社会人になって最も楽しみなことといえば、「自由に使えるお金が増えること」ではないでしょうか。一人暮らしの人はやりくりが大変ですが、働いて得たお金を何に使おうか考えるのは楽しいですよね。
ただし、新社会人は経済的に自立する反面、お金のトラブルや失敗を経験する機会も増えるもの。そこでこの記事では、新社会人が見舞われやすいお金のトラブルや失敗の事例を紹介し、それらを回避するポイントもあわせて解説します。

■新社会人は要注意! よくあるお金のトラブル事例5選

社会人になって世界が広がると、詐欺やもうけ話などお金のトラブルに巻き込まれるリスクも高まります。どのようなお金のトラブルがあるのか、特に多い実際の事例を見てみましょう。
1.投資や暗号資産などのもうけ話に誘われる

消費者庁によると、友人や知り合いなどから投資話を持ちかけられ、高額な投資用USBメモリを購入させられたというトラブルが多発しているそうです。「投資の勝率が上がるシステム」が入っているというUSBメモリを50万円など高額で購入したものの、システムを使っても全くもうかる気配はない。


すると、投資の勧誘員が「友だちを紹介したら5万円あげる」など紹介料をちらつかせてきますが、これはいわゆる「マルチ商法」といわれる商法です。新たに友人や知人を紹介してしまうと、今度は自分が加害者になってしまう可能性があり、とても危険です。

投資には必ずリスクがあることを知ったうえで、怪しい話は断り、借金をしてまでシステム等を買うように勧められたら特に用心しましょう。また、最近は暗号資産のもうけ話も増えています。友人や知り合いを通してだけでなく、SNSにおいても「簡単にもうかる」といった情報が多数発信されていますので、注意しましょう。
2.もうからない情報商材を購入してしまった

簡単に稼げるとうたう「情報商材」によるトラブルも多発しています。
情報商材とは、主にインターネット上で販売されている情報のことですが、特に、ビジネスや投資、副業やギャンブルなど、高額な収入を得るためのノウハウがPDF形式などで売られていることが多いです。

情報商材にはきちんとした内容のものもあるため、情報商材というだけで「危険」と判断することはできませんが、中には、全くもうからない詐欺まがいの情報も多く存在しています。情報商材は購入するまで中身が確かめられませんので、「おいしい」と感じる情報でもすぐには飛びつかず、時間をかけて購入を検討しましょう。

また、1万円など比較的安価な情報商材でも、購入後、さらに稼げるという高額コースの契約を迫られるケースもあります。このように、はじめから高額コースの契約が目的の情報商材もあることを知っておきましょう。
3.SNSでモニターに参加し不本意な契約をしてしまった

SNSなどで募集されている「モニター」に関するトラブルにも注意しましょう。
モニターとは、無料または格安で美容サービスなどが受けられ、体験後に企業のアンケートに答える仕事です。アンケートに答える対価として、謝礼が支払われる場合もあります。

ただし、中には悪質なモニター募集も存在し、モニターとして来店したのに高額なコースを契約させようとするトラブルも発生しています。また、きちんとした案件の中にも、謝礼をもらえる条件が「体験するだけでなく、コースを契約すること」となっている場合もあります。

「モニターだけのつもりが、不本意な契約をしてしまった」とならないよう、悪質なモニター募集には気を付け、モニターの内容や謝礼がもらえる条件はよく確認しましょう。
4.フリマアプリで偽物を購入してしまった

社会人になり、普段頑張って働いている自分へのご褒美として、インターネットで高価な買い物をする機会があるかもしれません。
少しでも安く買おうと普段から「フリマアプリ」を愛用している人も多いですが、フリマアプリの中には偽物が出品されていることも少なくないため、注意が必要です。

フリマサービスは個人間の取引であるため、偽物を購入してしまいアプリ運営事業者に相談しても、基本的には当事者間で解決するよう求められます。泣き寝入りにならないよう、特にフリマアプリでの高価な商品の購入には慎重になりましょう。
5.推し活に熱中して高額な転売チケットを購入してしまった

