プロフェッショナル向けの潜水用時計から始まったダイバーズウオッチ、今では腕時計の1ジャンルとして各メーカー、各ブランドが幅広く展開するようになった。計測器然としたモデルに加えてスタイリッシュなモデルも充実し、ダイビングをしなくても身に着けるユーザーが増えている。


ここでは、タウンユースと普段使いに似合う国内ブランドのダイバーズウオッチをピックアップ。ダイバーズウオッチには規格があるのだが(国際的には「ISO 6425」、日本国内は「JIS B 7023」)、準拠していないモデルも含めている点をご了承いただきたい。いわゆる「ダイバーデザイン」や「ダイバーズウオッチ風」としているモデルで、たいがいのモデルは5気圧~20気圧防水を備えており、海に潜らない日常用途ならまず問題ない。
○グランドセイコー スポーツコレクション メカニカルハイビート36000 200mダイバーズウオッチ「SBGH289」

国内のトップブランド「グランドセイコー」からは、スポーツコレクションのダイバーズモデルを。2025年7月上旬の時点で、グランドセイコーの公式Webサイトにラインナップされているダイバーズモデルはこの1本のみだ。インデックスや針の形状、大きさは正統的なダイバーズウオッチのデザインで、蓄光塗料(ルミブライト)と合わせて高い視認性を確保している。深い海中をイメージしたディープブルーのダイヤルも腕元を引き立ててくれるだろう。ザラツ研磨や鏡面仕上げなど、ケースとベゼルの美しさにも注目だ。

型番:SBGH289
価格:100万1,000円
ケース素材:ステンレススチール
ケースサイズ:横43.8mm×縦51mm×厚さ×14.7mm
風防:サファイアガラス(内面無反射コーティング)
ブレスレット/ストラップ:ステンレススチール
防水性能:200m空気潜水用防水
ムーブメント:手巻きつき自動巻き機械式「キャリバー9S85」
パワーリザーブ:約55時間

○セイコーウオッチ プロスペックス Diver Scuba(ダイバー スクーバ)ダイバーズ 1965 ヘリテージ PADI スペシャルエディション「SBDC205」

セイコーがダイバーズウオッチをリリースしてから60周年を迎え、その系譜を継ぐプロスペックスのダイバーズウオッチ。2025年7月発売予定の最新モデル「SBDC205」を取り上げた。「PADI(Professional Association of Diving Instructors)」は世界第製のダイビング教育機関だ。エメラルドグリーンとグラデーションのダイヤルは、水中から見上げた降り注ぐ光と水面の揺らぎをモチーフにしている。
廃棄漁網からアップサイクルした再生ナイロンのファブリックストラップが付属することや、パワーリザーブが約72時間と長いところもポイントだ。

型番:SBDC205
価格:22万5,500円
ケース素材:ステンレススチール
ケースサイズ:横40mm×縦46.4mm×厚さ13mm
風防:カーブサファイアガラス(内面無反射コーティング)
ブレスレット/ストラップ:ステンレススチール、ファブリック
防水性能:300m空気潜水用防水
ムーブメント:手巻きつき自動巻き機械式「キャリバー6R55」
パワーリザーブ:約72時間

○シチズン プロマスター MARINEシリーズ エコ・ドライブ(電波受信機能なし)ダイバー200m「EO2021-05L」

シチズン時計の「プロマスター」もブランド誕生から35年を超える歴史を持つ信頼のコレクション。ここではケース径が約37mmと小ぶりでカジュアルな「EO2021-05L」を選んでみた。スペックやデザインは本格的なダイバーズウオッチで、針とインデックスは夜光仕上げ。分針を彩るオレンジの縁取りがアクセントとして効いており、コントラストと視認性を高めている。定期的な電池交換がいらない「光発電エコ・ドライブ」仕様だ。カラーバリエーションとしてブラックとピンクをラインナップし、ほどよいサイズ感はパートナーとのシェアウオッチにも向いている。価格も手ごろ。

