SBIホールディングスおよびSBI証券は、SMBCグループと、総合金融サービス「Olive」における新たな資産運用サービスの提供に向けて業務提携契約を締結した。

この業務提携に基づき、両グループは2025年度内のサービス提供開始を目指して新会社を設立する予定であり、出資比率はSBI証券とSMBC日興証券が各30%、三井住友銀行が20%、SBIホールディングスと三井住友フィナンシャルグループが各10%となる。


○提携の背景、経緯

今回の提携は、2020年に両グループが戦略的資本業務提携を結んで以来、顧客に対して付加価値と利便性の高いサービスを共同で展開してきた実績に基づく。2021年には、三井住友カードを通じてSBI証券の投資信託を購入できる「三井住友カード つみたて投資」サービスを開始。現在では月間積立額が850億円を超え、年間1兆円規模に達している。また、SMBCグループが2023年3月に開始した「Olive」では、口座・決済機能に加えて、SBI証券がネット証券機能を提供し、570万人以上の利用者に支持されている。

こうした連携の成果を背景に、今後は、顧客ニーズの多様化とデジタル取引の普及に対応し、デジタルとコンサルティングを融合させた新たな金融体験の提供を目指す、とのこと。

○新サービス「Olive Infinite」の概要

「Olive Infinite」は、口座や決済、資産運用機能をアプリ上で一体的に提供するOliveの上位サービスとして位置づけられる。Visaの最上位クラス「Visa Infinite」を日本国内で初めて採用し、最大11万円相当の特典やSBI証券のカード積立で最大6%のポイント還元など、強力な経済メリットを備える。また、最高ランクのプレミアムサービス(メタルカード、コンシェルジュデスク、プライオリティパス、ラウンジ等)やアートや食の会員限定イベントやサッカーやスポーツの世界大会への招待などの体験価値の提供も行う。

さらに、有人・無人の多様な相談チャネルを備えた「フレキシブルコンサルティング」も導入される。利用者はAIチャット、電話、ビデオ通話、Olive LOUNGEでの対面などから最適な相談スタイルを選べるほか、スキルや専門性に応じたアドバイザー選択や専任制の導入にも対応する。

このほか、資産運用に関する専門家チームの組成や、マネーフォワードとの連携による他社・他行口座の可視化機能も実装され、利便性と対応力を兼ね備えた設計となっている。

○今後のスケジュール

準備会社の設立は2025年7月を予定し、関係当局の認可を前提としている。
「Olive Infinite」のサービス提供開始は2026年春を見込んでおり、段階的に機能拡充を進めていく方針である。

今回の取り組みは、異なる強みを持つ両グループが連携することで、顧客にとって“使いやすく、相談しやすい”次世代の資産運用サービスを実現するものであり、金融業界における新たな協業モデルとしても注目される。
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