推し活に熱中するあまり、高額な転売チケットを購入してしまった…というトラブルも拡大しています。SNSなどでチケット転売を持ちかけられるも、支払い後に音信不通になり、お金だけだまし取られたという被害が多いようです。

推しとつながりたいという気持ちを悪用した卑怯な手口ですが、まずは公式サイトから購入することを心がけ、転売を持ちかけられても冷静になる必要があります。

■特に気を付けたい「ありがちなお金の失敗」3つ

詐欺や怪しいもうけ話に巻き込まれなくても、管理が行き届かないことで起こるお金の失敗もあります。新社会人の場合、特にどのような失敗が多いのでしょうか。
1.家計管理ができずお金が貯まらない

社会人として働くようになると、一般的には、学生時代のバイト代と比べて大きな金額の給料を手にします。その給料をうまくやりくりし、赤字にならないよう1ヶ月生活しなければなりません。また、生活費に使うだけでなく、給料の一部を貯金し、万が一の病気やリストラなどに備える必要もあります。

しかし、家計管理に慣れないうちは、行き当たりばったりでお金を使ってしまい、全く貯金ができない人も珍しくありません。
最近では初任給アップのニュースをよく耳にしますが、20代のうちは収入がそこまで高くないこともあり、特に一人暮らしの場合は貯金が難しいという事情もあるでしょう。一方、実家暮らしだと、余裕があるからこそ好きなことに使い過ぎてしまう人も多いようです。

家計管理のコツは、各費目の予算を設定し、その範囲内に支出を抑えること。そして、確実に貯金をするには、生活費として使う前に貯める「先取り貯金」を実践することです。
2.クレジットカードでリボ払いや分割払いを繰り返す

社会人になったのを機に、クレジットカードを持つ人は多いでしょう。手元に現金がなくても買い物ができるクレジットカードは便利ですが、使い方には気を付けたいものです。たとえば、リボ払いや分割払いを繰り返すのは避けましょう。

リボ払いとは、クレジットカードの利用金額や利用件数にかかわらず、あらかじめ決めた一定の金額を月々支払っていく方法です。月の支払額がわかりやすい点はメリットですが、リボ払いで新たな買い物をすると、支払残高が増えて支払期間が延びる、手数料が増えるなどのデメリットもあります。

リボ払い、分割払いを安易に繰り返すと、月の返済額が増えたりいつまでも返済に追われたりする事態になりかねません。クレジットカードを利用する時は、返済できるのかよく考えて計画的に使うことが大切です。
3.奨学金の返済が滞ってしまった

大学時代に奨学金を借りていた人は、社会人になるとその返済が始まります(返済開始時期は、奨学金の種類によって異なる)。ただ、近年では奨学金の返済ができず、滞納者が増えていることが社会問題となっています。

毎月の返済額は人によって異なりますが、たとえば学生時代に奨学金を多く借り、社会人になって一人暮らしをしながら返済しなければならないといった状況の方は、返済が難しくなる可能性があります。

日本学生支援機構では、奨学金の返済が難しくなった場合、月々の返済額を少なくする「減額返還制度」や返済を待ってもらう「返還期限猶予」などの措置が用意されています。奨学金の延滞が続くと、債権回収会社からの督促が行われますので、返済が滞ってしまう前にこれらの制度の活用を検討しましょう。
■お金のトラブル・失敗から身を守ろう

社会経験の浅い新社会人は、詐欺や怪しいもうけ話の標的にされやすいもの。もし、お金のトラブルに巻き込まれそうになったら、消費者ホットライン「188」などに相談しましょう。また、社会人は自分の行動に責任を持つことが求められます。正しい情報を選択する力、そして自分なりの家計管理方法を体得し、お金のトラブルや失敗から身を守りましょう。

武藤貴子 ファイナンシャル・プランナー(AFP)、ネット起業コンサルタント 会社員時代、お金の知識の必要性を感じ、AFP(日本FP協会認定)資格を取得。二足のわらじでファイナンシャル・プランナーとしてセミナーやマネーコラムの執筆を展開。独立後はネット起業のコンサルティングを行うとともに、執筆や個人マネー相談を中心に活動中 この著者の記事一覧はこちら