型番:EO2021-05L
価格:4万7,300円
ケース素材:ステンレススチール
ケースサイズ:径36.5mm×厚さ11.6mm
風防:クリスタルガラス
ブレスレット/ストラップ:ウレタン
防水性能:200m潜水用防水
ムーブメント:クオーツ式「キャリバー#168」

○カシオ G-SHOCK MASTER OF G FROGMAN(フロッグマン)「GWF-A1000」

カシオ計算機のG-SHOCKはタフネスウオッチの代名詞的な存在。「MASTER OF G」シリーズはより過酷な環境でも耐えられるように、耐久性に磨きをかけたラインナップだ。「陸G」「海G」「空G」を展開しているが、「海G」からG-SHOCKで唯一のダイバーズウオッチとなる「FROGMAN GWF-A1000C-1AJF」だ。FROGMANでは初のフルアナログモデルは、カーボン繊維を用いたコンポジット樹脂ケースや、メタル+樹脂で軽量化を図ったコンポジットバンドを採用。
ブラックベースの本体に、ネイビーのダイヤル、ブルーIPのベゼル、イエローの秒針といったカラーリングが映える。Bluetoothでスマホと接続し、時計の設定や機能をアプリから扱える「モバイルリンク機能」を搭載。

型番:GWF-A1000C-1AJF
価格:14万3,000円
ケース素材:ステンレススチール、樹脂
ケースサイズ:縦56.7mm×横53.3mm×厚さ19.7mm
風防:球面・曲面サファイアガラス(内面反射防止コーティング)
ブレスレット/ストラップ:ステンレススチール、樹脂
防水性能:ISO200m潜水用防水
ムーブメント:タフソーラー(ソーラー充電システム)のクオーツ式

○オリエントスター M42 ダイバー1964 2nd エディション F6 デイト 200m「RK-AU0601B」

1964年に登場したモデルを復刻。オリジナルのディティールを再現しつつ、現代的なデザインとスペックを持たせている。シンプルなドットインデックスは時刻の判読性に優れ、オリジナルを踏襲したミラーブラックの文字板が高級感を演出。12時位置に設けたパワーリザーブインジケーターはオリジナルにはないもので、機械式時計としてはすこぶる実用的だ。標準ではステンレススチールのブレスレットだが、交換用のシリコンバンドが付属する。

型番:RK-AU0601B
価格:16万5,000円
ケース素材:ステンレススチール
ケースサイズ:縦49.6mm×横41mm×厚さ14.5mm
風防:両球面サファイアガラス(ARコーティング)
ブレスレット/ストラップ:ステンレススチール、シリコン
防水性能:200mスキューバ潜水用防水
ムーブメント:手巻きつき自動巻き機械式「キャリバーF6N47」
パワーリザーブ:50時間以上

○オリエント Mako(マコ)「RN-AC0Q09R」

オリエントのスポーツコレクション「オリエント Mako(マコ)」は、名前の通りスポーティーなデザインと手ごろな価格帯が特徴。中でも「ダイバーデザイン」をうたうモデルは人気が高い。ここで取り上げた「RN-AC0Q09R」は2025年6月発売の最新作。鮮やかなレッドのダイヤル、秒針先端のイエロー、明るいシルバーのケースが華やかだ。オリエント マコには限定モデルも多いのだが、RN-AC0Q09Rはレギュラーモデル。
なお「ダイバーデザイン」とあるように、20気圧の防水性能を備えているが、ISO規格やJIS規格には準拠していない点は覚えておきたい。

型番:RN-AC0Q09R
価格:4万8,400円
ケース素材:ステンレススチール
ケースサイズ:縦46.5mm×横39.9mm×厚さ12.8mm
風防:サファイアクリスタル
ブレスレット/ストラップ:ステンレススチール
防水性能:20気圧
ムーブメント:手巻きつき自動巻き機械式「キャリバーF6722」
パワーリザーブ:40時間以上
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