お盆の帰省。久しぶりに実家に帰ると、親の姿が少し違って見えることがあります。

「歩くのが遅くなった」「同じ話を繰り返す」「家の中が前より散らかっている」そんな小さな変化に、ふと胸がざわつく瞬間。この違和感は、親の“老い”のサインかもしれません。でも、どう話を切り出せばいいのか、何から考えればいいのか、戸惑う人も多いはずです。
そこでこのコラムでは、お盆の帰省で見えてくる親の変化にどう向き合うか、そして今からできる小さな準備についてお伝えします。難しい専門知識は不要。今日からできる「一歩目」を一緒に考えてみましょう。
気づきは違和感から始まる

親の変化は生活の中に現れます。冷蔵庫に賞味期限切れの食品が増えている。郵便物や請求書が開封されずに山積みになっている。趣味や外出の話題が減り、家にこもりがちになっている…など。

年に数回しか会わないからこそ、こうした小さな変化に気づけます。けれど、帰省が終わると「まあ元気そうだし」「また今度でいいか」と先送りにしてしまうのが私たちです。


その違和感こそ、親のこれからを考える大事なサイン。見なかったことにせず、会話のきっかけにしてみましょう。
重くならない「これからの話」の始め方

老いや将来の話題は、重くて切り出しづらいものです。だからこそ、いきなり核心には触れないのがコツです。

例えばこんな切り出し方はどうでしょう。
「最近、私も老後のことを考え始めてさ」自分のことを話すと、親も「そういえばね」と話しやすくなります。

話すべきテーマは大きく3つ。
(1)暮らしとお金:生活費や年金、預貯金の管理はどうしているか。
(2)医療・介護:もし体調を崩したらどこでどう暮らしたいか。
(3)実家や財産:家をどうするか、相続や名義のことは考えているか。

一度で全部決める必要はありません。少しずつ、会話を積み重ねることが大切です。

まずは小さな一歩から

大きな決断をいきなりする必要はありません。まずは情報を集めることから始めましょう。

地域包括支援センターや自治体の高齢者相談窓口を調べる
医療・介護・お金に関する相談先をリスト化する
実家の片づけや財産の棚卸しを少しずつ進める

小さな準備でも、いざという時の安心につながります。
まとめ:笑顔で未来の話を

お盆の帰省は、親孝行だけでなく「これからの暮らしを一緒に考える」ための大切な時間です。深刻な顔ではなく、笑顔で。「また来るね」と一緒に、「これからどうするかも少しずつ考えていこう」と伝えてみましょう。今年のお盆は、親の未来を話し合うきっかけにしてみませんか。

この記事を執筆したファイナンシャルプランナー紹介
小峰一真(こみねかずま)
所属:マイホームFP株式会社

MILIZE みらいず AIとITと金融工学の力を駆使し、お金の計画・管理・運用まで完結できる次世代の金融ウェブサービスを手掛けている。個人の方向けには、専属FPにオンライン相談・メール相談ができるサービス『TAMARU』や、お金の情報について動画で分かりやすく解説する『MILIZEチャンネル(YouTube)』など、"金融商品を売らない"完全中立的な金融サービスを提供している。 この監修者の記事一覧はこちら
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