランドを思わせる不思議な土地を旅行中の聡と真奈美は霧のために立ち往生し、ある老人の住む山小屋に一夜の宿を求め、老人が語る昔話に、だんだんと心を奪われていく。不思議な病に襲われたその土地では、心と体が入れ替わり、心は水晶のように美しく、しかし誰も近づきたがらない醜い容姿となったカビ人間が生まれた。村人たちに疎まれ、ただ一人で鐘を撞いているカビ人間は、思っていることの反対の言葉しか話せなくなった娘・おさえと出会う。おさえはカビ人間に心惹かれるが、罵倒の言葉が口から飛び出し、その言葉が、カビ人間を窮地に追い詰めていく。老人の話に夢中になっている間に不思議な世界の中に入り込んでいた聡と真奈美は、病を治す伝説の剣・ポーグマホーンを探す旅に出る。その頃、おさえの罵倒の言葉を信じ込んだ村人たちによって、追い詰められていくカビ人間。ポーグマホーンと不思議な歌、そして鐘の音が重なった時、悲しくも美しく、残酷な奇跡が起きる。