Beatrustは5月20日、「"転職"が頭をよぎる瞬間」に関する意識調査の結果を発表した。調査は2025年2月6日、全国の22~59歳の会社員1,000人を対象にインターネットで行われた。
○給与や昇給ペースに不満を感じたとき
すべての世代に共通して、給与や昇給に対する不満が最も大きな転職のきっかけとなっている。20代では昇給の遅さに対する不満が強く、40代以降では安定した収入を求めるため、この点が重要な判断材料となる。企業が従業員のモチベーションを保つためには、適切な評価制度とキャリア成長の機会を提供する必要があることを示している。
○人間関係の悪化
上司や同僚との人間関係の悪化が、全体ランキングの2位に位置している。特に30代以上の社員にとっては、人間関係の問題が大きな転職のきっかけとなることがわかった。この年代では、キャリアの中盤として成果を上げるために職場環境や人間関係が重要になり、人間関係の悪化がモチベーション低下につながる。人間関係の悪化を防ぐためには、風通しのよいコミュニケーション文化を醸成し、部門を越えたつながりを促進するための仕組みを整えることが重要であるとされる。信頼関係を築ける環境が、離職防止にもつながる。
仕事のモチベーション低下
仕事に対するモチベーションが著しく低下したとき、という項目が全体で3位にランクインしている。特に30代以降の社員では、この要因が転職を考える大きなきっかけとなっている。この年代では、仕事の意義や成長の機会を求める傾向が強く、これらが得られない場合、転職を検討することが増える。企業は、社員の仕事に対する意義や成長の機会を提供し、モチベーションを維持するための施策を講じる必要がある。
○労働条件や福利厚生に不満
福利厚生や労働条件が他社より劣っていると感じることが転職を考えるきっかけとなるのは、特に20代と30代の若手社員に多い。また、過度な残業や働き方の不均衡も不満を引き起こす要因として挙げられる。若手社員が安心して働けるよう、他社水準と比較した福利厚生の見直しと、柔軟な働き方の導入が求められる。制度だけでなく、実際に使いやすい環境づくりが鍵となる。
○企業の経営状況や将来性への不安
特に40代から50代の社員においては、企業の経営状態や将来性に対する不安が転職を考える大きな要因に。自分のキャリアを長期的に築いていく上で、企業の安定性や将来性が重要なポイントとなる。社員に対して経営方針やビジョンを定期的に発信し、透明性の高いコミュニケーションを取ることが信頼醸成につながる。不安を軽減するには、長期的な成長戦略の共有が有効とされる。
○家庭やライフスタイルの変化
30代から50代にかけて、家庭やライフスタイルの変化が転職を考えるきっかけになることが多い。特に育児や介護などの生活の変化に対応するため、働き方を変えたいと感じる社員が増えている。これにより、転職を検討するケースが多くなる。多様なライフステージに対応できる柔軟な働き方や制度の整備が必要となる。
○スキルや経験が評価されていないと感じたとき
自分のスキルや経験が適切に評価されていないと感じることが転職を考える原因となることがある。特にキャリアの後半に差し掛かる40代後半から50代では、自身の成長やスキルを活かせる職場を求める意欲が強くなる。ジョブ型になっていない組織ではスキルが軽視されがちなので、今後はスキルベースの組織運営に取り組む必要がある。
○価値観と会社の方針が合わなくなったとき
自分の価値観と企業の方針が合わないと感じると、転職を考える理由となる。これも特に30代後半から40代にかけて、キャリアやライフスタイルが確立してきた段階で顕著になる。社員一人ひとりの価値観やキャリア観を尊重し、対話を通じて共通のビジョンを築く姿勢が求められる。