同作は宮崎駿監督の名作『千と千尋の神隠し』の舞台化作。
○■舞台『千と千尋の神隠し』千尋役の上白石萌音
カーテンコールではスタンディングオベーションの中、湯婆婆/銭婆役の夏木マリから促され、感極まった様子でお辞儀をしていた上白石。「浴びたことのない熱気を浴びて、しばらくボーっとしてしまうくらいびっくりしました。お客様達がとても喜んでくださったのが伝わって来て嬉しかったです。カーテンコールの最後に千尋がオンマイクで『ありがとうございました』と言うのですが、その瞬間に、私は日本人で、私たちは日本から来て日本語で作品を届けたんだなという実感がせりあがって来てグッときました。毎回そこで感じるものがあります」と心境を明かす。
ロンドンの観客については「思ったことをそのまま出力してくださる感じがします。すごく楽しみに来てくださっているんだな、というのが伝わってきてうれしいです。客席でお酒を飲んだりポップコーンを食べたりなさっているので、全体の空気感が堅苦しくなくてリラックスしています。同時にすごく演劇へのリスペクトがある、素敵な空間だなと思います」と感じている様子。
このように受け入れられたことについては「日本人がすごく日本人をやっているというところが大きいんじゃないかと思います。
ロンドン稽古については「色々なことが起きましたが、皆で励まし合って、緊張感を高めながらの稽古でした」と振り返る。「知らない土地で長く暮らすとなると寂しさを感じるのかなと思っていましたが、このカンパニーにちゃんと属しているというか、居場所があるのがとても心強いです。あとは、現地スタッフの皆さんとも沢山話をして、お互いに言葉を教え合っています。(ロンドンでも)日本のスタッフの皆さんと変わらない作品への愛を注いでくださって、国も言葉も関係なくワンチームになっているな、と感じながらお稽古していました」と感謝。
またロンドン生活について「アプリでパッとチケットを取って、演劇を観に行けるのが最高に幸せです。稽古が早く終わった日は当日券を押さえて1人で劇場に行って楽しみました。演劇でアウトプットをして演劇でインプットするという純度の高い生活を送っています。夢のようです」と喜んでいた。
ロンドン公演はロンドン・コロシアムにて8月24日まで。日本では現在福岡・博多座にて5月19日まで上演されており、さらに大阪公演は梅田芸術劇場メインホールにて5月27日~6月6日、北海道公演は札幌文化芸術劇場 hitaruにて6月15日~20日。