○留学で「引き出しがパンパンに詰まっている状態」
――留学先のアメリカで撮影した写真も掲載されていますが、留学はご自身にとってどんな経験になりましたか?
今年の4月頭から6月末まで3カ月間留学し、めちゃくちゃ刺激的な日々を過ごすことができました。自分の好きなものや好きなことの理由や答え合わせが一気にできて刺激過多でした。
――具体的にどんな刺激を受けたのでしょうか。
ファッションも音楽もいろんな刺激がありました。ファッションはもともとアメカジが大好きで、日本だとそのスタイルに憧れて真似している感じですが、向こうでそういうファッションをしている人を見て、あれがナチュラルってめっちゃかっこいいなと思いました。ハーレーダビッドソンもアメリカが本国のバイクなので、いろんなカスタムのバイクを見ることができましたし、日本だとなかなかお目にかかれないクラシックカーやヴィンテージカーも信じられない数見られました。また、自分が好きで聴いていた西海岸出身のアーティストがなんでこういう音を使うんだろう、なんでこういう曲を歌うんだろうと思っていましたが、この景色を見てスローライフを送って心に余裕があったらこういう音楽になるわという答え合わせもできたり、いろんな発見がありました。
――語学留学ということで学校にも通われていたとか。
学校で世界中のいろんな人たちとコミュニケーションを取ることができました。授業の合間にそれぞれの国の話を聞くこともできて、知らないことがまだまだいっぱいあるなと思ったので、また行きたいなと。すべてがプラスになった貴重な3カ月でした。
――留学経験が今後の音楽活動にも生きてくるなという手ごたえも感じられていますか?
今、引き出しがパンパンに詰まっている状態なので、今後自分が表現する音楽を楽しみにしていてもらいたいなと思います。3カ月間で多くの刺激を受け、いろんなものを吸収し、音楽面でもさまざまな経験をしてきたので、それをどんどん表現していけたらと思います。
――音楽の表現が広がりそうですね。
そうですね。英語詞の曲にもどんどんトライしていきたいです。今、世の中的にもグローバル化が進んでいて、音楽に国境はないと言われていますが、それをリアルに感じたので、自分という人間が作り出す音楽が海外で受けられるようになればいいなと思っています。音楽面も引き続きアプローチを変えながら、1人で活動する時は仲間と楽しくのんびり、穏やかでゆったりとした時間が流れる音楽をやりたいなと。GENERATIONSとソロの2チャンネルを使いながら、日本国内もそうですし、海外でもいろんなことに挑戦していけたらと思います。
○GENERATIONSの活動とソロ活動のそれぞれにやりがい
――GENERATIONSの活動とソロ活動の相乗効果も感じられていますか?
GENERATIONSでみんなと楽しくパフォーマンスしている数原龍友という人間と、GENERATIONSという看板を下ろしたらこうなりますという、2つがあるほうが人としても音楽としても深みがあると思うので、いろんな音楽のジャンルに挑戦していけたら。グループではできないことも1人だとできたり、逆に1人ではできないこともグループだとできたり、お互いメリットとデメリットがあると思うので、2つのチャンネルをうまく使いこなせたらなと思っています。
――GENERATIONSとしては関口メンディーさんが卒業され新体制に。
6人の新体制で初めてのツアーに向けてみんな気合いが入っています。
――GENERATIONSの皆さんが抱いている「悔しい思い」とは?
思い通りにいかないことのほうが多く、やりたいことがあってもなかなかそれを実現することが難しいなと感じています。自分たちの意図や考えていることが伝わりづらい世の中で、信念を持って真心を込めて作ったものも、思っていた届き方にならなかったという苦い経験をしていて、その難しさを痛感しています。そういった歯がゆさをずっと感じているという意味での悔しさかなと思います。
――自分たちの意図や思いがしっかり伝わるためには何が必要になってくるのでしょうか。
その答えがないから面白いのかなと。その答えを追い求めて一生懸命頑張ることがエンターテイナーとしてやるべきことだと思います。苦労や葛藤があるからこそアーティストや表現者として深みが出てくると思いますし、エンターテインメントは答えがなく正解がないものなので、それを追い求めていきたいと思います。
――最後に、『ついてきて』というタイトルに込めた思いに触れつつ、ファンの方へメッセージをお願いします。
GENERATIONSは新体制になり、永遠なんてものは絶対に存在しないとわかっていますが、リアルに直面したときに自分もいろんなことを考えさせられました。
■数原龍友
1992年12月28日生まれ、兵庫県出身。2012年11月、GENERATIONS from EXILE TRIBEのボーカルとしてメジャーデビュー。2019年に初のソロ曲「Nostalgie」を配信リリースし、ソロとしても活躍。2023年7月より個人YouTube「ひとまずマイク置いてみた。」を開設。