CHINTAIは7月3日、「家賃7万円以下で狙う! お問い合わせ数で見る東京都の人気エリア【自治体・駅別ランキング】」を発表した。調査は2024年4月1日~2025年3月31日、CHINTAIネットに掲載された東京都の賃貸物件のうち、家賃7万円以下の物件に寄せられた問合せ数をもとに集計した。
○家計を直撃する物価高、都内平均家賃も7万円に到達
近年、生活に密着した支出の多くが上昇を続けており、家計への負担が深刻化している。実際に、総務省「消費者物価指数(2025年4月分)」によると、電気代は前年比13.5%、お米(うるち米)は前年比98.4%の上昇となった。こうした物価高の影響は住まいにも及んでおり、CHINTAIネットに掲載された東京都内における25平米以下の賃貸物件の各自治体の家賃相場の平均は、前年より5,000円高い、7万円に達している。
○都心アクセスと家賃のバランスが取れた区がランクイン
ランキング上位には、足立区(1位)、練馬区(4位)、板橋区(7位)など、比較的家賃を抑えつつ都心へのアクセスも良好なエリアがランクイン。駅別ランキングでも北千住や西新井がTOP10入りしており、住宅地としての落ち着いた雰囲気と、複数路線による高い利便性を兼ね備えたエリアとして、通勤・通学と家計のバランスを重視する層から支持を集めているようだ。
○都心部への交通アクセスが優れたエリアが人気
杉並区(2位)や中野区(10位)といった中央線・丸ノ内線沿線の自治体が上位にランクインした。とくに荻窪・阿佐ヶ谷・西荻窪などの駅は、駅別ランキングでも高い順位を獲得しており、都心へのアクセスの良さに加え、商店街や飲食店など生活利便性の高さが評価されたと考えられる。家賃を抑えながらも「生活のしやすさ」を重視する層から支持を集めた結果といえる。
○再開発や地域整備が進むエリアへの関心も高まる
大田区(6位)は、複数路線が交差する蒲田駅を中心に、駅周辺の利便性や居住環境の整備が継続的に進んでおり、暮らしやすい地域としての評価が高まっている。葛飾区(5位)でも、新小岩や立石、金町といった主要駅周辺で再開発が進められており、駅前広場の整備や複合施設の計画などにより、今後の発展が期待されている。今後の成長が期待されるエリアに魅力を感じる人々の支持が、こうした人気の背景にあると考えられる。
○生活利便性とアクセスのバランスで高評価、1位は葛西駅
1位となった葛西駅は、東京メトロ東西線で都心方面へのアクセスが良好なうえ、駅周辺の生活利便性も向上し続けている注目エリアだ。
○中央線沿線の"住み心地の良さ"が駅単位でも顕在化
荻窪駅(4位)・阿佐ヶ谷駅(6位)・西荻窪駅(9位)といった中央線沿線の駅が複数ランクイン。いずれもアクセスの良さに加え、駅前の商店街や飲食店の充実、治安の良さなど"生活しやすさ"に定評がある駅。家賃7万円以下の物件が限られるエリアではあるが、条件を工夫しながらでも住みたいと感じる人気の高さがうかがえる。
○コスパ重視層に刺さる、バランス型駅が人気
八王子駅(2位)・西八王子駅(3位)・金町駅(10位)といった、都心アクセスと家賃のバランスが取れたエリアがランクイン。いずれもJR中央線や常磐線といった都心直通の路線に対応し、駅周辺に商業施設が充実している。家賃を抑えつつ、交通利便性と生活のしやすさを両立できる点が評価され、コストパフォーマンスを重視する層から高い支持を集めたと考えられる。
○"家賃7万円以下で住みたい"人の人気設備ランキング
2024年8月1日~2025年4月30日、家賃7万円以下の物件を検討するCHINTAIエージェント登録ユーザーを対象に、住まいに求める設備条件を調査した。その結果、男女ともに「バス・トイレ別」「室内洗濯機置き場」など基本的な生活設備を重視している点では共通していたが、防犯性や機能性といった優先ポイントには傾向の違いが見られた。
男女ともに、「バス・トイレ別」「室内洗濯機置き場」「エアコン付き」「2階以上」など、一人暮らしに欠かせない快適性や利便性を備えた設備が上位に並ぶ結果となった。これらの条件は、家賃帯を問わず快適で安心できる暮らしを支える"最低限以上"の基準として、多くの人に支持されていると考えられる。
一方で、男性では「ガスコンロ」や「インターネット」など、生活の効率や利便性に直結する設備が上位にランクインしており、機能性を重視する傾向が見られた。
女性では、「オートロック」や「TVモニタ付きインターホン」といった防犯性を高める設備への関心が高く、安心して暮らせる環境を重視する姿勢がうかがえる。