LINEヤフーは6月6日、フィッシング詐欺に関するアンケート調査の結果を公表した。この調査では、複数のネットサービスやスマートフォンアプリで同じパスワードを使い回している人が48%にのぼることが明らかになった。
○フィッシング詐欺のことを認知していても、危険なパスワード使い回しをしている人は少なくない
フィッシング対策協議会によると、2024年に報告されたフィッシングメールの件数は約172万件と過去最多を記録。特に証券会社をかたる詐欺メールの増加により、証券口座の乗っ取りや不正な株の売買といった深刻な金銭被害も発生しているという。今回の調査は6月4日に、Yahoo!クラウドソーシングのユーザー1,000人を対象に実施された。
「フィッシング詐欺」の認知率は97%と高かった。さらにフィッシングメールやSMSを受け取った経験があると答えた人は82%に達しており、被害リスクの広がりがうかがえる。フィッシングメール内のURLにアクセスしたことがあるという人も13%いた。
LINEヤフーでは、顔や指紋などの生体認証を用いた「パスキー」や、新しい端末からのログイン時に通知が届く機能の活用を、安全にネットサービスを使うための有効な手段として推奨している。調査では、パスキーのようなパスワードを使わないログイン方法の認知率は72%。実際に利用しているという人も、全体の約半分の48%にのぼった。
その一方で、フィッシングに限らず不正アクセスのリスクを高めるパスワードの使い回しをしてしまっているという人も回答者の48%にのぼった。LINEヤフーではフィッシング被害防止のため、「パスワードは使い回さない」「メールに書かれたURLにはアクセスせず、ブックマークした公式サイトや公式アプリからアクセスする」多要素認証やパスキーを設定する」といった対策をとることを推奨している。
最近では、フィッシングメールの手口が一層巧妙化しており、本物かどうかを見分けるのが難しくなっている。