VSG不動産は9月1日、「住宅購入における防災意識」に関する調査結果を発表した。調査は8月6日~13日、5年以内に住宅を購入した20~60代の男女1,015人(東京都23区 251名、23区外 256名、政令指定都市 258名、地方 250名)を対象にWEBで行われた。


直近で購入した住宅の種類を聞いたところ、「新築戸建て(注文住宅)」(316人)、「新築戸建て(建売)」(240人)、「新築マンション」(194人)が上位に。

戸建て購入者に「戸建てを選んだ理由として、防災面で重視した点」を最大3つまで選んでもらったところ、「ハザードマップで安全とされる場所を選んだ」(41.8%)が最も多く、次いで「地震・浸水時に他家からの延焼・倒壊が起きにくい」(36.8%)、「自由設計で災害対策が自分でしやすい(例:屋根形状・非常用電源等)」(30.4%)と続き、「特に防災は意識しなかった」という人は16.6%だった。

続いて、マンションやアパートを選んだ人に同様の質問を行ったところ、「建物が耐震・免震・制震構造だった」(46.5%)、「高層階で浸水や津波リスクを回避できる」(35.7%)、「管理組合などの災害時の備えや対応への信頼」(23.9%)、「災害時に建物全体で対応できる安心感」(22.3%)が上位に。建物自体の耐震・免震構造に加え、集合住宅としての災害対応力や、管理組合への信頼など、防災への備えを「個人だけでなく建物全体で対応するもの」と捉える意識がうかがえた。

また、地域選びにおいて防災面で重視したポイントを聞いたところ、「地盤の強さ・液状化の可能性」(39.8%)が最も多く、次いで「ハザードマップの評価(浸水・土砂崩れ等)」(36.5%)、「津波・洪水リスクの有無」(31.8%)、「公共の防災インフラ(河川堤防、調整池など)」(18.4%)、「自治体の防災対策(備蓄・訓練・ハザード情報発信)(16.4%)」「避難所や避難ルートの近さ(15.8%)、「停電・断水への強さ(災害時のインフラ復旧体制)」(14.1%)と続き、土地そのものの災害リスクを重視する傾向が見てとれた。

次に、戸建て購入者に、住宅そのものについて防災面で重視したことを尋ねたところ、1位「耐震等級(1~3)の明記・取得」(42.1%)、2位「免震または制震構造の採用」(37.7%)、3位「地盤改良やベタ基礎などの基礎構造」(36.1%)という結果に。防災意識は、建物自体の構造的な強さに強く向けられており、災害時の倒壊リスクを抑える設計への関心の高さがうかがえた。

一方、マンションやアパート購入者は、半数以上が「耐震・免震・制震構造の有無」(50.9%)と回答。次いで「火災時の避難経路(屋外階段・避難はしご等)の明確さ」(34.4%)、「上層階の安全性(津波・浸水回避)」(29.4%)、「共有部の防災設備(備蓄庫、非常用電源など)」(29.1%)と続き、「特に重視していない」と回答した人は14.2%だった。

また、中古戸建てやマンションなどの中古物件購入者に「不安に感じる災害リスク」を聞いたところ、「老朽化による全体の安全性」(39.6%)と回答した人が最も多く、次いで「屋根・外壁の経年劣化」(31.8%)、「耐震性能の不足(旧耐震基準など)」(27.8%)と続いた。

最後に、「住宅購入後、防災への意識や行動に変化はありましたか?」と質問したところ、「より意識するようになり、防災対策を実行した(備蓄・家具固定など)」が36.9%、「意識は高まったが、特に行動はしていない」が34.8%。住宅購入をきっかけに、防災に対する意識が高まったとする回答は全体の7割以上にのぼった。
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