俳優の綾野剛が主演を務める映画『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』(6月27日公開)ショート動画が、公開された。
同作は、第6回新潮ドキュメント賞を受賞した福田ますみ氏のルポルタージュ『でっちあげ 福岡「殺人教師」事件の真相』を原作に三池崇史監督が映画化。
主人公の小学校教諭・薮下誠一(綾野剛)は、児童・氷室拓翔(三浦綺羅)への体罰を理由に母親・氷室律子(柴咲コウ)から告発され、“史上最悪の殺人教師”としてマスコミの標的になったことで日常が崩壊していく。
今回公開されたのは、登場人物全員が「それぞれの正義」を掲げ、教師・薮下(綾野)を極限まで追い詰める生々しい恐ろしさが際立つ場面の数々を切り取ったショート動画4本。
小学校教諭・薮下(綾野)による児童・氷室拓翔(三浦綺羅)への執拗かつ凄惨な虐めの一端を切り取った「最悪の教師」編には、「死に方教えてあげようか」と優しい口調で耳を疑う言葉を語りかける薮下が映し出される。ゴミを見るかのような目で拓翔に接し、「頭バーン」と称して突き倒し、「ピノキオ」と称し鼻を強く引っ張り、「うさぎさん」と称し耳を強く引っ張る行為が教え子に対して日常的に行われる。そして「しーっ、告げ口しないでね?」と帰り道を待ち伏せする薮下を見つけると絶望を隠せない拓翔の表情から、完全に支配関係であることがうかがえる。しかし、映像の最後では、薮下が人が変わったように「やってません」と驚きの弁解をする。
自身の疑惑を否定する薮下に対し、事態を穏便に済ませるべく謝罪の圧力をかける校長・段田重春(光石研)と、教頭・都築敏明(大倉孝二)を切り取った「疑惑の教師」編では、「体罰しているんですよね?」という段田の言葉に動揺を隠せない薮下の姿が。さらに、「言ったんだろ?」「認めてください」「やった?」「証言の強要ですか?」「これ以上、学校の平和を乱さないでくれ」と信頼していた上司である段田や都築を含む全方位から容赦ない言葉を突き付けられ、四面楚歌となった薮下の絶望、困惑、怒り、恐怖、あるいはそのどれともつかない、様々な表情が映し出される。
拓翔の両親・氷室律子(柴咲コウ)と氷室拓馬(迫田孝也)を切り取った「訴える保護者」編は、「なんでこんな事するんですか?」と鋭い眼光で薮下を糾弾する律子に、畳みかけるように「教えて? 先生?」と、ゴルフ焼けしたその顔で煽り威嚇する拓馬。「出ていけ暴力教師!」「私は絶対に許すことができません」と、法廷に臨む2人の鋭くミステリアスな眼光が強烈なインパクトを残す映像となっている。
また、拓翔の両親からの依頼に薮下をターゲットに定めた「週刊春報」の記者・鳴海三千彦(亀梨和也)と過熱していく報道を描いた「追及するマスコミ」編には、「来ました! 来ました!」「アンタ教える資格ないでしょ!」と裁判所に現れた薮下に一斉にカメラを向ける報道陣が映し出される。テレビではコメンテーターが「二度と教壇に立たせてはいけませんよ」と憤り、週刊春報の中吊り広告には、目線が入った薮下の姿とその実名、“死に方教えてやろうか”、“教え子を恫喝した史上最悪の殺人教師”という見出しがでかでかと書かれており、その見出しは瞬く間に大衆へ広がり報道は過激さを増す。
「大勢の人間が支持している」と自信を見せる鳴海と、第二砲、第三砲のネタを求めて自宅や学校にまで押し掛ける報道陣。映像の最後では、「良いコメント、いただきました」と不敵に笑い、ボイスレコーダーを握る鳴海の姿が捉えられている。
【編集部MEMO】
映画『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』のキャスト発表に際し、週刊春報の記者・鳴海三千彦を演じた亀梨和也は、「今回、再び三池組に参加することができ、とても嬉しかったです。それと同時に綾野剛くんと久しぶりに共演させていただき、非常に刺激的な現場になりました。台本を読ませていただき、人と人との関わりの難しさ、そして繋がりの素晴らしさについて深く考えさせられました。今回演じさせていただいた役は、物語の流れを大きくする重要な存在です。初めて演じる職業。僕自身も様々な思考が交差する難しい役どころでしたが、集中して取り組みました。ぜひ劇場に足を運んでいただき、なにかを感じ取って繋がって帰っていただけら嬉しく思います。 」とコメントを寄せていた。
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