ロボット掃除機の進化にはめざましいものがあります。吸い込み掃除はもちろん水拭き掃除もして、水拭きしたモップを洗って乾かす機能を備えた製品まで登場しています。


国の家電メーカー、Dreame Technologyの日本支社となるドリーミーテクノロジージャパンが発表した新製品の6Way全自動ロボット掃除機「DreameBot X30 Ultra(ドリーミーボット エックスサーティ ウルトラ)」は、これらの機能に加えてモップを自動で着脱したり、ベースステーションを洗ったりするロボット掃除機です。5月20日18時まで「Makuake」にて先行予約販売を行い、一般発売は6月中旬を予定しています。

○モップを伸ばして壁ぎわを拭き掃除

DreameBot X30 Ultraは、水拭きも吸い込み掃除もできるロボット掃除機。本体底面に、拭き掃除用のモップを2つ備えています。回転しながら水拭きをしますが、壁ぎわや部屋の隅に近づくと、本体からモップがグイッとはみ出すモップエクステンド技術が特徴的です。

壁ぎわギリギリまでモップが届きますし、例えばキッチンや洗面台の蹴込み(立ったときに足先が扉に当たらないようにするスペース)のように、ロボット掃除機本体が入れない家具の下も掃除できます。
さらに、掃除機本体が左右に揺れて拭き残しを減らす動作も。この機能によって、高さ1cmの隙間、4cm奥深くまで掃除できるそうです。

水拭き掃除に対応したロボット掃除機の場合、1つの課題はじゅうたん。ロボット掃除機の中にはじゅうたんを掃除するときだけモップを持ち上げる機能を備えているものもありますが、毛足の長いじゅうたんや厚みのあるじゅうたんだとモップが持ち上がる高さが足りずに触れて(濡れて)しまうこともあります。床を拭き掃除して汚れたモップがじゅうたんに触れるのは気になりますよね。

DreameBot X30 Ultraはこの問題を解決するため、じゅうたん掃除のときにモップを持ち上げる方法と、モップを外してから拭き掃除する方法を用意しました。
アプリを使って設定が変えられるので、リビングのふかふかじゅうたんを掃除するときはモップを外す設定、キッチンや玄関など薄いマットを掃除するときはモップを持ち上げる(約1cm)という設定ができます。モップの着脱は自動で行うので、手を汚しません。また、モップを外してじゅうたんを掃除した後は、モップを再び装着してじゅうたん周りを掃除し、拭き残しをなくします。

水拭き後のモップはベースステーションの内部で洗浄。モップを高速で回転させつつ、油が溶ける60℃の温水で洗います。これなら食べこぼしなどの油汚れもきれいに落ちそうです。


さらに、ステーション本体のウォッシュボード(モップを洗う場所)も水洗いするため、汚れがベースステーションに残っていることがほぼなく、臭いの発生を抑えます。浄水タンクには銀イオン除菌モジュールを備えており、モップ自体の臭い防止にも配慮しています。洗浄後は温風で乾かします。

これまでモップを自動洗浄しても、洗浄後にベース部分についた汚れについては手持ちのブラシなどを使って定期的なメンテナンスが必要でしたが、DreameBot X30 Ultraではそれも自動にしたとのこと。

これで、ゴミ捨て80日間不要、モップ洗浄・乾燥も不要、モップ洗浄後のウォッシュボードの掃除も不要となったわけです。あとは浄水タンクの給水と汚水タンクの排水までできたらいいですね~。

○障害物はギリギリまで避ける

また、外出先からDreameBotを通して家の中に声をかける機能や、内蔵カメラを活用した見守り機能もあるとのことですが、残念ながらデモでは確認できず。機会を見つけて試してみたいと思います。

掃除中は、LDS(レーザー距離センサー)、カメラ、LEDで間取りや障害物を把握し、障害物にけっこうギリギリまで近づいてから回避します。今回のデモでは、プラスチックカップの障害物だったので、コード類や小さな子どものおもちゃといった物体の回避精度が気になるところです。

○サポートは国内で

ロボット掃除機のような精密機器は故障時のサポートが心配になりますよね。その点を質問すると「サポートは国内で行い、修理センターも国内に用意し、困ったときのやりとり自体が不安にならないようにしている」とのことでした。


ドリーミーの強みは自社工場で自社生産していること、そしてDreameBot X30 Ultraではモップエクステンド技術とモップ着脱という独自機能です。自分でお手入れしなくても清潔に保てるので、「ロボット掃除機のメンテナンスが面倒」という不満を解消してくれるのではないでしょうか。

伊森ちづる 家電・家電量販店ライター。家電量販店の取材や家電メーカーの取材、家電製品のレビューを中心に活動。売り手、メーカー、ユーザーという3つの視点で家電を多角的に見るのが得意。雑誌、ニュースサイト、ラジオ、シンクタンク、自治体での情報提供など、多方面で活躍中。
最近は、テクノロジー×ヘルスケア、テクノロジー×教育などにも関心あり。趣味は音楽鑑賞(クラシック)とピクニック。 この著者の記事一覧はこちら