ライフネット生命保険は8月19日、「子育て世帯における物価上昇と食費に関するアンケート調査」の結果を発表した。調査は2025年6月、20代~40代の未就学児または小学生がいる男女1,053名を対象にインターネットで行われた。

○物価上昇と食費への影響

子育て世帯の9割強が「物価上昇が家計に影響している」と回答しており、物価高が家庭生活に深く影響を及ぼしている実態がうかがえる。とりわけ、日常的に支出の多い食費の増加を感じる世帯も9割弱と非常に高い割合を示している。

値上がりを感じる食品の上位は「米、野菜、卵」、節約のために購入を控えたものの上位は「果物、お菓子・インスタント食品、肉類」だった。

○子育て世帯が実践する節約術

食事節約のため、外食の頻度を減らし、自炊の頻度を増やした家庭が多く、手間をかけてでも家庭での調理を選ぶ家庭が増えている。

食料品購入場所の変化は、「食料品が安い店舗の利用(65.2%)」「業務用スーパーやディスカウントストアの利用(32.5%)」が上位となり、少しでも出費を抑えようとする姿勢が見られる。

献立や食材選びでの工夫をみると「見切り品や割引品の購入」が半数以上(53.1%)を占めており、価格を重視した選択が、日々の献立や食材選びに反映されているとみられる。

○食費以外の物価上昇対策について

食費以外の物価上昇対策は、「日用品の節約(36.4%)」「娯楽費の節約(35.1%)」「衣料費の節約(33.9%)」が上位。「光熱費の節約(27.9%)」「通信費の見直し(20.1%)」「サブスクリプションサービスの見直し(17.8%)」「保険の見直し(12.6%)」と固定費を見直すことで対策する家庭も一定数存在する。

他の子育て世帯へおすすめできる節約方法では、「ポイ活(ポイント活動)の開始・活用」が「日用品の節約」に次いで多い結果に。「節約の新定番」となりつつあることがわかる。

おすすめの物価上昇対策の具体的な内容や、物価上昇に対して家庭で取り組んでいるユニークな工夫や節約術について自由回答で求めたところ、「なるべく同じ部屋に集まるようにして冷房を回す台数を減らす。自然と子供達と話す機会が増えました」(女性 40代)、「外食をせずに、外食でよく食べていたレシピを再現」(男性 40代)、「ポイントが5倍の日にまとめ買いをする」(女性 20代)、「ハンバーグや揚げ物の具を野菜多めにしたりはんぺんや豆腐でかさ増ししたりしています」(女性 20代)といった回答が寄せられた。

○お金に対する不安について

8割半ば(85.0%)の子育て世帯が、以前と比べお金に対する「不安が増した」と回答した。

将来への備えとして「積立投資」(46.3%)や「預貯金」(45.9%)への意識が高く、中長期的な資産形成への関心の高まりが見られ、子どもの教育費や老後資金など将来への備えとして、堅実な家計管理を志向する傾向が強まっていることがわかった。

「物価上昇に関して、行政や企業にどのような支援や対策を期待しますか?」という質問では、「子育て世代への減税もしくは給付」(男性 40代)、「給料を上げてほしい」(女性 30代)、「一時的な支援ではなく、継続的に家計に負担のない支援をしてほしい」(女性 20代)といった回答が集まった。
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